【家族の秘密】40歳の息子が行方不明……母が危惧する、孫娘の家庭教師との不適切な関係～その2 ～

通院を支える妻のような女性

それから3時間後、かなりふらふらした足取りで息子さんは出てきて、タクシーに乗ります。私が息子さんを、家庭教師の女性をペアの探偵が追いかけることを瞬時に決め、私はタクシーで追跡。

運転手さんが「もしかして、あの雑誌の人？　それなら協力しない」と言うので「違います。お母様に頼まれて家出している息子さんを追いかけているんです！」と言ったら、「よしきた！」と猛追。ありがたかったです。

歌舞伎町から30分、タクシー料金3500円くらいのエリアにあるかなりの古いマンションの前で息子さんは下車。慣れた様子で入っていきました。

私は深夜にカーシェアのクルマを手配し、ずっと待機していました。ひとりの調査は、絶対に対象者（息子さん）から目が離せないので、眠るわけにもいかないし、トイレにも行けないのです。

それから息子さんが出てきたのは、朝10時。一緒に出てきたのは、30代後半のかなり太った女性でした。長年連れ添った夫婦のように自然な感じで、息子さんを支えながら駅に向かっていく。駅の前の内科の医院の診察を受けて、再びマンションへ。女性はそれから12時すぎに近くのスーパーに出かけて、夜8時に帰宅。それから息子さんがタクシーで歌舞伎町に出かけて、夜中に家に帰る。

この様子を依頼者・弥生さんに報告したら、「この女は、嫁よ！」と驚いていました。

13年ぶりに見る嫁は、かなり太っており別人のよう。離婚の原因は嫁の浮気で、当時付き合っていた男性とは別れた模様。

報告書を出した時は、「息子も焼け木杭に火が付いたのかしら」とどこかうれしそうでした。

しかし、その後、経緯を調査すると、息子さんは20歳の家庭教師と男女の関係になっており、彼女のバイト先の飲食店にかなりのお金を落としていた。

派手にお金を使う人がいると噂になり、客引きに来たのが、元妻の現在の恋人。元妻は夜の仕事の雑用係のアルバイトもしており、そこで元夫が派手にお金を使っているのを知る。元妻は、現在の恋人の店にお金を落とさせたい。そのために優しいふりをして、かなりのお金を引っ張っていることが発覚。

「息子は家族に飢えている。家庭教師に手を出したのが、実の娘にバレ、“アニマル”と呼ばれ、徹底的にバカにされている。その心の隙に付け込んだのが元嫁。ホントにロクなもんじゃないわ」

母親に説得されて戻ってきた息子さんは、今は家でおとなしくしており、20歳の女性も家庭教師を続行しているという。

「あの一件から、土日には、家庭教師の女性と３人で家族のように出かける日もあり、その様子を見るのはとても楽しんですよ。孫娘があんなに楽しそうにしているのも、嬉しい」

息子に、家庭教師の女性と結婚してほしいと思うも、年の差などから今すぐにというわけにもいかない。

「時代遅れなのはわかりますが、私は男の子の孫が欲しい。そういう願いも、あの家庭教師の娘なら、察して実行してくれると思うんですよね」

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社　http://www.ritztantei.com/