
職場や家庭などで「久しぶりに会った人の名前が出てこない」「何を取りに来たか忘れた」といった場面が増えていませんか? 物忘れは年齢のせいだけではなく、疲れや睡眠不足などが重なって起こることがあります。
あんしん漢方所属の薬剤師の山形ゆかりさんに、更年期から始めたい物忘れ対策をうかがいました。
更年期に物忘れが増える理由

更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が大きくゆらぎながら低下し、自律神経が乱れやすくなる時期です。また、エストロゲンが減少すると、気分の安定に関わるセロトニンの分泌量の減少にもつながります。
自律神経の乱れやセロトニンの減少などが積み重なると、睡眠の質が低下しやすくなります。その結果、集中力や意欲の低下などが起きて記憶力も低下し、「同じことを聞く」「置き忘れが増える」などの物忘れにもつながりやすくなるのです。
漢方医学でみる物忘れの原因

漢方医学では、物忘れを脳だけの問題とせず、全身に栄養を運ぶ「血(けつ)」や生命エネルギーである「気(き)」の不足が関係していると考えます。
「血」が不足すると脳を養う材料が足りず、「気」が不足すると考える力や意欲を支えるエネルギーが落ちやすくなります。
また、ストレスや疲労によって生命力の土台とされる「腎(じん)」の働きが弱ることも物忘れが起こる要因のひとつです。「腎」では生命の源である「精(せい)」を蓄えますが、「腎」の働きが低下して「精」が不足すると、足腰のだるさや疲れやすさとともに記憶力の低下を感じることがあります。
忙しさや心配事などで消耗している人ほど、心身を休ませる養生が大切です。
物忘れ改善のためのセルフケア

物忘れを改善するには睡眠や運動などの習慣を取り入れて心身を整えることが重要です。今日からできるセルフケアを紹介します。
1.十分な睡眠をとる
睡眠不足が続くと、集中力や判断力が落ち、覚えたことを整理する働きも低下しやすくなります。質の高い睡眠をとり、心身をしっかりと休めましょう。
平日と休日の起床時刻をできるだけそろえ、朝の光を浴びることは体内時計を整えることにつながります。とくに、朝の光を浴びるとセロトニンの分泌が促進されます。
また、就寝前のスマホの使用や夕方以降のカフェイン摂取、寝酒は眠りを浅くするため控えめにしましょう。寝室は間接照明などの暗めの照明を使い、落ち着ける環境を整えることも大切です。
2.適度に運動する
適度に体を動かして血流を促進すると、脳を活性化させることにつながります。ネガティブな気分を発散し、自律神経を整える効果も期待できます。
息が少し弾む程度のウォーキングを、買い物や通勤のついでに10分ほど足すことから始めましょう。ほかにも、階段を使う、軽いスクワットをするなどの運動も効果的です。
自分なりに無理なく続けられる運動を習慣にしてみましょう。
3.ツボを押す
ツボを押して「気」の流れを整えることも効果的です。物忘れが気になるときは「関元(かんげん)」を押してみましょう。
【関元】

関元はおへそから指4本分下の位置にあるツボです。「気」を補ったり、調節したりする働きがあります。また、「関元」の奥には骨盤内の臓器が位置しており、関元を押すことで血流があがると、そこから放出されるホルモンの働きにも影響を与えます。
両手の指先を当て、押しながら5秒かけて鼻から息を吸い、力をぬきながら10秒かけて口から息を吐き出しましょう。余裕のあるときは横になって行うとより効果的です。
物忘れにおすすめの漢方薬

セルフケアを取り入れても物忘れが気になるなら、漢方薬を活用するのもおすすめです。漢方薬は体質からの改善を目指すため、病気とは診断されていないものの気になる不調にも効果が期待できます。物忘れには「気」や「血」を補ったり、血行をよくしたりする働きがある漢方薬を選びましょう。
【物忘れにおすすめの漢方薬】
人参養栄湯(にんじんようえいとう):
胃腸の働きをよくして「気」や「血」を補い、脳などの各器官の栄養状態の改善が期待できる漢方薬です。体力低下や手足の冷え、貧血が気になる人に向いています。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):
「血」を補い血行をよくして体を温めるとともに、女性ホルモンのバランスを整える働きが期待できる漢方薬です。冷え症で疲れやすい人に向いています。
体質や症状によってはほかの漢方薬が向いていることもあります。ご自身に合う漢方薬を知りたいなら専門家への相談がおすすめです。
「あんしん漢方」ではスマホひとつでいつでも手軽に専門家に相談ができ、初回お試し漢方なら2週間分を4,565円(税込・送料別)から始められます。専門家の力も借りつつ、体質から整えるケアを取り入れてみましょう。
心と体を整えて物忘れに悩まされない日々へ

物忘れは「年齢のせい」だけではなく、自律神経の乱れや女性ホルモンの減少なども影響して起こるものです。睡眠の質を高めたり運動を習慣にしたりすることで改善できる可能性があります。漢方薬なども活用しながら、物忘れに悩まされない日々を目指しましょう。
<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり(やまがたゆかり)
薬剤師・薬膳アドバイザー・フェムケアサポーター。糖尿病病棟での経験から予防医学と食事の重要性を痛感し独立。エビデンスを軸に薬膳・発酵・フェムケアの視点でレシピ監修や執筆、講師活動を通じ「食から整える健康」を提唱。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0315&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=260711











