塩分のとりすぎは高血圧などの生活習慣病のリスクになるほか、
つらいむくみなどの原因にもなります。
減塩料理を作ったけれど、ただ塩やしょうゆを減らすだけでは味気ない食事になってしまい、
「結局、食事中に塩やソースを足した」なんて経験がある人も多いのではないでしょうか?
そんなとき、塩の代わりに「お酢」を使うのがおすすめなんです。
そもそも日本人は塩分をとりすぎる傾向がある
「和食は健康的」と思われる方もいらっしゃいますが、実は塩分は高め。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日の食塩摂取量は成人女性で6.5g未満、成人男性で7.5g未満が目標量とされており、
1日に3回食事をとることを考えると、1回の食事の塩分は2g程度に抑えるのが理想です。
しかし、例えば和食の定食にほぼ入っている「みそ汁1杯」には、およそ1.5gの塩分が入っています。(※1)
つまり、1食分の塩分を、みそ汁で4分の3ほどとってしまう計算に。
もちろん主菜や副菜にも塩分は含まれているので、減塩を意識した献立でなければ、完食した場合、塩分は2g以上になってしまうことが多いでしょう。
1食で塩分が2g以上になっても、他の食事で帳尻を合わせれば問題ありませんが、これを毎食繰り返せば、塩分のとりすぎになってしまいます。
おいしく減塩できるお酢のチカラ
高血圧をはじめとする生活習慣病の原因のひとつに、塩分のとりすぎがあります。
とはいえ、ただ塩やしょうゆを減らすだけでは、塩分摂取量は少なくなっても味気のない料理になり、物足りなさを感じてしまうことも。
そんな時には、塩の代わりに酢を使うと、味つけの物足りなさをカバーしてくれます。
お酢には穀物酢や米酢、黒酢など、さまざまな種類があります。
酢を上手に活用するには、料理に合わせて使い分けることがポイント。
どのような料理にどんな酢を取りいれれば、おいしく塩分を抑えることができるのかを紹介します。
煮浸しやあんかけに加える
和食の定番、煮浸しやあんかけは塩分の多くなりがちな料理。
しょうゆを減らし、代わりに穀物酢をプラスしてみるとひと味違った味わいに。
お酢の中でも米酢は加熱すると香りがとびやすいので、加熱料理には穀物酢がおすすめ。香りも残り、さっぱりとした仕上がりになります。
ちなみに米酢は、加熱しない酢飯などに使いましょう。まろやかな仕上がりになります。
肉や魚のソテーのソースに
濃いソースを合わせがちな肉や魚のソテーも、塩分が多くなりやすい料理です。
酢を取り入れるコツは、薄く塩こしょうをした後に、バルサミコ酢を煮詰めたソースをかけること。
独特の甘酸っぱさが食材の味を引き立て、ぐっと深みのある味わいになります。
もちろん、サラダやマリネやナムルにも
マリネやナムルなどのあえ物では、塩や醤油の量を減らして酢を加えると、減塩になるうえに、さっぱりとした仕上がりになります。
また、サラダに使うドレッシングを手作りするのもおすすめ。
市販のものよりも塩分や油分を抑えることができます。
たとえば、トマトときゅうり、レタスの定番サラダには、黒酢+オイスターソース+しょうゆ+ごま油を加えた中華風ドレッシングを。
飽きがくることも多い定番サラダが、ごま油が効いたひと味違った味になり、
塩を使わずともしっかりとした味つけになります。
マルチな調味料「お酢」
おいしく減塩できること以外にも、お酢にはさまざまな効果が期待できます。
たとえば、酢の成分である酢酸には、鉄分やカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
また、脂肪の合成を抑えたり、脂肪分解を促す働きも。
腸のぜんどう運動を促す作用があるので、便秘解消にもつながります。
さらに、酢に含まれるクエン酸の働きで疲労回復の効果があるともいわれています。
毎日の献立で酢を活用し、おいしく無理なく塩分を控えてヘルシーな毎日を送りましょう。
※1 参考:女子栄養大学出版部,「毎日の食事のカロリーガイド(改訂版)」
編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士
株式会社おいしい健康
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