日差しがやわらかく気候もおだやかになり、いよいよ春夏の旅行シーズンがスタートする。旅の計画を立て始めている人も多いのではないだろうか。シンプルな観光もいいが、せっかく出かけるのであれば、ここ一番思い出に残る上質な旅を楽しみたいもの。そこでおすすめしたいのが、地元の食材を活かした「食」をテーマに各地を巡る、JR東海ツアーズの「駅長おすすめ!いやし旅」だ。
地元の名物料理に精通した、対象エリア沿線にあるJR線の駅長や、そのエリアにある宿の女将が、自慢のご当地料理や癒しの温泉で旅を盛り上げてくれるという。
今回は「駅長おすすめ!いやし旅」のさまざまなエリアから、愛知県の三谷温泉と岐阜県の飛騨高山を紹介したい。
三河湾でとれた海産物や空と海を臨む露天風呂が迎える、三谷温泉の名宿
東海地方の「温泉天国」といわれる愛知県にある三谷温泉は、三河湾に面した風光明媚な温泉地。僧侶の行基が発見したと伝えられる約1200年の歴史をもつ由緒ある出湯だ。
三谷温泉の自然の資産を、まるごと堪能できるのが、三河湾を望む全室オーシャンフロントの景観を誇るホテル『松風園』。
『松風園』は、等張性塩化物泉の「千歳の湯」を源泉とした天然温泉があることでも知られる。主成分に陽イオンを多く含んでいるため、さまざまな効能が期待できるほか、成分が体に浸透しやすく、湯につかるだけで肌がスベスベになると評判だ。
良質な天然温泉に恵まれていることもあり、お風呂目当ての宿泊客も少なくない。メインは露天風呂・大浴場の「天恵の湯」と「四季の湯」。「天恵の湯」は、内風呂に加え、三河湾の青い海と青空を仰ぎ見る展望露天風呂を完備。極彩色の夕日が海と空に溶け合い刻々と色が移ろう様はまさに絶景の一言。一方の「四季の湯」は、和の趣が旅情を誘う露天岩風呂。朝夕の男女入れ替え制になっているため、両方のお風呂を楽しめる。
また、自然源泉を引き込んだ「天然温泉足湯」である足湯処「湯楽」は、就寝前のリラクゼーションとしてもぴったりだ。
温泉で心身ともに癒されたあとは、地産の名物をいかした料理に舌鼓。本ツアーでは地元の漁港で水揚げされる深海魚の煮つけをはじめとした料理が提供される。海と空が織りなす自然美のみならず、極上の料理にも癒されていく。
舌でとろける飛騨牛の握りと穂高連峰を望む露天風呂でくつろぐ、飛騨高山の人気宿
続いては、心に染み入る日本の原風景を現代に受け継ぎ、「飛騨工(ひだのたくみ)制度」や「国府盆地の中世社寺建築群」、「木を活かす伝統工芸」といった、数々の日本遺産を有する飛騨高山。通年、多くの観光客が訪れる、“人の町”として栄えた上一之町、上二之町、上三之町の3筋からなる、その名も「古い街並み」に佇むのが、大人がのんびりくつろげるお宿として人気の『本陣平野屋 花兆庵』だ。
ここは趣の異なる多彩なお風呂が自慢。1階の内風呂「石橋の湯」は大きなガラス窓があり、体を思い切り伸ばしながら開放感を楽しめる。別館最上階にある「月あかりの湯(殿方)」「きららの湯(婦人)」からは、「飛騨高山温泉の柔らかいお湯の中に手足を伸ばし、ふと窓から外を見ると、春は宮川沿いの桜並木、夏は緑萌える城山、秋は目をみはる紅葉、冬は一面銀世界の景色に、白くそびえたつ穂高連邦をはじめとする飛騨山脈を堪能できます」と女将が教えてくれた。
「月あかりの湯(殿方)」から外に出ると、露天風呂(殿方専用)では眩いばかりの満天の星と飛騨高山の夜景が広がる。女性専用施設「離れの古民家りらっくす蔵」は白壁の土蔵の中で悠々と湧き出る優しいお湯に包まれてホッと癒され、重厚な蔵の扉の向こうには風情豊かな小庭園と、飴色に輝く艶やかな梁が旅の疲れを癒してくれる特別な空間だ。
共に、日常では味わえない至福のひとときに浸ることができる。
自慢の食事は、料理長の技と飛騨の地で育まれた自然の滋味から生まれる会席など、珠玉の美味がそろう中、女将が選んだのが、当地で育った黒毛和牛の中からさらに厳選された飛騨牛を使った料理。霜降りの入ったお肉は美しいピンク色で、食だけではなくお酒もすすむ。おすすめの逸品は、軽くあぶった極上の飛騨牛トモ三角を、自家製塩で味わう飛騨牛の握りと、ほのかな酸味がきいた飛騨名物赤かぶの握り。
JR高山駅長も大好物だそうで、「柔らかい食感の中にお肉の歯ごたえをしっかりと感じることができます。上質な油は舌の上で溶けていくにしたがいほのかな甘みがあり、どなたでも美味しく味わえます」と語る。
JR東海ツアーズの「駅長おすすめ!いやし旅」プランは、ここに紹介した愛知県の三谷温泉、岐阜県の飛騨高山に加え、下呂温泉、長野県の昼神温泉、山梨県の下部温泉、静岡県の浜松や舘山寺温泉、三重県の鳥羽など一度は訪れたい風光明媚な観光地と珠玉のお宿の数々を設定した旅行プランが用意されている。
美味しい味とくつろぎの温泉体験。旅の思い出が最高のおみやげとなる。
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取材・文/安藤政弘