「あなたの心に残っている思い出は?」 

そう聞かれたときに立ち上がってくるワンシーンは、あなただけの大切な「物語」。

忘れられない人、遺しておきたいモノ、守りつづけたいコト……あなたが綴る、未来に伝える物語「わたし遺産」の募集が今年も始まった。

三井住友信託銀行が主催するこの取り組みは、今年で9回目を迎える。人とのつながり、モノやコトに託された思いや縁がより心に沁みる時代になった。

あなたの心に眠っているエピソードは、きっとほかの誰かの人生や心を豊かにするはずだ。ここでは前回の受賞作品と作品を書くときのちょっとしたアドバイスを紹介していく。

大賞受賞作品紹介 日常のありふれた物語が、人の心を打つ

まず、2020年に募集が行われた8回目の「わたし遺産」の大賞作品を紹介する。いずれも、社会や暮らしが変わっても、変わらない「人・モノ・コト」を綴っている。

現在のできごともあれば、過去の忘れられない思い出もあり、読んでいると心の奧からじんわりと温かくなっている。

選定委員も歌人・穂村弘さん、ライター・大平一枝さん、コラムニスト・栗田亘さんと豪華だ。彼らが、丁寧に作品を論評するのも「わたし遺産」ならではではないだろうか。

では早速、作品を読んでみよう。

鷲見隆司(岐阜県 60歳)

選定委員:歌人・穂村弘さん
カーナビを更新しないという発想に驚かされる。時が流れ、風景が変わっても、鷲見さんの車には震災前の情報が残されている。それはみんなの心の中にある町の地図だ。だから、今も思い出の場所にたどり着くことができるのだ。

菅澤多絵子(東京都 46歳)

選定委員:ライター・大平一枝さん
病気に限らず、誰にでもヘルプが必要なときがあり、さりげない言葉が誰かを救うこともある。こういう時代だからこそ、大賞にふさわしい作品だと思った。素直で伸びやかな筆致は「わたし遺産」にひと味違った風を吹かせ、新鮮に映った。

小林浩子(東京都 51歳)

選定委員:コラムニスト・栗田亘さん
手作りペンダントの効き目はあらたかだったが、いまだに感謝していることがもう一つあると言う。「小学校の同級生は、酔いやすくて迷惑をかけていた私を、決して除け者にしなかった。どんなに救われたことか」

さあ、あなたの「わたし遺産」を書いてみよう

さて、あなたの記憶に眠っている物語はないだろうか。遠い過去でなくても、特別な体験でなくてもいい。記憶に残るワンシーン、仕事や人間関係で人知れず大切にしていることがきっとあるはずだ。

しかし、いざ書くとなると、これがなかなか難しい。そこで、『サライ.jp』読者のあなたに、ちょっとした書き方のヒントを紹介する。あくまでこれは参考であり、あなたの「わたし遺産」を仕上げるのはご自身だ。

あなたが物語を応募することで、あなたの「わたし遺産」が、現在……そして未来の誰かの心を優しく、温かくしていくかもしれない。

「わたし遺産」を綴るコツは3つ

●紙とペンを出し、心に残る思い出を発掘していこう
思い出は、記憶の地層に眠っている。それを掘り起こしてメモしていこう。家族、友人、同僚、学友などの思い出、楽しかったこと、辛かったこと、夢中になったこと、家に眠っているモノ……さあ、自由に紙に書いてみよう。

●忘れられない「人・モノ・コト」の思い出を書いてみよう
「これを書いてみたい」と思う対象をざっくりと、2~3ピックアップしてみよう。そのワンシーンを書き残したメモや、手元にある「モノ」を眺めて、「あのとき、あんなことがあったな」などの思い出の輪郭や中身を立ちあげていく。

●思い出を「わたし遺産」にする
「これを残したい」というあなただけの「原石」を見つけ、その物語を綴るときのコツはただ一つ。「うまく書こう」と思わないことだ。感じたことをそのままに約400字にまとめていくのが、「わたし遺産」だ。飾らず、素のままでいい。そのシンプルな物語が、人の心を打つのだ。

まとめ
ライフスタイルが激変し、人との関わりが胸を打つ時代になっている。
あなたが書いた「わたし遺産」が人の心を打つかもしれない。加えるなら、「わたし遺産」の執筆で豊かになるのは、書き手の人生や心ではないだろうか。
人生100年時代、これまでの人生を振り返り、「わたしは豊かな人生を生きているのだ」と思い出を発掘していくことが、あなた自身のいい未来につながっていくのだ。

わたし遺産の詳細について

早速、「わたし遺産」を綴ってみよう。
今年も、応募がスタートしたばかりだ。応募方法や過去の受賞作品を下記サイトから。

「わたし遺産」Webサイトはこちら

構成・文/前川亜紀

 

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