体調に大きく関係する「こころ」
今回の新型コロナウイルスの流行は、体だけでなく「こころ」にもさまざまな影響を及ぼしています。ウイルスへの感染そのものに対する不安や恐怖だけに限らず、スポーツジムや習い事、外食、旅行などの趣味や楽しみにしていることができなくなったなど、外出制限によるライフスタイルの変化が重なってストレスを感じている方も多いかと思います。
長く続く不安やストレスは免疫力を低下させ、体の抵抗力が弱まる原因にもなります。全4回で免疫力を高める生活習慣について取り上げているこのシリーズ、最終回の今回は「こころ」をテーマにお送りします。
・ストレスで乱れる自律神経
自律神経は、緊張状態を保つ交感神経、リラックス状態を保つ副交感神経によってバランスをとっています。長期間にわたって強いストレスにさらされると、交感神経が働きすぎてしまうため、2つの神経のバランスが乱れて免疫力が低下してしまいます。
・ストレスホルモンが過剰に分泌される
精神的なストレスを感じると、その情報が脳から伝わり、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が分泌されます。体をストレス状態から守るために一時的に代謝を高めるホルモンですが、過剰に分泌されると免疫機能を低下させてしまうことが知られています。
ストレス解消のためのひと工夫
自律神経のバランスを整え、ストレスホルモンの過剰な分泌を抑えるためには、ストレスをあまり溜め込まずにこまめに発散することがポイントです。そのために、おうちでも簡単にできる工夫をご紹介します。
・おうちでできる簡単なストレス解消術
体を動かすことはストレス解消に役立ちます。外を散歩したりスポーツジムで運動したりできなくても、家の中を掃除するだけで体を動かすことができます。例えば、いつもはモップで掃除する床を雑巾がけする、今までなかなかできなかった換気扇の掃除や窓拭きをする、衣替えや着なくなった服を整理する、など家で過ごす時間が増えた今だからできることをやってみてはどうでしょうか?掃除や片付けをして家の中が綺麗になると、気分もすっきりしますね。
また、いつでもどこでも簡単にできるリラックス法が深呼吸です。大きく息を吸い、ゆっくりと最後まで息を吐くことを数回繰り返すと副交感神経の働きが高まり、不安やイライラが和らぎますよ。
・ストレスを和らげる食事の工夫
体の健康を維持するために必要な栄養素が不足している時に、ストレスを感じやすくなったり、ストレスに弱くなったりします。例えば、体がストレスに対応するときに欠かせない栄養素には、ビタミンB1、ビタミンC、カルシウムなどがあります。これらの栄養素を多く含む食品をご紹介します。
ビタミンB1:玄米、豚肉、ウナギなど
ビタミンC :ブロッコリー、キウイ、ピーマンなど
カルシウム:小魚、チーズ、小松菜など
また、「食べる」ことそのものが楽しみのひとつという方もいらっしゃるかもしれません。和やかな雰囲気の中での食事はストレス解消にもなります。1日3食、落ち着いて食事の時間をとり、好きな音楽やお気に入りの食器などで、気分を盛り上げるのもいいですね。
ストレスに負けない体をつくるおすすめレシピ
お酢でさっぱり 豚肉と夏野菜の南蛮丼
【材料】(1人分)
麦ごはん(押し麦3割) 150 g
豚もも薄切り肉 70 g
片栗粉 適量
なす 40 g
ピーマン 20 g
パプリカ(赤) 20 g
油 小さじ1/2 (2 g)
青じそ 0.5 g
A
酢 大さじ1/2 (7.5 g)
しょうゆ 大さじ1/2 (9 g)
砂糖 小さじ1 (3 g)
酒 大さじ2/3 (10 g)
【作り方】
1.豚肉は3〜4cmに切り、片栗粉を薄くまぶします。
2.なすとピーマンとパプリカは一口大の乱切りに、青じそはせん切りにします。
3.フライパンにサラダ油を熱し、なす、豚肉、パプリカ、ピーマンの順に炒めます。
4.火が通ったら混ぜ合わせたAを加え、とろみが出るまで炒めます。
5.丼に麦ご飯を盛り、4をのせます。青じそを飾ったら出来上がりです。
【栄養価】
エネルギー 440kcal
たんぱく質 20.1g
脂質 10.0g
炭水化物 63.1g
食物繊維 3.9g
食塩相当量 1.4g
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新型コロナウイルスとは、これから長い時間つきあっていかなければならないかもしれませんが、おいしい食事やストレス解消方法を取り入れながら、こころと体の健康を維持していきましょう。
編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士
株式会社おいしい健康
「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」という理念のもと、ITを活用したヘルスケア事業や生活メディア事業を展開しています。主なサービスとして、病気の予防・管理、ダイエットなどを目的とした管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成サービス「おいしい健康」を運営。社内には、サービスの監修や向上にあたる管理栄養士が複数在籍しており、食や健康に関する情報をエビデンスに基づき正確にわかりやすく発信しています。
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