書家、篆刻家として出発し、陶芸、書、絵画、漆芸、篆刻、金工など幅広い分野で作品を生み出したほか、それらを実践的に愉しむ美食家としても知られる北大路魯山人。彼の珠玉の作品を集めた展覧会「何必館コレクション 北大路魯山人展 -和の美を問う-」が、日本橋三越本店で2月5日(水)から始まります。

北大路魯山人作「つばき鉢」1938年

北大路魯山人作「つばき鉢」1938年

北大路魯山人。
彼を辞書で調べると、こんな説明がある。

きたおおじ‐ろさんじん 〔きたおほぢ‐〕 【北大路魯山人】
陶芸家。京都の生まれ。本名、房次郎。別号に魯卿・無境・夢境など。書・篆刻(てんこく)もよくした。料理に通じ、食器用に斬新な意匠の陶磁器を製作。
ジャパンナレッジ「デジタル大辞泉」

百科事典では、もう少し詳しい。

北大路魯山人 1883-1959(明治16-昭和34)
陶芸家。京都上賀茂に生まれる。本名房次郎。誕生直後から愛情のない養父母のもとを転々とする。はじめ書家,篆刻(てんこく)家として名をなし,食客として長浜,京都,金沢などに逗留,各地で料理の研究もする。1925年東京赤坂山王台に同郷の友中村竹四郎と会員制の高級料亭〈星岡茶寮(ほしがおかさりよう)〉を開設,顧問兼料理長として天下に美食家の名をはせる。27年北鎌倉に星岡窯と住居を建設,荒川豊蔵などを招いてみずから食器の制作に専念する。36年星岡茶寮を離れてからは北鎌倉の窯場で料理研究と作陶に没頭するかたわら,漆芸,金工,日本画にも手を染める。彼の陶芸は,中国,朝鮮,日本の優れた古陶磁の魅力を自分なりに再生する新古典様式といえよう。54年渡米し各地で個展を開き,国際的名声を得た。[吉田 耕三]
ジャパンナレッジ「世界大百科事典」

昨年は、彼の没後60年。これを機に、何必館・京都現代美術館では昨秋から「没後60年 北大路魯山人展 -和の美を問う-」を行なった。そして、同展から厳選した作品約70点を鑑賞できる展覧会「何必館コレクション 北大路魯山人展 -和の美を問う-」が日本橋三越本店で2月5日(水)から始まる。

魯山人の作品は、使うことで輝きを放つ。

それを意識して、この展示会では、「陶」「書」「茶」「花」「食」の5つのテーマで作品が展示される。それぞれは、彼の箴言で、その美意識があらわされている。

陶 当意即妙の連続
書 書は下手形の上手がよい
茶 美的趣味総合大学
花 花で絵を描くのが生花
食 器は料理の着物

より詳しい解説は、何必館・京都現代美術館などでも行なわれているので、ご興味のある方はご覧いただきたい。今年は、スポーツの国際的なイベントなどもあることから、日本の文化とは? といったことを考える機会も少なくない。そうしたとき、魯山人が求めた美の世界は、ひとつの道しるべになるかもしれない。
魯山人の上質な作品が東京で見られる機会は決して多くない。これを機会に足を運んでみてはいかがだろう。

「何必館コレクション 北大路魯山人展 -和の美を問う-」開催概要

会期:2020年2月5日(水)~17日(月)日本橋三越本店本館7階 催物会場
午前10時~18時30分【19時閉場】※最終日は17時30分まで【18時閉場】
入場料:一般1000円/大学・高校生800円(中学生以下無料)
主催:北大路魯山人展実行委員会
協力:何必館・京都現代美術館

 

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