取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
杏那さん(仮名・40歳)は一度目の結婚で何不自由ない暮らしを続ける。しかし、SNSでいい思い出と化した男性との再会をした後、結婚生活は退屈なものに変わっていった。
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一番好きだった人に離婚前のプロポーズ
男性と2人で会うようになるも、杏那さんは不倫を絶対したくないという思いがあったという。出会ったときにすでに相手はバツイチで、口説いてきたときも「不倫はない」と突っぱねる。しかし、突拍子もない提案を杏那さんはしてしまう。
「最初に出会ったときに私から結婚していることを伝えて、その日はお茶をしただけだったのですが、2度目に会ったときには関係を持とうとしていることが雰囲気でわかりました。だから『不倫はない』と突っぱねたんです。
でも、まだ私のことは異性として見てくれるんだって思うと、気持ちが盛り上がっていってしまって……。『私と結婚してくれるなら、離婚する』と伝えました。振り返ると最低な言葉ですよね。ここまでの覚悟を伝えたら、きっともう会ってももらえないと思っていました」
相手の返事はまさかのOK。「一番一緒にいて楽だった。結婚してもうまくいくと思う」と言われ、3日後には夫に離婚したいと伝えていた。
「3日間は悩んだというよりも、いつ切り出していいのかわからなかっただけ。結婚してくれると言われたときから気持ちは100%、今の人に向かっていました。
離婚は慰謝料も払うつもりで、他に好きな人ができたことを伝えました。元夫は、何度も私の気持ちを確かめて、戻らないことがわかると『目の前から消えてくれ』と言いました。そこから私が家を出るまで元夫はホテル暮らしを始めて、離婚届けも記入済みのものがテーブルに置いてあり、直接のやりとりはしていません。
元夫から、慰謝料もいらないと、そして『二度と目の前に現れないでくれ』と言われました。相当傷つけてしまいました」
【美化した思い出の辛かった部分が今とリンクしていく。次ページに続きます】