30~40代前半のプレ更年期や、40代半ば~50代の更年期の女性は「なんとなくの不調」「ちょっとした違和感」を抱くことが多くなります。なかでも多くの人が困っている悩みは更年期のフケの症状です。

実は、その不調には漢方薬が役立つことをご存知でしたか?

私の悩みにも漢方薬が役立つのか知りたい! 根本解消する方法が知りたい!
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
今回は「更年期のフケ」の原因や対処法について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇純子さんに教えてもらいました。

Q.毎日しっかりお風呂に入っているのに、髪をかきあげるだけでフケが……

みさきさん、47歳からご質問をいただきました。

「ここ最近、頭皮のフケが気になって仕方ありません。もちろん、きちんと毎日お風呂に入って洗髪しています。しかし、シャンプーやリンス、トリートメントを変えてみてもフケの量は相変わらず。
髪をかきあげるだけでフケが舞い、肩にフケがついていて、人に指摘されたことがあります。気になって1日2回以上お風呂に入って頭を洗っているのですが、良くなるどころかフケが増えているような気がします。
いったい、このフケの症状はどうすれば解決するのでしょうか?」

ご質問ありがとうございます。頭皮のフケ、どうにかしたいですよね。みさきさんは人に指摘されたとのことですが、周囲の目が気になるのもつらいところです。

しかし、きちんと適切な治療やセルフケアを行なえば、フケの症状の緩和をめざせます。まずは、フケの原因をしっかり把握して対処しましょう。

フケの原因

ここからは、フケが起こる代表的な原因3つを見ていきましょう。

1.洗髪不足

髪や頭皮がしっかりと洗えておらず、皮脂が大量に残った場合、脂性のフケの原因になります。脂性のフケは、湿ってベトベトして、大きな塊になったり、頭皮や頭髪に張りつくのが特徴です。

皮脂が残ると、皮脂を栄養にするマラセチア菌などの細菌が繁殖します。その結果、炎症などの肌トラブルを起こしやすくなり、肌の正常なターンオーバーが乱れ、フケが増加します。

2.乾性

洗髪不足とは逆に、髪の洗い過ぎで乾性のフケが発生する症状です。洗浄力が強いシャンプーなども原因です。

髪や頭皮を洗いすぎることで、潤いが失われ、白く細かいフケがパラパラと落ちます。もともと乾燥肌の人にも多いタイプの症状です。

3.更年期のホルモンバランス

女性が更年期を迎えると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に低下し、ホルモンバランスが乱れます。

エストロゲンには様々な働きがありますが、肌の潤いを保ったり、皮脂の分泌を抑制するのも役割のひとつです。更年期にエストロゲンが急減すると、肌の乾燥が進み、角層の水分が失われ、頭皮も乾燥しやすい状態になります。

背景に病気が隠れているケースも

フケは、単なる生活習慣や体質だけなく、病気が関連している場合があります。たとえば、脂性のフケが悪化すると、「脂漏性皮膚炎」になります。また、かゆみを伴い、グジュグジュとした浸出液が出て、かさぶたになることも。

また、アトピー性皮膚炎や、白癬(はくせん)菌という真菌が寄生することで発生する「頭部白癬(しらくも)」が原因ということも考えられます。

症状が改善しない場合や悪化する場合は、早めに皮膚科やかかりつけの病院を受診しましょう。

フケを改善するセルフケア

ここからは、フケを改善するためのセルフケアを3つご紹介します。

1.保湿ケア

入浴後の頭皮はとくに乾燥しやすいので、保湿ローションやオイルなどを使用し、頭皮の潤いを保ちましょう。

ただし、症状によっては頭皮状態が悪化する場合もあるので、なるべく刺激の少ないものを選び、異常がある場合は病院を受診してください。

2.低刺激のシャンプー

洗髪する際は、低刺激性や、敏感肌向けのシャンプーを使用してください。たとえば、アミノ酸系の成分を配合しているシャンプーは、洗浄力が緩やかで、頭皮への刺激が少ないといわれています。

肌に合わないものは無理に使用せず、ご自身の頭皮に合ったシャンプーを選びましょう。

3.漢方薬を試す

「更年期のフケを根本から改善したい」
「いろいろと試したが症状が改善しない」
「西洋薬は一度飲み始めたら、やめられないのではないかと不安」

そんな方には、医薬品として効果が認められている漢方薬がおすすめです。

漢方薬は自然にある植物や鉱物などの「生薬」を組み合わせて作られているため、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。

また、漢方薬が目指すのは苦痛を和らげるための対症療法ではなく、根本的な解決です。体質の改善に働きかけることのできる漢方薬は、「同じ症状を繰り返したくない」という思いに応えてくれます。

「バランスの取れた食事や運動などを毎日続けるのは苦手」という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

更年期のフケの対策には、「頭皮に潤いを与えて乾燥を改善する」「頭皮の皮脂分泌を抑える」「血流を良くして頭皮に栄養を運ぶ」といった働きを持つ漢方薬を使用しましょう。

更年期のフケの対策におすすめの漢方薬

・温清飲 (うんせいいん):不足した栄養を補い、潤いを与えて、こもった熱を冷まして炎症を和らげます。
・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう):体の熱を冷まし、湿疹や皮膚炎を抑えます。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):滞った血の巡りを改善して、栄養を届けます。

ただし、漢方薬を選ぶ際にはご自身の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることがあります。

購入時には、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師等にご相談ください。

「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、医薬品の漢方薬がおすすめ。スマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。

AI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」サービスでは、漢方のプロが体質に合った漢方を見極めてくれます。お手頃価格で自宅まで郵送してくれるため、手軽で便利です。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0227&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=241105

まずは頭皮のタイプを知り、フケ対策をしっかりと!

頭皮のフケは、脂性、乾性などの種類があり、皮脂が残ることによる頭皮トラブル、洗髪しすぎによる乾燥、そして更年期の女性ホルモンの急減など、様々な原因があります。

保湿ケアや使用するシャンプーの選び方にも注意して、頭皮のフケの悩みに対処していきましょう。

この記事の監修者

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0227&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=241105

イラスト:にゃたり

 

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