日本の四季の風情を象徴する言葉に「雪月花」があります。多くの人は、雪は冬、月は秋、花は春を連想することでしょう。花は四季ごとに多種多様の花々が咲きますが、やはり花を愛でるにふさわしい季節は春ではないでしょうか。

山種美術館で開催の特別展「花・flower・華 2026 ―横山大観の桜・川端龍子の牡丹・速水御舟の梅—」は春の到来をことほぎ、花が描かれた名画を選りすぐって展観します。(2月28日~5月10日)

横山大観《春朝》1939(昭和14)年頃 絹本・彩色 山種美術館

本展の見どころを、山種美術館の学芸員、出口眞結さんにうかがいました。

「美しく咲く花々は、古くから人々の心を魅了してきました。季節ごとに多彩な表情をみせる花は、四季を象徴するモティーフとして愛され、絵画の主題としても描き継がれています。このたび、山種美術館では、花を描いた作品で館内を彩る華やかな展覧会を開催します。

本展では、朝日に輝く山桜を描いた横山大観《春朝》、雨上がりの陽光の中で咲く紫陽花をみずみずしく表した山口蓬春《梅雨晴》、色鮮やかな菊花が目を楽しませる酒井抱一《菊小禽図》、紅梅の咲く古木と白梅の咲く若木とが対照的な速水御舟《紅梅・白梅》など、四季折々の花の名画が一堂に会します。

山口蓬春《梅雨晴》1966(昭和41)年 紙本・彩色
山種美術館 (C)公益財団法人JR東海文化財団
酒井抱一《菊小禽図》
19世紀(江戸時代)絹本・彩色
山種美術館
速水御舟《紅梅・白梅》1929(昭和4)年 絹本・彩色 山種美術館

また、自然界の花は季節ごとに移り替わりますが、絵画の世界では四季の枠を超え、春夏秋冬の花が一つの画面に集うこともあります。田能村直入《百花》では、季節の草花100種が植物図鑑のように精緻に描かれています。

田能村直入《百花》1869(明治2)年 絹本・彩色 山種美術館

さらに、画家自らが所蔵する古伊万里に花菖蒲を活けた小林古径《菖蒲》、桃の花咲く理想郷・桃源郷を題材にした山本梅逸《桃花源図》など、花を描く際のさまざまなアプローチにも注目し、花の絵画の魅力をご紹介します。
描かれた花により満開となった美術館で、百花繚乱の世界をどうぞご堪能ください」
※文中の作品はすべて山種美術館所蔵。

あなたのお気に入りの花をみつけに、会場に足をお運びください。

【開催要項】
特別展 花・flower・華 2026 ―横山大観の桜・川端龍子の牡丹・速水御舟の梅—
会期:2026年2月28日(土)~5月10日(日)
会場:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)※電話受付時間9時~20時
公式サイト:https://www.yamatane-museum.jp/
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし5月4日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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