江戸時代の日本で成立した芸能・落語。落語家たちはその伝統を継承しつつ、時代の気分を取り入れ、芸を磨いてきた。そんな古典落語の名手として知られるのは、テレビ番組『笑点』の大喜利メンバーでもある落語家・林家たい平さん。独演会、落語会を開催し伝統芸を今に伝えている。それと同時に、多くのレギュラー番組に出演し、さらにブログやSNSでの情報発信を精力的に行う。自らの中で伝統と革新を繰り返しているたい平さんが、晩酌に選ぶのは、100年の歴史と伝統がある甲類焼酎『極上<宝焼酎>』。お酒とともに過ごすひとときについてのお話を伺った。

古典落語は“土台と柱”がしっかりしているので、現代に翻訳してもブレない

私が落語に出会ったきっかけは、落語家初の人間国宝になった5代目柳家小さん師匠の『粗忽長屋』という噺です。江戸時代、長屋に住むうっかり者が、浅草観音前の行き倒れ(亡くなった人)を自分だと勘違いして、そのなきがらを運びながら「抱かれているのは確かに俺なんだが、抱いてる俺は一体誰だろう」というサゲ(落ち)で知られています。

現代では荒唐無稽な話なのに、師匠の落語ではそう感じなかった。感動を超えた何かがあったんでしょうね。「この魅力を伝えたい」と強く思い、22歳のとき落語の門を叩いたのです。

その後、どれだけ稽古を重ねても、落語には噺家の“人となり”が出てしまう。小さん師匠を真似しても、私では説得力がない。それに、この30年間で日本社会の文化も激変しました。核家族、ネットの普及……長屋で暮らすという感覚もなければ、行き倒れに出会うこともありません。そこで、私は現代社会に合わせ、新たなサゲを付け加えました。古典落語は“土台と柱”がしっかりしているので、現代的な要素を加え、肉付けしてもブレないのです。

林家たい平
1964年埼玉県秩父市生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。武蔵野美術大学芸術文化学科客員教授。秩父市観光大使。『笑点』(日本テレビ)の大喜利メンバー。1988年林家こん平に入門し、落語家として活躍。古典落語の名手として知られる。そのほか、画家や歌手、映画監督、ユーチューバーなどの顔も。レギュラー番組に『ゴルフ!天下たい平』(BSテレビ東京)ほか多数。近著に『はじめて読む 古典落語百選』(リベラル文庫)がある。

「宝焼酎」は、人を幸せにする力がある

ブレないといえば、「宝焼酎」。私の故郷・秩父はホルモン焼きが有名で、何十軒もお店がありました。幼い頃から、親や近所の大人が夜になると、ワイワイ集まって、ホルモン焼きを食べている風景の中で育ったんです。そんな大人たちの手には、いつも焼酎を炭酸で割った焼酎ハイボール(以後チューハイ)のグラスがありました。幼い頃から宝焼酎のラベルを見ていたんですね。

その後、大人の仲間入りをしてから、脂が弾けるほど熱々のホルモンの後に、キーンと冷えたドライなチューハイを飲む幸せを知りました。みんな笑顔になるはずですよね。物事には“陰と陽”がありますが、焼酎は“陽”のお酒だと感じます。チューハイを飲んで笑っていれば、苦しいことも揮発していくんです。

気の置けない仲間と日常的に飲める「宝焼酎」は、私たち庶民の生活のいつも近くにいます。季節になればカボスを入れたり、レモンを入れたりもできて、飽きない。お酒の土台と柱がしっかりしていますから。また、「宝焼酎」はお酒のほうでアレンジを嫌がりませんね。

あ、これは落語と似ていますね。落語も、寄席は365日開いており、いつでも気軽に楽しめる。同じ噺も演者によって、表情を変えます。それに、ウンチクも要らず、チケット代も割安です(笑)。

『極上〈宝焼酎〉』の魅力

振り返ると、「宝焼酎」を私は20歳の頃から飲んでいますから、落語より付き合いが長いんですね。
ホルモン焼屋さんに行くといつも、チューハイです。やはり、「宝焼酎」が一番うまい。
この<極上>もいいですね。宝焼酎の土台がありながら、華やかで奥深い。
そうそう、甲類焼酎は無味無臭で味がないと言う人がいますが、それは大間違い。抜けていく香り、甘み、まろやかさが違うんです。私の味のベースは「宝焼酎」ですから、居酒屋さんに行って、チューハイを頼むとどこのメーカーかわかりますよ(笑)。

お酒と言えば食べ物ですが、私は料理も好きで、先日北海道在住の方から丸のヒメマスなど、たくさんのお魚をいただいたんです。見よう見まねで3枚におろしたのですが、素人だから真ん中のところが分厚くなって、中落ちが多く取れてしまった。その身をこね、焼いてハンバーグにしたり、素揚げしたりして楽しみました。

林家たい平さん自作の「ヒメマスのハンバーグ」。林家たい平オフィシャルブログ『そら色チューブ』では、料理の腕前も披露。(2020-03-29の投稿より)

ほかには、旅先でいただき、感動した味を自分でチャレンジすることも多いです。先日、香川の高松で食べた「骨付き鶏」に挑戦。何度やってもうまくいかないので、鶏肉だけを扱うお肉屋さんに行き、肉の選別と下処理もしてもらったんです。プロがいい素材を選ぶとこれまでと全く違い、味がバシッと決まりました。

あれは極上の瞬間でしたね。「やった~!」というあの瞬間は、宝物。家族とともに、チューハイをキューっと飲みながら味わいましたよ。

こんな時代だからこそ、落語が必要

落語の道に入ってから、人間としての豊かさや幸せを考え続けています。落語のいいところは、誰もが平等で幸せなところ。江戸時代は厳しい身分制度があったけど、その中でも庶民は知恵をしぼって楽しく暮らしていた。その最たるものが落語国の住人たち。

SNSもないので、悪口は面と向かって言い、お酒を飲んで一晩寝れば、次の日に持ち越さない。

人間が一番幸せな時代だったのかもしれませんね。便利さを追い求める中で、捨ててしまった一番大切なものが、落語の中には生きている。

それは、「今日一日、生きててよかった」というシンプルな幸せなのかもしれません。

先日、姉の家に集まり、庭に七輪を出して身内でホルモン焼きをしたんです。

ここ数年、いろんなことがあって、世の中が変わっても、こうしてみんなでチューハイ片手にゲラゲラ笑ってその日その日を精一杯楽しく生きている。

その幸せの隣に「宝焼酎」がある。これはずっと変わらない風景だと思います。

人生に寄り添うこの味わい。

宝焼酎の誕生は、大正元年(1912年)。100年を超える長い歴史の中で、生まれた『極上<宝焼酎>』。不純物を取り除いた限りなくピュアなアルコールに樽貯蔵熟成酒を3%、絶妙にブレンド。芳醇な味わいは、甲類焼酎ファンを魅了し続けている。

そのすっきりしたまろやかな口当たりと、華やかでふくよかな香り……その背景には、100年の歴史を共に過ごした、約85種類・約2万樽の樽貯蔵熟成酒と、磨き続ける伝統技術の存在が。

今までも、これからも、人生に寄り添うこの味わい。
次の100年へ。その品質を磨き続けます。

「宝焼酎」Webサイトはこちら

飲酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を及ぼすおそれがあります。飲酒は適量を。

取材・文/前川亜紀 撮影/藤岡雅樹

 

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