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「よく噛んで食べましょう」。健康のためにいいと、よくいわれる言葉です。
よく噛んで食べることは消化によく、肥満対策にもなると考えられています。
実はそれだけでなく、誤嚥(ごえん)予防にもなるのです。

噛んだり飲み込んだりする力が弱い方は注意

誤嚥とは、飲食物が食道ではなく気管に入ってしまうことをいいます。
通常、飲食物は口に入れてよく噛んだあと、唾液とともに食道を通って胃に入ります。
飲食物がのどを通過するときは、喉頭蓋(こうとうがい)が気管をふさいでフタの役割をするため、飲食物が気管に入ってしまうことはありません。
誤嚥は、加齢に伴って起こりやすくなります。
唾液の減少により滑りが悪くなったり、飲み込みにくくなったり、噛む力や飲み込む筋力が低下したり、反射神経が弱まることで飲み込んだときに気管をふさぐタイミングがずれたりすることが主な原因。また、病気や薬の副作用で誤嚥しやすくなる場合もあります。

また、乳幼児の場合は未発達なために誤嚥しやすいといえます。まだ歯が生えそろっていない子が多く、噛む力が不十分。飲み込む機能も未発達で、吐き出すこともまだ上手にできないからです。

誤嚥しやすい食品の形状・大きさとは?

ぶどう、ミニトマト、カップ入りゼリーなど、誤嚥しやすい食品があることも知っておくといいでしょう。
誤嚥しやすい食品の特徴は、以下の2つになります。

1.みずみずしくて弾力があり、表面がツルツルした丸い形状のもの

口に入れると誤ってのどにツルッと入りやすく、喉頭蓋がフタをする前に気管に入り込んでしまうことがあります。

2.餅のようにのどに張りつきやすいもの

粘着力がある餅は、のどに張りつきやすく、窒息を起こしやすい食品の代表例。餅は食べる前はやわらかく、食べてからだに入ると冷めて硬くなるため、リスクが上がります。

3.気管を塞ぎやすい約2〜3cm大のもの

気管の径は、乳幼児で1cm未満、大人は2cm程度といわれています。
2〜4cm大の食品を飲み込んで気管が塞がれてしまうと、息ができなくなり窒息につながることがあります。

消費者庁によると、高齢の方ではおかゆ類・もち・ご飯・肉の順に多いものの、どの食品が原因かわからないケースがいちばん多いようです。*1
厚生労働省の保育施設などの事故防止ガイドラインによると、乳幼児の場合はミニトマトやご飯、ゼリーなど、ざっと30以上の食品に危険性があり、調理の工夫が必要であると示されています。*2
誤嚥しやすい食品の特徴はあるものの、どんな食品でも誤嚥は起こりうるのです。

食べやすい大きさに切る、のどを潤すことも大切

誤嚥を防ぐには、食べやすい大きさ・やわらかさに配慮して調理することが大切です。
あらかじめ食べやすい大きさに切っておくと、噛みやすくなります。
よく噛むことで、飲み込みやすくもなります。
ただし、細かく刻みすぎると噛む力が衰えてしまうこともあるので、噛むことができる適度な大きさに調理を。
また、食べる前にお茶や汁物などの水分を摂り、のどを潤すことも対策になります。のどが潤っていないと食事がつかえたり、大きいものを噛まずに飲み込むと気管の入り口を塞いだりするリスクがあるからです。

万が一、食べ物が詰まったときのために、応急手当の方法をおぼえておくと、いざというときに慌てません。
気管が3〜6分塞がれてしまうと、命を落とす可能性もあります。以下のサイトを参考にして、備えておきましょう。

・政府インターネットテレビ「窒息事故から子どもを守る」
 https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg16245.html
・食べ物による窒息事故を防ぐために(食品安全委員会)
 http://www.fsc.go.jp/sonota/yobou_syoku_jiko2005.pdf

参考
*1 御注意ください、高齢者の窒息事故!(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_009/pdf/caution_009_181226_0001.pdf
*2 教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン(厚生労働省)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kyouiku_hoiku/pdf/guideline1.pdf

食品による子供の窒息事故に御注意ください!(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/170315kouhyou_1.pdf
e-ヘルスネット 速食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-10-002.html

編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士

株式会社おいしい健康
「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」という理念のもと、ITを活用したヘルスケア事業や生活メディア事業を展開しています。主なサービスとして、病気の予防・管理、ダイエットなどを目的とした管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成サービス「おいしい健康」を運営。社内には、サービスの監修や向上にあたる管理栄養士が複数在籍しており、食や健康に関する情報をエビデンスに基づき正確にわかりやすく発信しています。
おいしい健康:https://oishi-kenko.com/

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