人生100年時代と言われる昨今。長寿社会を迎え、介護について早めに検討されている方もいらっしゃるでしょう。

掲載施設数No.1(※1)の老人ホーム検索サイト「みんなの介護(https://www.minnanokaigo.com/)」を運営する株式会社クーリエでは、サイト運営で得た知見を基に介護事業の課題や社会的事象を調査・研究しています。
今回は、夫婦入居に関するレポートをお送りします。

夫婦入居の希望者が増えている

「みんなの介護」のデータを分析すると、2022年は老人ホームへの夫婦同室での入居を希望される方が増加傾向にありました。入居先の選択肢としては「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」などがありますが、夫婦で入居するために、こうした施設の見学をされた方が、昨年同期間と比べて2倍近くにまで増加しています(2022年9月27日時点)。

人気の秘密を知るべく、施設見学を行った夫婦入居希望者へ実施したアンケート(※2)をもとに、夫婦入居のトレンドを調査しました。

(※2)施設見学の同行者を対象・有効回答数448件

夫婦入居の希望者について

夫婦入居希望者の夫婦の平均年齢は85.4歳でした。また、要介護度別にみると、要介護1が27%、要介護4は8%、要介護5は4%(介護度が高い入居希望者の平均)となっています。認知症の症状については、33%の方々が軽度の症状が見られる(自己申告)と回答しています。

入居先の選定に伴う施設見学は、特に都市部に集中しており、東京で全体の17%弱、神奈川・大阪がそれぞれ全体の10%程の割合を占めています。

施設見学後に他の施設の見学を希望している方は73%となっており、比較的に良好な状態での入居希望が多いことがわかります。

夫婦入居希望者へのアンケートの声

夫婦入居を希望される方へのアンケート結果を分析してみると「設備」や「食事」に対する評価は、単身での入居希望者よりも満足度が高い結果となった一方、「費用・コストパフォーマンスについての評価」について、単身での入居希望者よりも満足度が低い結果となりました。

つまり、「設備」や「食事」には十分満足できても、費用については事前の想定よりも高いと感じられた方が夫婦入居希望者には多かったと考えられます。実は、夫婦同室入居の場合、夫婦が別室または異なる施設に入居する場合よりもコストは安く抑えられますが、まだまだコストの観点ではミスマッチが大きいようです。

実際、アンケート回答者の73%が、当該の見学施設への入居を見送ると回答しています。施設見学後のアンケートより3件のコメントを抜粋します。

1.充実していますが、「やはりお値段は張るのだな」というのが正直な感想。父母共に年金は充分にあるが、父が先立ったら、母の年金だけではちょっとツラいのではないかと感じています。
2.介護度の高い父は別室での入居可能とのことで、同じホームにいられることに安心しました。ただ、月額費用で折り合いが悪く、今回は見送ることとしました。
3.地域では数少ない夫婦入居が可能の施設とのことで見学に行きました。どちらかが先に亡くなってしまった場合の料金プランも提示してくださったので、前向きに検討してみます。

理想的な夫婦同室入居の実現には何が必要か?

コストのミスマッチの解決に何が必要なのか? 施設見学後に実際に入居を決めた方のアンケート結果を見てみましょう。

1.入居後にかかる費用などについても丁寧に詳しく説明していただいたことで、入居一時金や月額利用料が適切だと感じられました。他の施設では説明を受けないことも教えてくださいました。
2.入居一時金や月額利用料の説明はきちんとしてくださりました。安いにこしたことはありませんが、親の生活をみていだだくので、「安かろう悪かろう」では困ります。価格的には適切なのではないでしょうか。
3.入居金や月額利用料は光熱費も含まれていて適性だと思います。自由度が高いので、介助が必要な人はそれだけ余分に費用がかかるというスタイルのようです。

たとえ見学者の第一印象が「高額」だとしても、料金設定について施設側から詳しく丁寧に説明を行うことでコストについて納得感が得られ、ミスマッチの解消に繋がる可能性があります。

【調査概要】
アンケート実施期間:2022年1月1日~2022年9月22日
調査対象サイト:「みんなの介護」https://www.minnanokaigo.com/
調査対象者:「みんなの介護」を利用して、施設見学を行った夫婦入居希望者500名、単身での入居希望者500名へのアンケート
有効回答数:448(夫婦入居)、489(単身者)
調査機関: みんなの介護(株式会社クーリエ)

(※1)主要な老人ホーム検索サイトを対象に掲載施設数の調査を行った結果、みんなの介護がNo.1を獲得。
【掲載施設数についての調査概要】
調査期間:2022年4月7日~4月11日
調査方法:自社調べ
調査対象サイト:みんなの介護、 LIFULL介護、探しっくす、オアシスナビ、シニアのあんしん相談室、 MY介護の広場、有料老人ホーム情報館、いい介護
施設数の計上方法:調査対象サイトについて、調査期間中における各都道府県の施設掲載数(訪問介護事業所を除く)の積み上げ値を比較。各都道府県の施設掲載数については、調査対象サイトの都道府県のインデックスページに記載されている検索結果数について、実際の掲載数との整合性を確認の上、当該結果数の数値を採用。

 

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