【ビジネスの極意】「マネジメント」の意味、正しく理解していますか?
日頃、頻繁に使われる「マネジメント」という言葉。だが、本当に意味を理解して使っているだろうか?
リーダーシップとマネジメントに悩む、マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研」から、「マネジメント」の意味を正しく知ろう。

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きちんと理解して使いたい、マネジメントという英語の意味

日常でも、ビジネスの現場でも、「マネジメント」という言葉がよく使われます。しかし、「マネジメント」という言葉を使う状況・文脈などから考えると、必ずしも同様の意味で使用しているとは感じられないことがあります。そもそもマネジメントとは何を意味しているのでしょうか。マネジメントの意味について考えていきます。

マネジメントの由来と意味

いまではすっかり日本語化している「マネジメント」は英語の「management」をカタカナで書いたものです。広辞苑で「マネジメント(management)」という言葉を調べてみると、「管理・処理・経営」、および「経営者、経営陣」と記されています。

一方英和辞典で調べてみると、「(事業・金などの)管理・経営 ;取扱い、操縦」「(人などに対する)管理[操縦]、手腕;処理能力;術策;(時間・物の)上手なやりくり」そして「(特定の会社・施設の)経営[管理]者(たち);[通例the~;集合的に;単数・複数扱い]、」「(労働者に対して)経営陣、資本家側」とあります。(引用:ジーニアス英和大辞典)

また、マネジメント(management)は名詞ですが、動詞である「マネージ(manage)」を確認すると、広辞苑では「取扱うこと。処理すること。管理すること」であり、ジーニアス英和辞典では「(事業など)を経営する、管理する」「(人・物・事)をうまく取り扱う、うまく処理する」「管理運営する、監督する」と記載されています。

広辞苑と英和辞典では少し表現に違いがあるようです。英和辞典の方は単なる「管理・処理」ではなく「手腕」や「処理能力」であり、「取扱うこと、処理すること」ではなく「うまく取扱うこと」「うまく処理すること」になります。

英語のmanageという言葉の起源は16世紀中ごろのラテン語にあり「(馬を)手で御する」という意味からきています。また「manage」の「man」は「手」のことです。「manageには手綱を引く」とか「何とかやっていく」「何とか成し遂げる」という意味もあるのです。

覚えておきたいマネジメントに関連する英語

マネジメントがマネージすること、つまり「(手を使って)うまく処理し、何とか成し遂げる」ということだとしたら、マネージャーはどういう人なのでしょうか。

広辞苑では「マネージャー(manager)」は「支配人。経営者。管理人。監督。」とあります。しかし、先の語源を参考にすると「うまく手綱を引いたり、誘導しながら人や物を管理し活かしていく人」であるといえるでしょう。ビジネスで人の上に立つ人はしっかり理解しておきたいものです。

ところで、日本プロジェクトマネジメント協会が提唱する言葉に「P3M」というのがあります。P3Mとは、「プロファイリングマネジメント(Profiling Management)」「プログラムマネジメント(Program Management)」「プロジェクトマネジメント (Project Management)」の3つを合わせた言葉です。

日本プロジェクトマネジメント協会によると、これらの3つが一体となって整合性を持って運用されるとき、「正しいマネジメント (management) 」が実行される可能性があるとされています。

では、これらの3つのマネジメント英語が意味するものは何でしょうか。当協会のサイトを引用すると、

・ プロファイリングマネジメント (Profiling Management)

「共同の構想 (Shared Concept) 」を「プログラム憲章 (Why to do?) 」として炙り出していくフレームワーク。

・ プログラムマネジメント(Program Management)

「共同の意思 (Shared Plan) 」を「プログラム計画書 (What to do?) 」として明確にし、共有するためのフレームワーク。

・ プロジェクトマネジメント (Project Management)

「共同の行動 (Shared Action) 」のための実行計画を「プロジェクト計画書 (How to do?) 」として明確にし、実行するフレームワーク。

とされています。一般的にものごとの価値を生みだそうとする時は「なぜ」「何を」「どうやって」と順を追い、考えながら成果を上げるための行動を取るものです。P3Mでは3つのマネジメントサイクルを繰り返し運用していくことでマネジメントが上手く成し遂げられるということなのかもしれません。

なんとなくではなく意味を正しく理解しよう

実業界でもマネジメントについてさまざまな定義がなされています。

英国ランカスター大学名誉教授のPeter Checkland氏は、「マネージとは、時間とともに展開し、相互に作用しあう、事象(events)と観念(ideas)の流れに対処していくこと」と定義しています。

また、ハーバード・ビジネス・スクール競争戦略研究所のJoan Magretta氏は、「マネジメントとは、組織を動かす思考とその実践の累積である」「人間の管理運営する能力、ある目的を持って組織する能力」と定義しています。

そして、経営学者で企業コンサルタントでもあったピーター・ドラッカーは「組織の人たちを生き生きとさせ、高度な成果を上げる」ことがマネジメントであり、組織のメンバーを動かす「マネージャーはオーケストラの指揮者に似ている」と説いています。また、「マネジメントとは、その都度その役割によって、定義しなければならない」とも指摘しています。

先のP3Mでもみましたが、マネジメントのスタイルはひとつだけではありません。マネジメント論としてさまざまな識者がそれぞれに定義するのは、マネジメントに正解という形がないからなのかもしれません。これが、ドラッカーが指摘するところであり、成果を上げるために組織、組織のメンバー、社会の状況などによって、適確にマネジメントの意味を捉え、舵の執り方を変えていく必要があるものなのではないでしょうか。

マネジメントの考え方を経営に取り入れる

ドラッカーは、マネジメントの役割は「組織に特有の使命、目的を果たすこと」「仕事を通じて、働く人たちを生かすこと」「社会の問題について、貢献すること」と唱えています。そのための方法はマネージャーの手腕によるものですが、この考え方を経営に取り入れることこそ、企業の成長への近道といえるのではないでしょうか。

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いかがだっただろうか。「マネジメント」の意味をしっかり理解し、改めてその言葉を再考してみるのもいいかもしれない。

 

引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/

 

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