俳優として40年近いキャリアがあり、国際的にも高い評価を得ている永瀬正敏さんは、写真家としても知られている。永瀬さんの写真には、職人を撮影した作品が多く、ものづくりへの深い敬意が伝わってくる作品も多い。永瀬さんの故郷・宮崎県で造られている全量芋焼酎『一刻者(いっこもん)』のアンバサダーに就任し2年目になる。

永瀬正敏
俳優・写真家
1966年生まれ、宮崎県出身。1983年デビュー。『息子』(91年)で日本アカデミー賞新人俳優賞・最優秀助演男優賞他、計8つの映画賞を受賞。海外作品にも多数出演し、カンヌ国際映画祭・最優秀芸術貢献賞『ミステリー・トレイン』(89年)ほか、数多くの受賞作品で主演を務める。近作は『カツベン!』(19年)、『星の子』(20年)、『名も無い日』(21年)、『ホテルアイリス』(22年)ほか。写真家として20年以上のキャリアがあり、多くの個展を開催。2018年芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

「役作り」では職人的に細部のディティールを追求

これまでに出演した映画作品は国内外も含めて110作品以上、テレビドラマへの出演、写真集の制作、数々の写真展を開催など、人生そのものが表現である永瀬正敏。最新主演映画『ホテルアイリス』(22年)では、ミステリアスな男の色気が立ち上る翻訳者役も話題に。本インタビューでは、知られざる役作りについて語っていただいた。

「監督さんによってはガッチリと作り上げてきてほしいという方と、セリフを覚えてこないでほしいという監督さんがいるのでそれぞれに応じて分けています。

ただ、僕は“職人”の役をいただくことが多くて、その雰囲気作りは大切にしています。

どら焼き職人(映画『あん』〈15年〉)役をした際には、だいぶ前から役作りをしました。

何十年とどら焼きを作り続けた職人さんが、その味のために行っている所作などは、時間をかけて準備をしていかないと、心や魂のようなものは、観る人に伝わりませんから。

その他、ギターやピアノなどを演奏する役もあります。それは習いに行くこともありますし、自宅へ持ち帰って練習をすることもありました」

「神は細部に宿る」というが、永瀬さんは表現者として、細部のディティールを追求している。これまでに、膨大な数の作品に出演し、経験を積んできたが、「考え方はデビュー当時から変わらない」と続ける。

「デビュー当時のインタビュー記事を読むと、言っていることが基本的に変わっていないことに気付きます。

これは、自分の核のようなものが変わっていないのか、全然成長できていないのか(笑)。でも、最初に経験した映画の撮影現場で受けた衝撃や、教わったこと、学んだことは大切にしています。

今は映画の規模が大きくなり、スクラムを組む相手が増えてきました。でも、それぞれのメンバーと、しっかりとタッグを組んでいきたいです。それは、何よりも大切なのは、人との繋がりだと感じているからです」

全量芋焼酎『一刻者』は華やかな香りも魅力。

挑戦したいのは「芋掘り」。源(みなもと)を知り理解を深める

ここで、永瀬さんの写真作品にも注目したい。“表現の職人”として撮られる立場にいる永瀬さんが、写真家として「撮る側」に立ったときに何を感じているのかが伝わってくるのも、その写真撮影の魅力だ。特に伝統工芸職人を撮影した作品では、被写体がつくる空気感や緊張感が凝縮されているようにも感じる。また、故郷宮崎も撮影したという。

「数年前、故郷の宮崎を実際に歩き、さまざまな人々に出会い、撮影をしました。このときに、見慣れているはずのふるさとの再発見をしたようにも思います。

これまでに開催してきた写真展もそうですが、私のルーツを真ん中に置き、作り上げていくものが多いです」

永瀬正敏さんの写真集『Memories of M~ Mの記憶~』より

よく知るはずの故郷を、時には歩く速度で巡り、自らのルーツを意識しながらシャッターを切る。永瀬さんが源流を重視していることが伝わってくる。

全量芋焼酎『一刻者』のアンバサダーとして、宮崎・日向にある「黒壁蔵」に入り、焼酎を生み出す職人のこだわりにも触れたという。

『一刻者』は、芋麹を含めた原料に南九州(宮崎・鹿児島)産のさつまいもを100%使用している。黒壁藏で、仕込みから蒸留、貯蔵・熟成まで一貫して品質管理がされているのだ。

『一刻者』は温度変化が起きにくい黒壁藏内の「石蔵」で貯蔵されている。

永瀬さんは地元・宮崎に格別の思いがある。今でも宮崎に暮らす父への気づかいを欠かしていない。宮崎で造られている全量芋焼酎『一刻者』アンバサダーとして挑戦したいのは、なんと「芋掘り」だという。

「さつまいもには幼い頃になじみがありました。黒壁蔵を見学したときに、焼酎に使われる品種『黄金千貫』を手にしましたが、ずっしりと重いことが印象的でした。

アンバサダーとして挑戦したいのは、芋掘りですね。

これまで経験したことがないので初めての経験ということもありますし、焼酎の源となる農作物を、直に採るという経験をすれば、思いも深くなるのではないかと感じています」

一刻者(いっこもん)、とは南九州の話し言葉で“頑固者”という意味だ。自らの考えやルーツを変えず、しなやかに変化していく……そんな永瀬さんの話を聞いていると、全量芋焼酎『一刻者』が飲みたくなる。

全量芋焼酎『一刻者』には、揺るぎないものがある。それでいて、深い味わい、さまざまな料理の魅力を引き出す多様性など、さまざまな変化がある。確固たるものがありつつ、華やかな味わいは、どのように造られているのか。それを知ると、きっと今夜の一杯が、もっと旨くなるだろう。


全量芋焼酎『一刻者』(いっこもん)

量芋焼酎「一刻者」
25度/720ml:1548円(左)、1.8L:3210円(右)
問い合わせ先:宝ホールディングス株式会社 
お客様相談室 075-241-5111 (9:00~17:00 ※土・日・祝日を除く)

お酒は20歳を過ぎてから。ストップ飲酒運転。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく適量を。のんだあとはリサイクル。

全量芋焼酎『一刻者』Webサイトはこちら

故郷の父との心の繋がりを語る……
前編:『永瀬正敏の目に映る「宮崎」』こちら

プライベートの楽しみ方とは?……
後編:『こだわりが詰め込まれた「一刻者」という名の作品』はこちら


取材・文/前川亜紀

 

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