近年、前向きなイメージで語られるようになった「終活」。しかし、それは親や自分の死を直視することでもあり、先送りしてしまう人も多い。ラジオやテレビで活躍するレポーターの菊田あや子さんは「終活はこれからの人生をよく生きるために行うこと。できれば50代のうちに始めるといいですよ」と言う。菊田さんは、2020年に最愛の母を94歳で看取る。その後、一般社団法人終活協議会と出会い、終活を学び、理事に就任。菊田さんは「還暦のおひとりさま」であり終活の必要性を痛感している。終活にまつわる著書も出版し、講演活動も行う菊田さんに「終活の要点」を伺った。

筋力維持、歯科検診も「よく生きる」ための終活

『ルックルックこんにちは』(NTV系)、『ジャスト』(TBS系)などのワイドショー番組で知られるレポーターの菊田あや子さんは、母の看取りを機に「終活」の重要性を痛感する。
「約9年間の遠距離介護を経て、母を自宅で看取りました。それまで終活というと、遺産、葬儀、墓という“亡くなった後”のことを指すと思っていました。でも、母が亡くなる前の数年間を間近で伴走し、やがて来る死に向かい、自分が納得いくように準備することが大切だと強く感じたのです」(以下「」内・菊田さん)

菊田さんは命が尽きるその瞬間まで、「幸せな人生だった!」と満足して死の世界に旅立つ準備が終活だと言う。

「気付いた時がはじめ時。まず気をつけるのは健康です。例えば歯の健康について。母は最後まで自分の口から食事をしていました。それは歯科検診を定期的に受け、治療をしていたからです。それに気づいてから、私自身も3か月に1回は歯科検診を受けています。認知症にならないように緑黄色野菜や豆類を意識的に食べたり、ウォーキングをして筋力を維持したり……これも終活の一環だと思うのです」

体が動くうちに身の回りの整理をすることも大切だ。転倒しにくい環境に整えるのも、できれば70代までに済ませておきたい。
「私はひとり暮らしで子供もいません。だから、骨折などして体が満足に動かなくなると、行動の自由度が制限されることは目に見えています。母を山口県の実家で送り、東京の自宅に帰ってから、ものを処分し、動きやすいように環境を整えました」

自分のためにエンディングノートを書く

加えて、エンディングノートも書いた。スマホやPCの暗証番号を書き残し、保険や貯金、不動産などの資産をまとめておく必要性を痛感したからだ。
「どこに何があるか、本人しかわからないことは、意外と多いです。何も準備していないと、見られたくないものが他人の目に触れることになったり、望まない財産配分をされてしまうこともあります。エンディングノートは遺族が困らないためでもありますが、自分のために書くものだと感じました」

しかし、どの項目をどのように書き残せばいいか、見当もつかない。
「“これさえ明記すれば大丈夫”というエンディングノートがありますので、そこに書いておけば安心です。かつて記すことが多すぎて中断してしまった人もいると思いますが、必要最低限の要素をまとめているので、最後まで書くことができるはず。私も必要なことはここに書いています」

菊田さんが実際に選んだのは、自ら理事を務める終活協議会が作成したエンディングノート。

介護にも医療を受けるときにも必要な「身元保証人」

終活を始めても、見落としてしまうことがある。それは、身元保証人だ。入院や介護施設に入居するときに、9割以上の病院・施設が身元保証人を求めるため、身元保証人がいないと入院・入居が不可能になる。
「母の施設入居、入院などの際に、私や兄が身元保証人になりました。これは、緊急連絡の受託、支払いの保証、亡くなってしまった際の対応をする責任ともいえます。母には私たちがいたからいいのですが、いざ私が母の立場になったらどうすればいいのかと不安になったのです」

煩雑な死後の手続きも任せられる安心

子供がいても、迷惑をかけたくないと考えている人は多い。海外に住んでいたり、良好な関係を築けていない場合もあるだろう。
身元保証人も大切だが、亡くなった後の手続きも煩雑である。これも、生きている人にしかできないことを改めて認識する。

「母が亡くなった後、葬儀、死亡届などの手続き、納骨、実家の整理、介護にかかった費用の精算、相続など、さまざまなことがありました。法律の専門的な情報を調べ、理解しながら決断していくのは意外と大変です。母が亡くなった後、多くの書類を作成しつつ、“私が亡くなった後、これを誰がやるのだろうか”と不安になり、調べたところ、“心託”というサービスがあることを知ったのです」

心託とは、心託コンシェルジュという終活のプロが、身元保証、遺言書作成、相続手続きといった相談事を受け、各種の手配・対応を行ったり、司法書士などの専門家に取り次ぐサービスだ。24時間、365日つながる窓口を持ち、緊急時の連絡受託も請け負う。
おひとりさまのみならず、結婚している人、子供がいる人も、安心して生きるために加入する人が増えているという。
「これに入っておけば、亡くなるその日まで安心できると感じたのです。母の看取りを経験し、おひとりさまである私も誰かの役に立ちたい。そこで、自分も終活ガイド検定を受けました。合格し、終活ガイドになった今、ご縁をいただき心託サービスの運営をする終活協議会の理事をしています。寿命がくるその日まで、自分らしく生きるために、お手伝いをしていきたいと思っています」

エンディングノートは数年ごとに見直しをするといい。現在の自分の状態、これから行きたい旅先など「今と未来」に向き合う。これが今後の前向きな人生計画に結びついていく。
レポーター・菊田あや子さん
1959年山口県生まれ。一般社団法人 終活協議会理事。リポーターとして活躍する傍ら、講演活動も多く行う。そのテーマは食、美容、マナー、コミュニケーションなど多岐にわたる。2020年1月に山口県の実家で母(享年94歳)を看取り、終活の必要性を痛感。終活協議会の終活ガイド資格を得る。遠距離介護や終活に詳しく、近著に『エンジョイ!終活』(幻冬舎)がある。

誰にも迷惑をかけず、安心して生きていきたい

心託には3つのプランがある。

一般社団法人 終活協議会HP

まずは生活のサポート、入院、介護施設入居に伴う身元保証(身元引受け)連帯保証を中心とした『安心プラン』。
次に、葬儀、連絡、お墓、手続き、遺品整理、遺言、相談、公正証書の作成(再作成時の費用も負担)など、死後事務を中心とした『万全プラン』。
そして、多くの人が支持しているのは、上記2つのプランを組み合わせた『完璧プラン』だ。身元保証と死後事務をプロが行うので、将来に起こるあらゆることに備えられる。

終活協議会の心託については、専用の資料にその詳細が書かれている。これから将来どんな問題が起こる可能性があり、その問題にはどんな対応ができるのか。まだ自分では気づけていない盲点も多いはずだ。そんな盲点に、この資料は気づかせてくれる。

人生100年時代、残された時間を満足し、不安なく生きるためにも、せめてエンディングノートや心託サービスなど、今からできることを始めよう。


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取材・文/前川亜紀  撮影/乾 晋也

 

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