あなたは「めんどくさい」をためこんでしまう人ですか? それとも「めんどくさい」をうまくかわせる人ですか?
誰だって、楽しくないこと、面倒なことはやりたくないですよね。しかし、自分がどれくらいそういったことをためこみやすいかはなかなか気づきにくいもの。
そのため、突然こんなことを聞かれても困惑してしまう人が多いでしょう。そこでまずは、下記に質問を用意したのでご覧になってください。
■「めんどくさい」をためこみやすい人チェックリスト
(1)他人の顔色が気になるほうだ
(2)任せられた仕事や役目はきちんと果したい
(3)人に頼まれるとなかなか断れない
(4)プライベートでも仕事でも、やるべきことを多く抱えている
(5)忙しいときには、睡眠や食事の時間を削るのはやむを得ない
(6)「好き・嫌い」ではなく「役に立つ・立たない」で物事を選びがちだ
(7)SNSの付き合いもできるだけ誠実に対応したいと思う
(8)人に頼むのが苦手
(9)スケジュール表が埋まっていないと不安
(10)過去を後悔してくよくよしやすい
※『図解「めんどくさい」をスッキリ消す技術~仕事、家事、人間関係がすべて楽になる!~』p.18より引用
いかがでしたか? このリストに当てはまる数が多いほど、あなたは「めんどくさい」をためこみやすい人なのです。
意外と誤解されやすいことなのですが、めんどくさいをためこみやすい人の特徴は「優しくて控えめで謙虚な人」「心が繊細でよく気がつき、心配性な人」「何事も完璧にこなそうとする人」。
それぞれに関しての具体的な説明は省きますが、一般的に「いい人」と言われる人に多いのが特徴です。それはなぜなのでしょう?
■いい人が「めんどくさい」をためこみやすい理由
まず、上記のような性格の人はいったん仕事や家事、人間関係に関わり出すと、気力や体力をかなり消耗してしまうことを経験的に知っていて、それを予想してしまうんですよね。
「今日のシフトは自分しかいないから、しっかりしないと!」「あぁ……、○○さんがまた余計なことを……。後で××さんのフォローをしておかなきゃ……」「この仕事は私が担当を任されたのだからしっかりとやらないと!」などなど。
責任感や気配りがありすぎるために、それらに対する労力もすぐに頭に浮かび、これが「めんどくさい」へとつながっていくのです。
「NO」と断ればいいではないか、と思う人もいるでしょう。しかし、それができないから「めんどくさい」がたまるのです。
こうして自分のキャパシティいっぱいに仕事や人間関係を抱え込むと、やがて生活そのものがめんどくさいストレスであふれ返っていきます。
実際に日本人にはこうした性格の人がとても多く、もちろんこれらの性質は日本が世界に誇る美徳でもあるのですが、皮肉なことに現代においてはこれがめんどくさいループに巻き込まれやすい人という弱点になってしまっているのです。
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このお話は拙著『図解「めんどくさい」をスッキリ消す技術~仕事、家事、人間関係がすべて楽になる!~』でも紹介していますので、興味を持たれた方はご一読ください。
第1回目は、どのような人が「めんどくさい」をためこみやすいのかを紹介してきました。今後はそれらの消し方、解消方法などを具体例を挙げつつ紹介していきます。
この連載を読んで、少しでも多くの人がめんどくさいループから抜け出せることを願っています。
※チェックリストの無断引用・転載は禁じられています。
監修・構成/奥田弘美
取材・文/田中十兄
指導/奥田弘美(おくだ ひろみ)
精神科医(精神保健指定医)、日本医師会認定産業医、作家
1992年山口大学医学部卒業。精神科医として診療を行うほか、嘱託産業医として都内20か所の企業にてビジネスパーソンの心身のケアに関わっている。近著に「一流の人はなぜ眠りが深いのか」(三笠書房)、「何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから」(扶桑社)、「図解『めんどくさい』をスッキリ消す技術」(マキノ出版)など。
【参考図書】
『図解「めんどくさい」をスッキリ消す技術~仕事、家事、人間関係がすべて楽になる!~』
(奥田弘美・著、マキノ出版)