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『サライ』の提案がきっかけに!パナソニック「Jコンセプト」の電動アシスト自転車にこらされた数々の工夫

文/小坂眞吾(サライ編集長)

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いまや、街中で電動アシスト自転車を見かけない日はない。でもその乗り手の大半は、小さな子供を乗せたお母さん・お父さんで、あとは高齢者向けのサドルの低い自転車や三輪車。

一方で、子育ては終えたけれど、いわゆる高齢者には到達していないという50代~60代に向けた電動アシスト自転車は、趣味性の高い特殊なものを除けば、ほとんど見当たらないのが現状だった。

言い換えると、サライ世代が日常の足として乗りたいと思う電動アシスト自転車がなかったのだ。

ならば、それをいっしょに作りましょう!

『サライ』編集部からの提案にパナソニックが共鳴して生まれたのが、4月4日に発表されたJコンセプトの電動アシスト自転車だ。今回は、この一台に盛り込んだ数々の工夫についてご紹介しよう。

*  *  *

■1:小型・軽量化と乗りやすさを徹底追求

『サライ』編集部からの最初のリクエストは「軽く・小さく・またぎやすく」だった。子乗せに特化した電動アシスト自転車は、安定感を得るために全長が長くなり、重くなる。多くの人が抱いている「電動アシストは重い」というイメージは、ここから来ている。

そこでタイヤ径は20インチに、ホイールベースも短くした結果、全長は157cmに。子乗せ自転車より30cm短くなった。これは大型マンションなどの6人乗りエレベーターにそのまま入る大きさだ。

重量もそのぶん軽くなるのだが、フレームとハンドルの素材をスチールからアルミにして、さらなる軽量化を図った。結果、26インチの子乗せ電動アシストモデルより約10kgも軽い18.2kgを実現させた。

「またぎやすさ」にも妥協はいっさいなし。サライ世代にヒアリングした結果、女性は前乗り(サドルの前から足を入れてまたぐ)がほとんどであることがわかり、サドルの基部とハンドル基部を結ぶ水平のバーを撤去。前乗りしやすくした。バーの撤去により損なわれる強度は、大小2本のアルミフレームで補っている。

これらにより、軽量コンパクトで乗りやすい電動アシスト自転車は実現するのだが、ハナシはここで終わらない。真の乗りやすさの実現のため、さらなる工夫を重ねた。

■2:走行安定性の実現

20インチという小さなタイヤでホイールベースも短いと、ハンドル操作が不安定になる。そこで、ハンドルと前輪を結ぶフォークをほんの少し寝かせて、安定感を担保した。

タイヤもやや太めにして、安定感を増している。

■3:安全性の徹底

従来の自転車のヘッドライトは、暗くなると点灯するセンサー式が多い。だがオートバイでは、1998年から常時点灯が義務づけられている。自転車もそれに倣うべきと考え、ハンドルに取り付けたスイッチで常時点灯を可能にした。

さらに尾灯も反射板ではなく、ソーラーパネルと小型バッテリーで自灯点滅式に。周囲のクルマや歩行者への視認性を高め、事故を未然に防ぐよう配慮した。

■4:バッテリーの小型・軽量化

新開発バッテリーにより、小型軽量化と大容量化を両立。1日10km未満の使用なら、充電は1週間に1度で済むような設計になっている。

■5:変速機の省略

自転車には変速機が当たり前。しかし、日常の使用で変速機を使うシーンは、上り坂以外にあまりない、ということがヒアリングの中で浮かび上がった。電動アシスト機能があれば、上り坂でしっかりアシストしてくれるので、変速機の出番はない。ということは、電動アシストに変速機は不要、ということになる。

そもそも、変速機を組み込むだけで内部抵抗は増大する。ペダルを漕ぐ力をムダなくダイレクトに推進力に変えるには、変速機なしがベストの選択なのだ。

そこで「Jコンセプト」の自転車は、思い切って変速機を省いた。バッテリーが切れたら重くなるが、上述のようにバッテリー自体が高性能化して容量は十分なので、バッテリー切れは考えにくい。バッテリーによるアシストを前提とした自転車、という考え方を押し通してみた。

結果、総重量が軽くなったのはもちろん、漕ぎ出しのスムーズさも顕著になった。ふだん、変速機付きのママチャリに乗っている方は、漕ぎ出しの軽さにビックリすると思う。

ほかにもいろいろ工夫はあるのだが、キリがないのでこのへんで。

*  *  *

『サライ』編集部がこのプロジェクトでいちばんお伝えしたかったのは、自転車は電動アシスト型を基準に考えましょう、という逆転の提案だ。

現状では、自転車といえばアシストなしの足漕ぎのことで、アシスト付きのものはわざわざ「電動アシスト付き」と断らなくてはならない。でもここまで機能が進化したら、もはやアシストなしの自転車を選ぶ理由は「個人の趣味」以外にないのではないか。

健康面で、電動アシストでは体力作りができないと考える方もいるが、電動アシストはスクーターとは違い、ペダルを踏み込む力に応じてアシストする、という仕組みだ。全自動ではなく、ペダルを踏む力がまず必要なので、体力作りには役立つ。ラクなぶん、長い距離を走ればよいのだ。

生活必需品としての自転車は、今まで、ちょっとそこまで買いものにという、「徒歩以上・クルマ未満」の用途に限定されていた。でも電動アシスト自転車をデフォルトとすれば、用途は一気に広がる。

身近な暮らしの楽しみを広げるツールとして、「Jコンセプト」の電動アシスト自転車を活用していただければ幸いであります。

【電動アシスト自転車 Jコンセプト BE-JELJ01】
■車輪サイズ/20型
■車体重量/18.2kg
■全長/1,570mm
■全幅/590mm
■バッテリー/リチウムイオンバッテリー
■充電時間/約4.5時間
■1回充電あたりの走行可能距離/約50km(パワーモード走行時)、約91km(ロングモード走行時)
■色/漆黒、白磁、松葉、紅緋
■メーカー希望小売価格/110,000円(税別)
※商品の詳細は下記サイトをご参照ください。
http://panasonic.jp/jconcept/cycle/

文/小坂眞吾(サライ編集長)

協力/パナソニック

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