ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。
「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。
今回のテーマは、「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇純子さんに教えてもらいました。
清暑益気湯はどんな方におすすめ?
清暑益気湯が向いている方の体質や悩みを3つご紹介します。
1.夏の暑さで胃腸が弱っている方
夏の暑さが原因で食欲がない、疲れやすいなどの、いわゆる夏バテの症状に悩んでいる方におすすめの漢方薬です。
胃腸の機能を高めて消化吸収を促し、胃腸の不調に働きかけます。
2.軟便や下痢の症状に悩んでいる方
夏バテにより、軟便や下痢に悩んでいる方にもおすすめの漢方薬です。
胃腸の機能を高めるとともに水分代謝を整え、夏バテによる下痢や軟便の改善に働きかけます。
3.体力が低下している方
清暑益気湯は、比較的体力が低下している方にも適した漢方薬です。
漢方薬は、体力によっても処方が異なるため、適した処方を検討する際に体力は重要な要素のひとつとなります。体力とは、病気への抵抗力(いわゆる免疫力のレベル)や、現在の体力の状態などを目安にしていて、清暑益気湯は比較的体力が低下した方にも用いられます。
清暑益気湯とは?
清暑益気湯とはどのような漢方薬なのか、効能・効果や基本の飲み方を解説します。
1.効能・効果
清暑益気湯は、暑さによる食欲不振や倦怠感、下痢などの症状を改善します。夏バテや夏痩せに使用される漢方薬です。
清暑益気湯は、人参(にんじん)、蒼朮(そうじゅつ)、麦門冬(ばくもんどう)、陳皮(ちんぴ)、黄耆(おうぎ)、黄柏(おうばく)、当帰(とうき)、五味子(ごみし)、甘草(かんぞう)の9種類の生薬が配合されています。
エネルギーや水、栄養を体に補い、胃腸の働きを高めることで、夏の暑さによる様々な胃腸の不調に働きかけます。
2.基本の飲み方
清暑益気湯は、食前(食事の約30分前)または食間(食事から約2時間後の空腹時)に水やぬるま湯で飲んでください。
飲み忘れた場合は、食後であっても気づいたときに1回分飲んで問題ありません。しかし、次の服用まで2時間以内の場合は、1回分を飛ばします。2回分以上をまとめて服用してはいけません。用法用量を守って服用してください。
清暑益気湯に副作用はある? 安心して服用するには
漢方薬は、一般的に西洋薬より副作用が少ないといわれていますが、絶対に起こらないわけではありません。
清暑益気湯を服用して起こる可能性のある症状は以下があります。
・発疹
・蕁麻疹
・食欲不振
・胃の不快感
・吐き気、むかつき
・下痢
まれに、偽アルドステロン症やミオパチーなどの重篤な症状が起こることもあります。
もし、上記のような副作用が疑われる症状があらわれた場合は、服用を中断して医師に相談してください。
また、甘草の過剰摂取によって副作用が起こることもあるため、甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは注意が必要です。複数の漢方薬を併用する場合や1か月以上服用しても症状がよくならない場合にも、医師または薬剤師に相談してください。
漢方薬を選ぶ際にはご自身の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。
そのため、購入時には漢方に精通した医師や薬剤師等に相談し、ご自身に適した漢方薬を選んでもらいましょう。
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夏バテ対策には「清暑益気湯」
清暑益気湯は、夏バテによる食欲不振や倦怠感、下痢などの症状に活用できる漢方薬です。ただし、体質に合わない場合は効果を感じられなかったり副作用を起こしたりするため、服用する際は医師や薬剤師など漢方の専門家に相談してから使用しましょう。
<この記事を書いた人>
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