梅雨が明けたら、暑い夏がやってきます。夏を快適に過ごすための家庭での空調について、株式会社インテージが日本全国の20-69歳男女3,627人を対象に夏の空調家電の利用実態を調査しました。快適な夏にするための空調家電の使い方をご紹介します。
■夏の2大空調家電はエアコン冷房と扇風機
「今後使いたい」のはエアコン除湿、羽なしファン
気象庁の統計開始以降、5番目の暑さとなった昨年の夏。日本の夏の平均気温は100年で1.11℃のペースで上昇しているそうです。蒸し暑い日本の夏を現代の生活者はどのように家電を取り入れて乗り切っているのでしょうか。まずは、自宅での空調家電の使用状況と、今後使いたい家電についてみてみましょう。
夏場、自宅で使われている空調家電の使用率トップは「エアコンの冷房」で、約9割の人が使用しています。最近は、ファン(羽なしの送風機)やサーキュレーターを使う人も増えていますが、まだまだ「扇風機」は利用率8割弱と「エアコンの冷房」に次ぐ存在感を示しています。
蒸し暑いことの多い日本の夏ですが、「エアコンの除湿」の使用率は3番目に高いものの4割に満たず、「冷房」、「扇風機」に比べて利用者はかなり少ないこともわかりました。一方で「エアコンの除湿」は、「今は使っていないが今後使いたい」ものとして選択率はトップ。せっかくエアコンに搭載されている機能なのに活用できていない、という意識がある人たちのようです。今後使いたいアイテムで、「エアコンの除湿」に次いで10%以上の選択率だったのは「高機能ファン」、「ファン」、「エアコンの送風」、「サーキューレーター」、「除湿機」でした。
■エアコンによる体の症状、6割が「ある」
2大原因は「冷風に直接当たった」、「鼻・のどが乾燥」
ほとんどの人が夏場、自宅で使用しているエアコンですが、これまでエアコンが原因で体になんらかの症状が出たことがあるかを聞いたところ、6割の人が「ある」と回答。具体的な症状として最も多かったのは「ダルさ」、「冷え」で、いずれも3割超の人が経験、これに次ぐ「風邪/のどや鼻症状」は4人に1人が経験している結果となりました。
6割もの人が経験している夏場のエアコンによる体調不良。では、体調を崩さないためにどのような対策や工夫をしているのでしょうか。対策を聞いたところ、選択率が高かったものは「衣類・寝具」、「高めの設定温度」、「風が直接当たらない場所で過ごす/寝る」、「エアコンは一晩中かけない」で、それぞれ4割前後の回答を集めました。
■エアコンの節電対策
2大対策は「高めの温度設定」と「扇風機やファンとの併用」
次に、エアコンの節電対策について聞いたところ、8割超の人が何らかの対策をしていることがわかりました。
2大対策は「高めの温度設定」と「扇風機やファンとの併用」でそれぞれ選択率はそれぞれ約4割を占めています。そもそも「なるべくエアコンを使わない」ことで節電している人が3割弱いる一方、一度つけたら「つけたり消したりせず短時間の外出ではつけたまま」というエアコンの特性を理解した上での節電対策をしている人が2割という結果でした。
■エアコン・送風家電使用者の8割強は「併用」
2大併用目的は「室内をまんべんなく冷やす」「電気代の節約」
節電対策として2位にランクインした「扇風機やファンとの併用」について、全体の7割超もの人が、自宅で使用する家電としてエアコン(冷房/除湿)を選択し、かつ扇風機/ファン/サーキュレーター/シーリングファンも選択していました。
そのうち、エアコンと各種送風家電との併用について聞いたところ、「ほぼいつも併用」、「併用することもある」をあわせて8割強の人がエアコンをつけている間、同時に扇風機やファンなどの送風家電もかけていることがわかりました。
併用の目的として、1位は6割強が選択した「室内をまんべんなく冷やす」で、2位は「電気代の節約」でした。また、「エアコンによる体への負担軽減」も3割超の回答がありました。
体にもお財布にもやさしく、快適に夏を過ごすためにエアコンと各種の送風家電を併用することはすっかり定着している様子がうかがえます。
では、それぞれの併用目的は実際どれくらい効果が感じられているのでしょうか。「とても効果を感じる」~「まったく効果を感じない」の5段階の調査結果が出ています。
「電気代の節約」以外の併用目的では、8割前後の人が「効果を感じる」と回答。とりわけ「洗濯物を乾かす」目的で併用している人の効果実感は高い様子です。「電気代の節約」も、他の目的より「どちらともいえない」と感じている人が多い一方で、約2割の人が「とても効果を感じる」と回答しており、併用の有無による電気代の違いを実感している人も一定数いることがわかりました。
最後に、「夏を乗り切る空調家電のとっておきの使い方やこだわり」を自由回答で聞いたところ、さまざまな工夫が挙げられました。
・ 「送風範囲の広い扇風機はリビング、コンパクトなサーキュレーターはバスルームやトイレにも移動させて使う」といった使い分け
・ 「扇風機は壁に風を当てて回し、直接からだに当たらないようにする」
・ 「エアコンの下に扇風機を上向きで回す」
・ 「エアコンをつけるほどではない時は、窓辺に扇風機を置くと外気を効率的に取り入れてくれる」といった風の流れについての工夫
・ 「昼間でもカーテンを閉めっぱなしにして冷房をつける」
・ 「冷房を入れる前に、サーキュレーターで部屋の熱気を窓から出す」といった冷房効率を上げる工夫
・ 「扇風機に保冷剤をつける/濡れタオルをかける/凍らせたペットボトルを置いて冷気が出るようにする」といった裏ワザ
住環境やそのときどきの暑さに応じて空調家電を上手に取り入れている様子が伝わってきます。
全国的に平年並みの暑さが予想されているこの夏。平年並みといっても暑いのは確かです。空調家電を上手に利用することで、快適な夏を過ごしたいものですね。
【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】
調査地域:日本全国
対象者条件:20~69 歳の男女
標本抽出方法:「キューモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を2015年度実施国勢調査データをベースにウェイトバック
標本サイズ:n= 3,627
調査実施時期: 2019年6月6日(木)~2019年6月10日(月)