「王道なのに、あたらしい。」をテーマにした星野リゾートの温泉宿『界』。全国22施設のうち、島根県には『界 出雲』『界 玉造』の2つがある。“活松葉蟹(かつまつばがに)” を、地元の文化とともに味わえるのが魅力だ。
日本の伝統文化と温泉、そして美味を愉しめる星野リゾートの温泉宿『界』。2022年11月、松葉蟹のシーズンに合わせて、島根県出雲地方の日御碕(ひのみさき)に『界 出雲』が開業。玉造温泉にあった施設は『界 玉造』にリニューアルした。
松葉蟹は、山陰地方で獲れる雄のズワイガニ。『界 玉造』と『界 出雲』では水揚げされたばかりの活蟹を使った「タグ付き活松葉蟹会席」を提供している。
山陰地方は松葉蟹の産地として知られ、毎年、それを目当てに訪れる人も多い。特に島根県の隠岐諸島周辺は寒流と暖流がぶつかり合い、豊かな生態系が形成された好漁場として知られる。こうした漁場で獲れた松葉蟹のうち、品質や鮮度、姿・形を厳選したものは、識別札(タグ)をつけて出荷される。高品質の証だ。
地元文化から着想した “豊年蒸し” “奉書蒸し”
『界 出雲』『界 玉造』のいずれでも、地元でしか食せない活蟹の刺身が気分を盛り上げてくれる。そして、さらに趣向を凝らした料理が用意されている。
『界 出雲』のメイン料理は、出雲大社に祀られる、福の神や五穀豊穣の神・大国主命にちなんだ「活松葉蟹の豊年蒸し」。活松葉蟹を稲わらで包んで蒸し上げ、ほんのりした燻香をまとう。シンプルな調理法ながら、蟹の旨みが凝縮された逸品だ。
活松葉蟹の豊年蒸し
活蟹の刺身
『界 玉造』では、松江の郷土料理調理技法をアレンジした「活松葉蟹の板杉奉書蒸し」が供される。杉板とともに一気に蒸し上げることで瑞々しく、ふっくらとした蟹の身を味わえる。
このほか『界 玉造』には、「タグ付き活松葉蟹」三昧の「極み タグ付き活松葉蟹づくし会席」というメニューもある。こちらでは、前述の料理のほかに、「蟹の錦糸揚げ」や、しじみを出汁にした滋味深い味わいの「蟹としじみの鍋」など、活松葉蟹ならではの至味を体験できる。
蟹としじみの鍋
蟹の錦糸揚げ
どちらも、温泉宿としての魅力も見逃せない。『界 出雲』では、日本海や天使の梯子(薄明光線)など出雲ならではの景色を一望する露天風呂、『界 玉造』では日本最古の湯で、美肌の湯としても知られる「玉肌の湯」を堪能できる。
日本神話の神々に捧げる歌や踊り「神楽」も観賞できるこの2つの温泉宿で蟹を満喫したい。
界 出雲
住所:島根県出雲市大社町日御碕604
料金:2万5000円~(1泊2食付き2名1室利用時1名あたり)。蟹料理の追加料金は1万3200円~。
蟹料理は5日前までに要予約。
界 玉造
住所:島根県松江市玉湯町玉造1237
料金:タグ付き活松葉蟹会席=4万8000円~、極み タグ付き活松葉蟹づくし会席=5万6000円~(ともに1泊2食付き2名1室利用時1名あたり)。
蟹料理は5日前までに要予約。
問い合わせ先/星野リゾート 電話:050・3134・8092(宿泊予約)