今こそ免疫力を意識した生活を
新型コロナウイルスが大流行している今、感染予防のために「私たちができること」はなんでしょうか? それは、睡眠や栄養などをきちんととり、自分自身の免疫の力を高めることです。
しかし、いざ、免疫を上げようと思っても実際何からはじめたらいいのかわからない方も多いでしょう。そこで、今日からできる免疫力をアップする生活習慣を4回連載でご紹介していきます。
1回目の今回は、「食生活」にフォーカスしてお届けします。
「守り」と「攻め」の免疫機能
免疫とは、ウイルスや細菌などの病原体を体内に侵入させないよう、攻撃・排除するしくみです。粘膜による「守り」、免疫細胞による「攻め」の2つで身体を守ります。
免疫がしっかりはたらくために意識したいことのひとつに「腸の健康」があります。腸は粘膜に覆われており、そこから食べ物の栄養を吸収する場所ですが、病原体にとっては食べ物に紛れて体内へ侵入しやすい場所でもあります。そのため、腸には病原体を退治するための免疫細胞がたくさん集まっており、体内で最大規模の免疫が働いているのです。
免疫力を高める食生活のポイント
細菌やウイルスに負けない体を作るための最も効果的な食事は、あたりまえのことのようですが、栄養バランスのとれた食事を規則正しくとることです。
そのほかに、先に紹介した攻めと守りの免疫機能を意識したポイントが2つあります。
・鼻やのど、小腸などにある粘膜を強くして病原体を入れないこと
・腸内環境を整えて免疫細胞の働きをよくすること
これらに役立つ栄養素を紹介します。
ビタミンA(β-カロテン)
粘膜を保護し、免疫機能を維持する役割を持っています。ホウレン草やニンジンといった緑黄色野菜、レバー、うなぎ、卵などに豊富に含まれます。植物性のビタミンAは、生だと吸収が悪いため、炒めたりドレッシングをかけたりなど、油を使った調理がおすすめです。いつもはお浸しにするホウレン草をソテーにするだけでも、効率的にビタミンAを摂取することができます。
乳酸菌
腸内の善玉菌の割合を増やします。善玉菌の機能のひとつとして、体の免疫力を高める効果があるといわれています。ヨーグルトや納豆、漬物などの発酵食品に豊富に含まれており、特に、味噌やキムチ、ぬか漬けといった「植物性乳酸菌」は胃酸に強く、生きたまま腸に届くといわれています。これらの発酵食品は毎日の食事に取り入れたいものです。朝食に納豆を食べる、間食をヨーグルトに変えてみる、昼食のお弁当にインスタントの味噌汁をプラスするなどで、さまざまな種類の発酵食品を簡単に取り入れることができます。
食物繊維
免疫機能などに良い影響を与える善玉菌の餌となり、腸内環境を整えます。野菜や豆類、海藻類、きのこ類に多く含まれます。食物繊維を多く含む大麦(もち麦)を白米にプラスする、料理で使う小麦粉を全粒粉に変えてみるなど、穀物の種類を見直すだけでも手軽に食物繊維の量を増やすことができます。
免疫力を高めるのに役立つ食事
キャロットラペ
【材料】(1人分)
にんじん 50 g
くるみ(ロースト) 小さじ1/3弱 (1.5 g)
A
酢 小さじ1 (5 g)
はちみつ 小さじ1/2弱 (3 g)
粒マスタード 小さじ1/2 (2 g)
オリーブ油 小さじ1/2 (2 g)
塩 0.2 g
【作り方】
1.にんじんは太めのせん切りにします。
2.塩少々(分量外)を振り、10分おきます。
3.よくもんで水洗いし、しっかり水分を絞ります。
4.ボウルにAを混ぜ合わせ、3を加えてあえます。
5.皿に盛り、手で割ったくるみを散らします。
【栄養価】
エネルギー 61kcal
たんぱく質 0.8g
炭水化物 7.3g
脂質 3.4g
食物繊維 1.3g
食塩相当量 0.3g
キャラメルバナナヨーグルト
【材料】(1人分)
バナナ 60 g
砂糖 大さじ2/3 (6 g)
バター 小さじ1/2 (2 g)
ギリシャヨーグルト(水きりヨーグルト) 100 g
ミントの葉(あれば) 0.5 g
【作り方】
1.フライパンに砂糖を入れ、溶けてきつね色になるまで中火で加熱します。
2.バターと乱切りにしたバナナを加え、さっと炒め合わせます。
3.器にヨーグルトと一緒に盛り合わせ、ミントの葉(あれば)を添えて出来上がりです。
【栄養価】
エネルギー 190kcal
たんぱく質 10.6g
炭水化物 23.7g
脂質 6.5g
食物繊維 0.7g
食塩相当量 0.1g
* * *
今回は免疫力を高める食生活をご紹介しましたが、免疫力は個人差が大きく、生活習慣や環境にも大きく左右されます。免疫力を高めることが期待できる栄養素を意識しながらも、バランスよく食べることが一番大切です。
編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士
株式会社おいしい健康
「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」という理念のもと、ITを活用したヘルスケア事業や生活メディア事業を展開しています。主なサービスとして、病気の予防・管理、ダイエットなどを目的とした管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成サービス「おいしい健康」を運営。社内には、サービスの監修や向上にあたる管理栄養士が複数在籍しており、食や健康に関する情報をエビデンスに基づき正確にわかりやすく発信しています。
おいしい健康:https://oishi-kenko.com/