「西日本グリーンきっぷ」で巡る。秋の山陽・山陰ぐるっと一周 ふたり旅

JR西日本全線が乗り放題で新幹線や特急列車のグリーン車が6回まで乗車できる便利でお得なきっぷ、それが「西日本グリーンきっぷ」。ふたりから申し込める。その情報をキャッチしたのが、アクティブシニアに向けたウェブメディア『サライ.jp』編集長の稲葉成昭さんである。妻の章子(ふさこ)さんを誘って、山陽と山陰路を巡る旅を考えた。新大阪から山陽新幹線で福山、下関を経由し山陰本線で長門の温泉を訪ねる。さらにそこから出雲を目指す。帰途を含めれば山陽と山陰をほぼ一周する鉄道旅である。「結婚してから夫婦ふたりだけで旅をするのは久しぶり」と章子さん。さて、どんな旅になったのか。1日目に目指したのは福山(広島県)の鞆の浦である。

1日目

【福山】山陽新幹線で福山へ、日本遺産・鞆の浦を散策

鞆の浦(広島県福山市)は瀬戸内海に突き出た沼隈(ぬまくま)半島の東南端に位置する。沖合は瀬戸内海の潮の分かれ目となり、紀伊水道と豊後水道という東西の満ち潮が沖合でぶつかると、船は鞆の港に入り、引き潮になると再び船出した。風と潮を使用していた海運の時代、鞆の浦は「潮待ちの港」として多くの船が集結、海上交通の要衝として栄えた。江戸時代に地割された港町には、寺社や伝統的な町並みが今も多く残る。2017年には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定、文化庁からは「日本遺産」に認定されている。

高台に立つ鞆の浦歴史民俗資料館から鞆港を望む。伝統的な家並みが静かに広がる。
鞆の浦のシンボル常夜燈。江戸時代(1859年)に建てられた船を導く灯台で、高さ10mを超える。石造りで港に現存するものでは日本最大級。

港の突端にある「常夜燈」に着いた。「鞆の浦は確か『いろは丸事件』(1867年)の舞台になったところだよね」と稲葉編集長。「いろは丸事件」とは、坂本龍馬の海援隊と紀州藩の蒸気船同士が衝突、龍馬が率いたいろは丸が沈没して、日本初の海難審判となった幕末の事件だ。「私には宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』の舞台の印象が強いわ」と章子さん。「そうだね。じつは僕も、鞆の浦といえば大河ドラマ『麒麟がくる』のイメージなんだ。信長に京から追い出された将軍足利義昭が、ここで毎日釣りをして過ごしていたという印象が強いね」(稲葉編集長)。

鞆の浦名産の「保命酒」(ほうめいしゅ)の蔵元の前で。保命酒は、もち米を原料とした原酒にハーブを漬け込んだ和製のリキュール。現在は4軒の蔵元で醸造されている。

町屋造りの家並みを抜けると、時間が止まったような感覚に包まれる。「歴史のある家やお寺を眺めていると、まるで江戸時代にタイムスリップしたような不思議な気持ちになりますね。実際に訪れると『ポニョ』というよりやっぱり江戸時代かな?(笑)」と章子さん。

多くの映画やテレビドラマの舞台となった鞆の浦。過去と現代が交差する港町を眺める。

高台から鞆の浦を望みながら稲葉編集長はこう語る。「『万葉集』にも詠われた歴史のある港町。昔ながらの町並みを守りながら、ここで暮らす人々の生活感も漂う。それが鞆の浦の魅力だね」。

鞆の浦を後にした稲葉夫妻は、福山駅に戻り山陽新幹線でさらに西へ、本日は下関まで足を伸ばす。

鞆の浦

アクセス:JR福山駅からバスで約30分 https://visittomonoura.com/

【下関】グルメ案内 関釜フェリーの街、下関で本場仕込みの焼肉を堪能する

今回の旅で下関は山陰に向かう中継地。当夜は下関のグルメを堪能したい。下関といえばふぐが有名だが、じつは焼肉がおいしい街としても知られる。下関と韓国・釜山を結ぶ「関釜フェリー」によって、昔から韓国との結びつきが強い。そのため本場仕込みの焼肉店が多く、地元の人たちはそれぞれひいきの店に通う。

「焼肉やすもり」で「極上和牛の五種盛り」(2~3人前8000円)をいただく。生ビール(中)580円。サンチュ470円。

「焼肉やすもり」は、創業70年の老舗、下関と北九州に5店舗を展開する。本店を訪れると17時30分の開店と同時に瞬く間に満席となった。地元の人気店なのである。いろんな種類を食べてみたいので7種の肉が盛られた「極上和牛の五種盛り」を注文。すべて黒毛和牛で、和牛上モモ、和牛カルビ、和牛上バラ、和牛ハラミ、そして和牛サーロインがひと盛りで供される。品名に偽りなし。どれも柔らかく、甘みのある極上肉を心ゆくまで堪能できる。誰しも「おいしい肉を食べた!」という気分になるだろう。焼肉のほかに「釜山冷麺」や「ナッチポックン」など釜山の味も楽しめる。

釜山で有名な「ナッチポックン」(手長たこの辛旨鍋)。1人前1350円(2人前から)

焼肉やすもり下関グリーンモール本店

営業時間:平日17:30~23:00 、土日祝 11:30~23:00
定休日:木曜日(祝日と祝前日は営業)
山口県下関市竹崎町2-1-13(グリーンモール通り)
電話:083-222-6542
アクセス:JR下関駅から徒歩約10分 http://www.y-yasumori.com/shop.html

1日目 参考行程

新大阪8:04→(山陽新幹線)→9:09福山

*福山駅から鞆の浦まではタクシーまたはバス(鞆線)で片道約30分

福山13:47→(山陽新幹線)→16:04新下関16:21→16:31下関

下関泊

2日目

【新下関~長門】観光列車「○○のはなし」に乗り日本海の絶景を堪能

観光列車「○○のはなし」。和風と洋風の2両編成で新下関~東荻間を走る。

2日目は「○○のはなし」という少し変わった名前の観光列車で長門に向かう。「はなし」とは、列車が萩(は)、長門(な)、下関(し)を巡ることから名付けられた。沿線ののどかな田園風景や日本海の絶景を眺めながら、それぞれの胸に「○○」が残る鉄道旅となるだろう。

「いってらっしゃい」。下関駅では乗務員から暖かい見送りを受けた。

本格的な観光列車に乗るのは初めてという稲葉夫妻。乗車した洋風の2号車には、海側に向いた展望席やテーブル席が用意されている。いつもの電車とは違う見慣れない車内に、少し落ち着かない様子だ。新下関から約8分で下関に到着、多くの乗客が乗り込みほぼ満席となった。「人気の列車なんですね」と章子さん。下関駅のホームから見送る乗務員の人たちに手を振り返す稲葉夫妻。稲葉編集長は早くも感動気味。「こういうのいいですね。いい旅になりそうな気がします」。

注文していた「夢のはなし弁当」(2600円、往路で提供)が届く。乗車の3日前までに電話予約をする。
申し込み先:料亭 古串屋 電話083-254-0051 ※販売期間は4~6月、10~12月

弁当は下関の老舗料亭から届く。下関名物の『ふく』を始め、沿線の山海の食材がたっぷり使われている。「どれもおいしくいだきました。これに備えて朝ご飯を抜いたのに、すっかりお腹いっぱい(笑)」と章子さん。

日本海の絶景に見とれる稲葉夫妻。

乗車してから約45分、小串駅を過ぎると進行方向左側の車窓に日本海の展望が広がってくる。「こんなに海の近くを走るんですね。トンネルに入ることも少ないので長い時間眺めていられます。山陰本線ってじつは絶景路線だったんだね」と稲葉編集長は感心した様子。小串~滝部区間は海の景色が30分ほど続き、ビュースポットでは列車が一時停車する。

12時16分、途中駅の長門市に到着。本日は長門の青海島を観光して長門湯本の温泉宿に泊まる。「初めての観光列車に大満足。美しい海、田園風景を車窓から眺めながら、お弁当を食すのは至福の時間」(稲葉編集長)。一番長く車窓近くに立っていたのは章子さんである。「海に見とれていたら2時間ちょっとの乗車があっという間でした」。

車内販売で列車のオリジナルグッズを買う。「○○のはなしクリアファイル」(275円)、「○○のはなしランチバッグ」(948円)、バッグの上は「○○のはなしキーホルダー」(550円)

観光列車「○○のはなし」

運転区間:往路/新下関〜下関〜長門市〜東萩 復路/東萩〜仙崎〜長門市〜下関〜新下関
運転時刻:往路/新下関発9:59~東荻着12:52  復路/東荻発14:13~新下関着17:50
運転日:土曜、日曜、祝日 ※2022年12月31日~2023年1月2日は運休
運賃・料金:乗車券のほかに座席指定券530円

※座席指定券は乗車日の1か月前の10:00から、全国のJRの主な駅のみどりの窓口、主な旅行会社で発売。
詳細はこちら

【長門】青海島を訪ね、長門湯本の名宿に泊まる 

北長門海岸国定公園の中心に位置するのが青海島(おおみじま)。周囲約40kmで日本海側では佐渡、隠岐に次ぐ大きさの島である。本土とは橋で繋がっているので、仙崎駅から景勝地の近くまでタクシーで15分ほどで到着。見どころは「海上アルプス」という、海からいくつも突き出た奇岩の絶景だ。

別名「海上アルプス」。荒波で削り取られ海から突き出る奇岩の数々。

散策道を上りきると断崖絶壁の向こうに「海上アルプス」が広がった。大自然が作り上げた洞門や石柱を目前に、思わず歓声を上げる稲葉夫妻である。絶景を前に稲葉編集長はこう語る。「日本海の小さな島だと思っていましたが、スケールの大きさに驚きました。こんな景色が日本にあったとは。まるで海外旅行に来た気分」。スマホ片手に「どこを撮っても絵はがきみたい。息を切らして山道を登ってきたら、最後にご褒美が待っていました」というのは章子さんだ。

列車から見た日本海とはまた違う、自然の荒々しさに感じ入る。
展望地までは、最寄りの駐車場から青海島自然研究路を散策しながら約10~15分。急坂があるので歩きやすい靴がおすすめ。

青海島

山口県長門市仙崎紫津浦
アクセス:JR仙崎駅からタクシーで15分。駐車場から展望地まで徒歩約10~15分
https://nanavi.jp/sightseeing/omijima/ (ながと観光なび ななび)

宿泊案内 長門湯本温泉「大谷山荘」

長門湯本温泉の名宿「大谷山荘」に到着。

長門湯本温泉の開湯は約600年前(室町時代)、大寧寺(たいねいじ)の定庵禅師が座禅中に、住吉大明神からのお告げによって発見したといわれる、山口県でもっとも古い温泉地だ。今も湯本中心部の泉源は大寧寺が所有する。

音信川のせせらぎを聞きながら温泉街を散策。川沿いには遊歩道が整備されている。

今宵の宿は「大谷山荘」。創業は明治14年(1881)の老舗旅館だ。2016年に日露首脳会談がここで行われたことから、全国にその名が知られた。客室のなかで18室が露天風呂付きだ。予約は露天風呂付き客室から埋まっていくという。泉質はアルカリ性単純温泉でさらりとした肌触り、もちろん源泉かけ流しである。露天風呂付き客室で極上の「非日常」を体験したい。

露天風呂付き プレミアム・スイートB(渓流側)の寝室。眼下に音信川の清流が望める。
夜は星空を眺めながら源泉かけ流しの湯に浸る。音信川を望むオープンエアの開放感が爽快。

大谷山荘

料金:1泊2食付きひとり2万7800円~、露天風呂付き客室は同4万6500円~
電話:0837-25-3300
https://otanisanso.co.jp/

2日目 参考行程

下関9:30→9:39新下関9:59→観光列車(「○○のはなし」)→12:16長門市12:21→12:25仙崎

*仙崎駅から青海島の景勝地までタクシーで約15分

仙崎16:26→16:40長門湯本

長門湯本泊

3日目

【出雲】「神在月」に日本中の八百万の神々が集結する出雲大社に参拝

長門湯本から在来線を乗り継いで出雲市に到着。旅の最終日は出雲大社にお参りをする。

ヤマタノオロチを退治したスサノオ、その息子がオオクニヌシと日本書紀にはある。父はとてつもない大蛇と戦い、息子は白ウサギを助けたと古事記にある。そんな神代のスター、大国主大神(おおくにぬしのかみ)を祀るのが出雲大社だ。

稲葉編集長にとって一度は訪れたかった場所が出雲大社だ。縁結びの神として知られるが、稲葉編集長にとっては、大国主大神が主人公の神話「因幡の素兎」が重要なポイント。因幡→イナバ→稲葉と、字は違うが子どものころから「イナバ」に親近感を憶えていたという。「定年になったら自分へのご褒美として必ず来ようと思っていたけれど、少し早く来てしまった(笑)。それにしても山を背景にした大社を前にすると、神々しいパワーを感じる。旅の最後に選んでよかった。また絶対来よう」。章子さんは2度目だという。「えっ!? 誰と来たの?」と稲葉編集長。「結婚前に友だちと来たのよ」と章子さん。そのあと拝殿で手を合わせるふたり。縁はより強くなったに違いない。

すがすがしい空気の中、松の参道から拝殿に向かう稲葉夫妻。
出雲大社拝殿。2008年に始まった60年に1度の「平成の大遷宮」により、本殿を始めとした社殿の大改修が行なわれ、2019年に大遷宮に関わるすべての事業が完了した。
拝殿で旅の安全と家族の健康を願う。
出雲大社御本殿。1744年に造営され1952年に国宝に指定された。本殿の周りを玉垣と瑞垣(みずがき)が囲む。

「神在月」とは

旧暦の10月は「神無月」(かんなづき)と呼ばれるが、出雲では「神在月」(かみありづき)である。旧暦10月10日(本年は11月3日)の夜に出雲大社から近い稲佐の浜に、国中の八百万の神々がお越しになり出雲大社を目指すためだ。浜では神々を迎える御神火が焚かれ、神迎えの神事が行なわれる。本年、出雲大社では11月3日の「神迎祭」から11月19日の「第二神等去出祭」まで、神在月のさまざまな神事が執り行われる。八百万の神々が集結した神在月に出雲大社にお参りをすると、願い事がかないやすいかもしれない。

神在月に八百万の神々をお迎えする稲佐の浜。浜に突き出るのは弁天島。出雲大社から西に約1km。

出雲大社

参拝時間:6:00~18:00
電話:0853-53-3100
島根県出雲市大社町杵築東195
アクセス:JR出雲市駅からバスで約25分
https://izumooyashiro.or.jp/

【出雲】島根県立古代出雲歴史博物館で古代出雲の謎を解く

島根県立古代出雲歴史博物館。2007年に出雲大社の東隣に開館した。

出雲の歴史は謎に満ちている。古代の出雲ではどのような文化が誕生し、人々はどのような暮らしをしていたのか。それを、国宝を始めとする豊富な展示で解き明かしてくれるのが、島根県立古代出雲歴史博物館だ。これまで発見された遺構や出土物などを元に、古代出雲をさまざま角度から照らしてわれわれに提示する。展示室を巡っているうちに、神話の世界が蘇ってきたような心持ちになる。

2000年に出雲大社境内遺跡より出土した「宇豆柱」(重要文化財)。中央ロビーに展示。

太古の時代、出雲大社の本殿の高さは現在の約4倍、約96mもあったと社伝にある。2000年、大社境内遺跡の発掘調査中に、直径1mもの丸太を3本束ねた巨大な柱の遺構が発掘された。この3本の柱は、出雲国造(こくそう)家に伝わる「金輪御造営指図」(かなわごぞうえいさしず)に同様の図面があったものの、あまりの大きさから実在性が疑問視されていた。この発見によって、古代出雲大社は、伝承にある巨大神殿だった可能性が格段に高まった。

「出雲大社のロマンの歴史がわかる博物館だね。ここには何時間でもいられるよ」(稲葉編集長)
「あまりゆっくりはしてられないわよ。帰りの特急『やくも』の時間もあるし」(章子さん)

平安時代の出雲大社本殿の10分の1模型。現在の高さの約2倍、約48mあったとされる。
総合展示室では、古代から現代までの島根の人々の生活と交流の歴史を紹介する。

島根県立出雲古代歴史博物館

開館時間:9:00~18:00、11月~2月は9:00~17:00。入館は閉館時刻の30分前まで
入館料:620円(常設展)
休館日:毎月第3火曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
電話:0853-53-8600
島根県出雲市大社町杵築東99-4(出雲大社東隣)
アクセス:JR出雲市駅よりバスで約35分。出雲大社本殿より徒歩約10分
https://www.izm.ed.jp/

【出雲】名物の出雲そばに舌鼓

出雲大社近くの「そば処 八雲」で「三色割子」(1170円)をいただく。「天ぷら盛り合わせ」は1270円。お酒は650円(1合)。

出雲そばを伝えたとされるのが、松江藩主初代、松平直政公(1601~1666年)だとされる。そば栽培の盛んな松本藩(長野県)から松江藩に移る際にそばの食文化を運んできたという。現在は「日本三大そば」(わんこそば、戸隠そば、出雲そば)のひとつに数えられている。そばの実を殻ごと挽くので、色が黒っぽく香りが高い。「そば処 八雲」4代目の岩石秀一さんはこう解説する。「出雲そばを代表する『割子そば』は、江戸時代に割盒(わりご)と呼ばれる重箱にそばを入れ野外で食べたのが始まり。明治以降に食べやすく扱いやすいよう丸い器になりました」。そばに薬味をのせ、つゆを直接かけていただく。

昭和3年(1928)築の店は参拝客で賑わう。

そば処 八雲

営業時間:10:00~15:00
定休日:木曜日
島根県出雲市大社町杵築東276-1
アクセス:出雲大社拝殿から徒歩約5分
電話:0853-53-0257
http://www.yakumo-soba.jp/

旅の終わりは特急「やくも」。出雲市と岡山を約3時間で結ぶ。「西日本グリーンきっぷ」ならグリーン車でゆったりと移動できる。

西日本グリーンきっぷの詳細・購入はこちら

【後日談】稲葉ご夫妻に旅の思い出を聞いてみました

章子さん「歴史に触れゆっくり景色や食事を愉しみ、出雲大社ではパワーチャージもでき、23年ぶりに夫婦で愉しめた旅となりました。旅行を計画してくれた夫に感謝しています」

稲葉編集長「夫婦ふたりで旅行するのは、定年後かなと思っていたのですが、50代半ばで旅行ができたことにより、今後の人生100年時代をどう愉しく生きていくかというヒントを得られた気がします。今回の旅行で改めて妻の存在のありがたさを認識することができました」

鞆の浦(広島県福山市)にて。

3日目 参考行程

長門湯本7:24→7:31長門市7:52→9:54益田10:32→(スーパーおき2号)→12:10出雲市

*出雲市駅から出雲大社までタクシーで約20分

出雲市16:30→(やくも26号)→19:39岡山19:53→(山陽新幹線)→20:38新大阪
※各行程の列車運転時間は2022年10月現在

旅のコラム
もう1泊するなら」~山陰屈指の名湯「玉造温泉」案内~

出雲市駅から玉造温泉駅までは在来線で約30分(特急だと約20分)。旅程に余裕があれば玉造温泉で旅の疲れを癒やして帰途につきたい。玉造温泉は奈良時代に開湯した日本最古の温泉のひとつ。『出雲風土記』(733年)にも当地の記述をみることができる。温泉街は南北に流れる玉湯川を挟んで約800mにわたり続き、16軒の宿を始め、みやげもの店やカフェなどが営業している。川辺には無料で入れる足湯や日帰り入浴をやっている宿もあるので気軽に寄って温泉を楽しめる。

玉造温泉は別名「美肌の湯」と呼ばれる。温泉に一番多く含まれる「硫酸イオン」が肌に潤いを与え、2番目に多い「塩化物泉」が肌の表面に塩の膜を作り、温泉で吸収した成分を逃がさないようにガードする。その効果は高級化粧水レベルに達するという製薬会社(サティス製薬)の調査もある。

玉湯川の川辺に2か所の足湯が設けられている。川面を眺めながらのんびりと楽しみたい。
「ホテル玉泉」では日帰り入浴ができる。200名が同時に入浴できる大浴場が有名。1600円。
営業日と営業時間については要問い合わせ。電話:0852-62-0021
湯薬師広場では源泉をボトルに入れて持ち帰れる。専用スプレーボトルは200円。

問い合わせ:玉造温泉旅館協同組合
松江市玉湯町玉造255玉造温泉ゆ~ゆ2階
電話:0852-62-0634(9:00~17:00)
アクセス:JR玉造温泉駅からタクシーで約5分
https://tamayado.com/

写真提供:大谷山荘、玉造温泉旅館協同組合、川井聡

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