いつまでも、アクティブで充実した生活を送るために、ウォーキングやストレッチを日課にしている人もいるだろう。その、“基本のき”は、骨を意識して、ケアすることにある。骨は見えないところで体を動かし、支えているからだ。
そこで、注目したいのは、骨密度。これは年齢を重ねるとともに低下してしまう。“背中が曲がった”とか“ちょっと転んだだけで大事に……”というのは、骨密度の低下が一因なのだ。
では、骨密度を高めるためにはどうすればいいのか。ここでは、今から間に合う、骨ケアの最前線を紹介する。骨の健康は一日にしてならず。正しい知識をおさえ、セルフケアを続けることで、いつまでも元気でポジティブな毎日を過ごしていこう。
健康を維持するための骨の役割
年齢を重ねるとともに、骨の健康への意識は高まっていく。骨がもろくなり、転倒しただけで骨折してしまうなどのリスクを知ったことで、「骨密度を高めないと」と思う人は増えている。
50代半ばを過ぎると、骨の健康に不安を感じ始めるのではないだろうか。特に女性は閉経によりホルモンバランスが変わることで、骨がもろくなりやすくなっていることが知られるようになった。
そこで、骨を健康にしたいと願っている、骨野健子さん(仮名・55歳)が、永年、骨の健康について研究を行っている雪印メグミルクの小林敏也さんに、今特に気になっていることを、詳しく聞いてきた。
いつまでもアクティブに過ごしたい骨野健子さん。
健子さんの骨についての質問に答えてくれたのは、雪印メグミルク ミルクサイエンス研究所長 ・小林敏也さん。
骨野健子さん(以下:健子):先日、80歳の叔母が転倒して、腕を骨折してしまったのです。治ったのですが、すっかり元気がなくなってしまって。その時に初めて、骨密度が低下していることがわかったんです。骨を健康にするにはどうしたらいいのでしょうか。
小林敏也さん(以下:小林):それは大変でしたね。骨密度は症状を感じないうちに低下してしまいますから。特に女性は男性に比べて、骨格が小さく、体内に蓄えられる骨量が少ないんです。ですから、骨を意識した生活を続けることが大切なんです。
健子:そういえば、女性は閉経後、骨がもろくなると聞いたことがあります。
小林:はい。女性ホルモンのエストロゲン分泌が急激に低下する50代は、骨密度が減ります。すると、骨のトラブルのリスクも高まってしまうんですよ。
健子:骨折から要支援・要介護になった人のお話も伺うことがあります。私も気を付けないと!
骨は新陳代謝する! 骨が強くなる仕組みを知ろう
健子:骨の健康は、最近よく聞く健康寿命とも大きく関わっているんですね! 母の姿を見て、自分の将来についても不安を感じていたところでした。でも、年齢を重ねていると、骨密度を高めるのは難しいのではないでしょうか。
小林:そんなことはありません。骨は新陳代謝しています。いくつになっても、骨密度を高めることはできるんですよ。
健子:へえ~。初めて知ることだらけです。全く、想像がつきません。
小林:骨では、破骨細胞という古い骨をこわす細胞と、骨芽細胞という新しい骨を作る細胞が働いています。この2つの細胞がバランスよく働くことで、約3年のサイクルで、新しい骨に生まれ変わっているのです。
健子:3年で! しかも細胞が骨をこわしたり、つくったりしているんですね。知らなかった!
小林:そうです。この2つの細胞は、どちらも骨にとって大切な働きをしています。しかし、加齢や生活習慣の影響で、破骨細胞の働きが活発になってしまうことがあるんです。
健子:でも、今からでも骨密度を上げられるとわかって安心しました。「骨は若いときにつくられて、年齢を重ねてから骨を強くすることはできない」と思い込んでいました。いくつになっても、この2つの細胞の働きで、カルシウムから骨がつくられているんですね。
小林:実は骨は主にカルシウムとコラーゲンでつくられています。イメージは鉄筋のビルです。鉄筋がコラーゲン、カルシウムがコンクリートに該当します。コラーゲンは骨にしなやかさを、カルシウムは強度を与えています。
健子:わかりやすい! コラーゲンがしっかりしているから、転んでも折れないしなやかな骨になれるんですね。
小林:その通りです!
大切なのは骨密度! 骨密度を高めるために何をすればいいか……
健子:骨密度を上げるには、どうすればいいのでしょうか。
小林:まずは食事です。栄養素を摂取し、吸収されることが大切です。納豆、魚、青菜、乳製品などをバランスよく食べるとよいですよ。
健子:我が家は和食中心なのでよかった! カルシウムも意識して摂取するようにしています。
小林:骨密度のためにはいいですよ。加えて、私たちが発見したMBP(R)を取り入れると、骨密度を高める一助になるかもしれません。MBP(R)とは、牛乳にごく微量に含まれるたんぱく質で、Milk Basic Proteinの頭文字をとって命名しました。
私たちは、永年、牛乳の研究を続けており、乳清の中にある成分を特定。これが、骨の健康に関わっていることを発見したのです。
健子:カルシウムさえ摂っていれば、骨は丈夫になると思っていました。
小林:もちろん、カルシウムは大切ですが、骨の材料の一部です。私たちは骨の生まれ変わりに関わる2つの細胞の働きにも注目しています。
骨の新陳代謝に働きかけるMBP(R)のメカニズムとは
健子:それにMBP(R)が関わっているんですか?
小林:MBP(R)には、2つの働きがあります。まずは破骨細胞が骨を過剰に壊すのを抑制してくれます。
次に、骨を作る骨芽細胞を増やし、骨をつくる力を高めてくれるのです。
健子:骨密度に関わっているふたつの細胞にダブルで働くんですね!
MBP(R)を摂取するには……
健子:ところで、骨を強化するMBP(R)は、どのように摂取したらよいのでしょうか? 牛乳を飲めばいいの?
小林:含まれる量がとても少ないので、3月23日発売の『MBPドリンク』を毎日の生活に取り入れるといいかもしれませんね。ちょっと飲んでみますか?
健子:ありがとうございます。飲みやすい味と量で続けられそう。将来、自分がいつまでもいきいきと生活するためにも、娘たちにも介護などで迷惑をかけないためにも、今から骨の健康には気を付けます。
骨密度を上げる生活は、食事と運動
健子:ところで、ほかにも、骨を健康的に保つための生活について教えていただきたいです。
小林:骨の材料であるカルシウムは摂取しても、多くが体の外に排出されてしまいます。摂取するだけでなく、体にしっかり吸収し、定着させることも、とても大切なんです。
健子:え!? そうなんですか? どうすればよいのでしょうか。
小林:カルシウムの吸収を助けるビタミンDを体の中でつくるために、日光浴をする。また、カルシウムをしっかり骨に定着させるためには、負荷のかかる運動で骨を鍛えることも大切です。
健子:負荷がかかる運動とは?
小林:骨は重力がかかり、衝撃を与えることで強くなります。健子さんはウォーキングが趣味なので、これは骨にいいのですよ。あとは痩せすぎないように気をつけるといいかもしれません。ダイエットに一生懸命になるあまり、食事を制限してしまうことで、骨にも悪影響が出るおそれがありますから。 骨の健康には、カルシウムはもちろん、イソフラボンやビタミンK、ビタミンDなど様々な食材に含まれている栄養素が関連しているので、栄養状態を豊かに保つ必要があるのです。
健子:では、これからの人生、ダイエットはほどほどにします(笑)。
小林:人生100年時代、骨を意識した生活を続け、毎日をエンジョイすることが大切ですよ。
健子:子供たちや家族に迷惑をかけず、自分のやりたいことをする……そのためには、骨の健康の維持が大切なのですね。早速、やってみます!
骨密度を高め、いきいきとした毎日のために
『MBPドリンク』100g(雪印メグミルク)
届出表示:本品にはMBP(乳塩基性タンパク質)が含まれます。MBP(乳塩基性タンパク質)には骨密度を高める機能があることが報告されています。
機能性関与成分:MBP(乳塩基性タンパク質)
本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。また、特定保健用食品とは異なります。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
「MBP(R)」Web サイトはこちら
取材・文/前川亜紀 イラスト/尾代ゆうこ