「最近、血圧を測っていないな…」。そんな人はいないでしょうか?
血圧は健康のバロメーター。コロナ禍で外出が減り、クリニックや病院にも行っておらず、自分の血圧がわからないという場合は注意が必要です。
まずは血圧を知ることから始めてみませんか?
高血圧が病気を招く
どうして血圧が健康のバロメーターといわれているのでしょうか?
それは、血圧が高い状態が続くと、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病など、重い病気のリスクのひとつになることがあるからです。
しかも、高血圧は自覚症状がほとんど無く、自分では気づきにくい病気。
そこで、血圧を測る必要が出てくるのです。
日本の高血圧有病者数は、推計で約4300万人(「NIPPON DATA2010」などの調査より)。日本人の約3人に1人が高血圧で、日本で最も多い病気といえます。
有病者数のなかで、血圧が適切にコントロールされている人は3分の1。あとの3分の2は血圧の管理がきちんとできていないといわれています。
普段の血圧を知ることが大切
血圧を測る方法は、病院やクリニックで測る「診察室血圧」と、自宅で測る「家庭血圧」があります。
さて、ここで問題です。どちらが正確に普段の血圧を測れるでしょうか?
病院やクリニックで測る「診察室血圧」のほうが正確性が高いと思いきや、実はそうではないのです。
「診察室血圧」は病院での診察という状況下に緊張してしまい、血圧が上がってしまう場合があります。それを考慮して、高血圧かどうかを診断する基準は、「家庭血圧」とは異なる数値が設定されています。
普段の血圧を知ることができるのは、「家庭血圧」なのです。
家庭で血圧を測ってみよう
血圧計は、家電量販店やネットショップなどで購入することができます。
血圧計にはさまざまなタイプがありますが、上腕に巻くタイプ(上腕式)が最も正確に数値が測れるといわれています。
測定する際は、脚を組まずに腰掛けた状態で行います。
歩いたり食事をしたりした直後は避け、1〜2分程度安静を保ち、リラックスしましょう。
血圧値は忘れずに記録してください。記録帳をつくるのもいいですが、最近ではアプリで簡単に記録することができます。ぜひ、活用してみてください。
測定するタイミングは、朝と夜の1日2回。決まった時間に測ります。
===測定のタイミング===
◎朝
起床後、1時間以内に測る
排泄をすませ、服薬前、食事前に測定する
◎夜
食事・飲酒・排泄の直後は避けて測定する
入浴後は1時間以上あける
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血圧を記録していくと、普段の血圧のリズムがだんだんわかってくるはずです。
リズムが大きく乱れたときは、その日の状況を振り返ってみましょう。
普段よりも運動を多くした、酒量が多かった、塩分の多い食事を摂ったなど、原因がわかると生活を改善しやすくなります。
血圧は常に変動するものと心得よ
血圧は1日のうちに何度も上下に変動しています。入浴後は急上昇したり、お酒を飲んだ直後は下がって翌朝には上がったり。食事や会話、ストレスなど、ちょっとしたことでも変動します。だから測定値に一喜一憂せず、毎回できるだけ同じ条件で測ること、継続的に記録することを続けましょう。
今、血圧に不安がなくても、毎日記録することが重い病気を防ぐことにつながります。人生100年時代を健康に生きるためには、血圧の管理が欠かせません。この機会に、記録を始めてみませんか? 食事の記録などと一緒に、日記のようにつけるのもおすすめです。
【参考】日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士
株式会社おいしい健康
「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」という理念のもと、ITを活用したヘルスケア事業や生活メディア事業を展開しています。主なサービスとして、病気の予防・管理、ダイエットなどを目的とした管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成サービス「おいしい健康」を運営。社内には、サービスの監修や向上にあたる管理栄養士が複数在籍しており、食や健康に関する情報をエビデンスに基づき正確にわかりやすく発信しています。
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