鹿児島を訪れる楽しみは花だけにあらず。雄大な自然が育む食もまた豊かである。近年、注目されている黒牛とお茶を宿泊や体験で満喫できるコースを案内。
源泉掛け流しの湯に浸かり黒牛と焼酎に舌鼓を打つ
妙見温泉 おりはし旅館
鹿児島県霧島市牧園町下中津川2233
電話:0995・77・2104
料金:離れ客室2万7500円〜(1泊2食付き、1室2名利用時)
交通:鹿児島空港からバスで約25分、妙見温泉下車。徒歩約2分
伝統的で多彩な食材を新しい形に進化
九州の最南端に位置する鹿児島県は、食の宝庫である。温暖な気候が育(はぐく)む農産物や数多の離島を含む広い海域で獲れる海産物。約400年前に琉球から養豚が伝えられ、畜産も盛んに行なわれてきた。
多彩な食材の中でも最近、魅力を大きく開花させたのが、ブランド牛の「鹿児島黒牛」だ。黒毛和牛の飼養頭数日本一(令和4年)を誇る同県では長きにわたって改良を重ね、昨年開催された「第12回全国和牛能力共進会」で過去最高の評価を受け、数々の賞を獲得。種牛の部では、最高位の内閣総理大臣賞に輝いた。
この鹿児島黒牛をしゃぶしゃぶとステーキで堪能できるのが『妙見温泉 おりはし旅館』である。同旅館副社長の有馬博明さん(62歳)は、その味わいに顔を綻ばせる。
「模様のように美しい上質なサシと赤身のバランスが精良で、お腹にもたれない。源泉掛け流しの温泉で疲れを癒し、霧島の焼酎や棚田米と共に味わってください」
もうひとつ、黒牛と共に味わいたいのが、お茶だ。霧島でつくられる「霧島茶」は鎌倉時代に京都の宇治から栽培法が伝わったとされ、霧深い気候と寒暖差から生まれる香りの高さに定評があり、海外にも輸出される。
有機栽培でお茶作りに取り組んでいる『ヘンタ製茶』の「霧島有機煎茶」は、今年1月、フランスの日本茶コンクールの煎茶普通蒸し部門で金賞を受賞。2代目の邉田孝一さん(60歳)は「日本の茶文化を広く伝えていきたい」と昨年、茶園内にティーテラスを開設した。霧島山麓の標高約250mの場所にある茶畑を眺めながら飲むお茶は格別である。さらに、昔ながらの「釜炒り茶」作り体験も、お茶に親しむ貴重な機会となる。
有機栽培の茶畑が広がる絶景を前に一服
ヘンタ製茶
鹿児島県霧島市牧園町下中津川1052
電話:0995・77・2777
営業時間:9時〜17時
定休日:日曜
交通:鹿児島空港から車で約25分
日本の焼酎文化を支えてきた老舗種麹屋、河内源一郎商店グループが営む『バレル・バレー プラハ&GEN』でも新しいお茶の魅力を発見できる。麹資料館や焼酎工場見学を楽しんだあとは、施設内のレストラン『霧島こうじ蔵GEN』で霧島茶の有機抹茶を使った新しい発泡酒「茶和々(さわわ)」を注文したい。爽やかな苦みを持つ抹茶の味わいが、充実した旅を締めくくってくれるだろう。
焼酎文化を支える麴とお茶の魅力に酔いしれる
バレル・バレー プラハ&GEN
鹿児島県霧島市溝辺町麓876-15
電話:0995・58・2535
営業時間:9時〜17時(レストラン『霧島こうじ蔵GEN』は11時〜15時)
定休日:無休(『霧島こうじ蔵GEN』は水曜、年末年始)
交通:鹿児島空港から車で約1分、無料送迎あり(要予約)
鹿児島県観光サイト「かごしまの旅」はこちら
問い合わせ/観光かごしま大キャンペーン推進協議会 電話:099・223・5771