「ベンダー」はさまざまな業界で使われる言葉です。マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」で、「ベンダー」の意味や定義などについて知見を得ましょう。

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ベンダーとは、販売業者を表す言葉です。もともとはIT業界で使われていた言葉ですが、最近では他の業界でも頻繁に用いられるようになり、業界によって、ベンダーの指す意味も少しずつ異なります。

この記事では、ベンダーとは何かを解説し、業界ごとのベンダーの定義、ITベンダーの種類や似た言葉との違い、ベンダーマネジメントなどについて紹介します。

ベンダーとは何か

ベンダーとは、「販売業者」「売主」を意味する英語「​vendor」に由来する言葉です。

ビジネスにおいては、製品やサービスを消費者に販売する事業者を指します。IT業界でよく使われますが、他の業界でも用いられる言葉です。

ベンダーが提供する製品やサービスを購入する消費者はユーザーと呼ばれ、ベンダーの対義語になっています。

業界ごとのベンダーの定義

ベンダーという言葉はさまざまな業界で使われますが、それぞれ意味が異なっています。ここでは、下記の5つで使われるベンダーの定義を紹介します。

・IT業界の場合
・食品業界の場合
・自動車業界の場合
・建築業界の場合
・飲料業界の場合

IT業界の場合

IT業界でのベンダーは、​ハードウェアやソフトウェア、ネットワークなどのIT製品・サービスを​販売する​企業のことで、さらにITベンダーは取り扱う商品やサービスなどによって、細かく種類が分かれています。

食品業界の場合

食品業界のベンダーは、​スーパーや​コンビニなどの小売店が商品を仕入れる事業者を指します。これには、お弁当やお惣菜の製造業者、​飲料業者、​お菓子​問屋なども​含まれます。また、飲食店などに食材や調味料などを​​納める事業者も​ベンダーです。​

自動車業界の場合

自動車業界でベンダーと呼ばれるのは、主に自動車を作るために必要な部品を提供する事業者のことです。部品以外にも自動車のアクセサリーや関連サービスを提供する事業者もベンダーです。

建築業界の場合

建築業界で用いられるベンダーの意味は特殊です。建築業界でいうベンダーとは、配管など鉄製の素材を曲げるために使用する作業道具のこと。英語で表記すると「​vendor」ではなく「​bender」であり、まったく意味が異なります。

飲料業界の場合

飲料業界では、​ベンダーは自動販売機を指します。​自動販売機は英語で「​Vending Machine」と呼ばれることに由来しています。​自動販売機の​設置や​運営・​管理等に関する事業は、ベンダー事業といわれています。

ITベンダーにおけるベンダーの種類

IT業界におけるベンダーは業務内容が多岐に渡るため、分野別にさまざまな種類に分けられています。

ここでは一例として、下記3つのベンダーの種類を紹介します。

・システムベンダー
・ハードウェアベンダー
・セキュリティベンダー

システムベンダー

システムベンダーとは、企業や団体が利用する情報システムの構築や販売、導入、運用、保守サービスを提供している事業者のことです。特にパッケージ型システムの販売・導入に特化しています。

ハードウェアベンダー

ハードウェアベンダーとは、パソコンやスマートフォン、サーバー、ネットワーク機器などITに関連するハードウェアの販売を行っているベンダーです。テレビなど、BtoC向けの製品も扱っているため、一般ユーザーにも身近な存在といえます。

セキュリティベンダー

企業のシステムやネットワークにセキュリティ対策を提供しているのがセキュリティベンダーです。ウイルス対策、不正侵入検知や認証ソリューションなどを扱っているのが特徴です。近年は、24時間セキュリティ監視サービスなど、運用のアウトソーシングを請け負っているベンダーも増えています。

ベンダー・メーカー・サプライヤー3つの違い

ベンダーと混合しやすい言葉に、メーカーとサプライヤーがあります。この3つは一見似ているようで、ビジネスにおいて立ち位置が少しずつ異なります。

メーカーは、英語の「maker」に由来している言葉で、製品やサービスを製造している事業者を意味します。サプライヤーは、英語で書くと「supplier」で、供給するという意味。つまり、製品やサービスを納入する事業者ということです。

ベンダーとサプライヤーは製品やサービスを提供する意味では同じですが、ベンダーはエンドユーザーに、サプライヤーはベンダーに納入する点で異なっています。

流通においてこの3つを位置づけると、メーカーが製造した製品やサービスをサプライヤーがベンダーに納入し、ベンダーが消費者に届けるということになります。

IT業界におけるベンダーマネジメントとは?

IT業界においては、ベンダーと良好な関係を構築しパフォーマンスを最大化させるために、ベンダーを管理するベンダーマネジメントが重要です。

IT業界におけるベンダーマネジメントで行うべき下記の3つの仕事を紹介します。

・契約の管理
・品質の管理
・リスクの管理

契約の管理

ベンダーマネジメントでまず行うべきは、契約の管理です。ベンダーとは契約書を交わし、その内容に則ってプロジェクトが進行します。

プロジェクトの効果が最大限になるようにベンダーとの契約内容を最適化して、維持・管理するのがベンダーマネジメントの仕事の1つです。

品質の管理

ベンダーから提供される製品やサービスの品質を管理するのも、ベンダーマネジメントです。提供された成果物が想定していたクオリティを満たしているかどうかを定期的に確認します。

品質の管理では、クオリティだけではなく納期が守れているか、コストがオーバーしていないかもあわせて確認します。

リスクの管理

ベンダーとともにプロジェクトを進行していると、進行や品質管理に気を配っていても、さまざまな要因から問題や課題が発生することがあります。なかには、大きなトラブルへ発展するリスクを秘めていることもあるでしょう。

このような場合に迅速に対応してリスク管理を行うのも、ベンダーマネジメントです。

よくある質問

最後に、ベンダーについてよくある質問を下記の2つ紹介します。

・ベンダーとは何ですか
・ベンダーとメーカーは何が違いますか?

ベンダーとは何ですか?

ベンダーとは、ユーザーと呼ばれる消費者に対して、製品やサービスの提供をしている事業者のことで、特にIT業界でよく使われる用語です。

IT業界におけるベンダーは、システムベンダー、ハードウェアベンダー、セキュリティベンダーなどに細かく分けられます。

ベンダーとメーカーは何が違いますか?

ベンダーはユーザーに製品やサービスを提供する企業のことで、メーカーは製品やサービスを製造している企業のことです。ベンダーのなかには製造も行っている、メーカー系ベンダーも存在します。

まとめ

ベンダーはさまざまな業界、特にIT業界で使われる言葉であり、メーカーやサプライヤー等似ている言葉もありますが、意味が異なります。ベンダーの意味を理解して、正しく使い分けることが大切です。

また、ベンダーとともにプロジェクトを進行する際には、ベンダーマネジメントやベンダーコントロールも意識しておくことがポイント。やるべきことや必要なスキルを踏まえて、プロジェクトに取り組み成功へ導きましょう。

【この記事を書いた人】
識学総研 編集部/株式会社識学編集部です。『「マネジメント」を身近に。』をコンセプトに、マネジメント業務の助けになる記事を制作中。3,000社以上に導入された識学メソッドも公開中です。

引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/
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