そのまま食べても美味しいメロンは、スイーツに用いればさらなる魅力をアピール。両者の相性は抜群、メロンを使ったスイーツの評判店を紹介する。

『果房 メロンとロマン』東京・神楽坂

「専門店のメロンクリームソーダ」(780円)にのるのはメロンジェラート。手前は「メロンとホワイトチョコのシュー・ア・ラ・クレーム」(680円)。

メロンの名産地が東京に開いた専門工房

青森県といえばリンゴの印象が強いがメロンの栽培も盛んで、生産量は全国7位(2024年度)につけている。その青森で7割以上のメロンを産出するのが、県西部に位置するつがる市だ(※)。

『果房 メロンとロマン』は、つがる市が東京・神楽坂に開設したアンテナショップである。「日本初のメロン専門工房」という店内は、1階がテイクアウトの店舗と厨房、2階がカフェになっている。提供されるほぼすべてのメニューにメロンが使われ、パフェやケーキはもちろん、キーマカレーにもメロンが使われている。「つがる市=メロン」という、全面メロンに振り切った展開が清々しい。

「神楽坂という場所柄もあり、年配のお客さんもいらっしゃいます。男性がおひとりで来られ、パフェを食べて帰られることもあります」(つがる市東京事務所・葛西さん)

メロン好きにとって隠れ家的存在が同店だ。ひとりでひっそり訪れて、美味しいメロンのスイーツをいただきながら、いっときのロマンにひたるのも悪くない。

※市町村別では、つがる市のメロン産出額は全国4位(2023年)。

果房 メロンとロマン 

店長の辻原真由紀さん。同店の店舗運営のほかに、ライターとしてメロンを始め、全国の食のストーリーを伝える活動をしている。

東京都新宿区神楽坂3-6-92 
電話:03・6280・7020 
営業時間:11時30分~17時30分 
定休日:月曜、火曜(祝休日の場合は営業) 
交通アクセス:地下鉄有楽町線・南北線飯田橋駅から徒歩約5分、地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩約7分

『銀座フルーツ』東京・銀座

静岡産メロンをまるごと使った「まるごとメロンケーキ」(1万6200円/要予約)。どんな大きさのメロンでも20層に収める。8分の1のカットは2000円(通常販売)。
頭の部分をカットしただけでは、これがケーキとは分からない。そこにダイナミックにナイフを入れていくと……。
きれいに半分にカットし広げると、上の写真のような断面が現れる。1個の製作に1時間はかかるという職人技の逸品である。

高級メロンを丸ごと使い、惜しげもなくケーキに

最高級の静岡クラウンメロンをカットすると、中身はまるごとメロンケーキ。なんともダイナミックかつ贅沢なケーキを作るのは『銀座フルーツ』のシェフ、加藤幸樹さんだ。加藤さんが大阪時代に高級寿司店のデザートとして開発したケーキを、昨年5月に開店した同店の看板商品にした。

「クリーム、スポンジ、メロン、イチゴと4種の具材を繰り返して詰めて、20層のミルフィーユ状にしています。くりぬいたメロンは、内側のもっとも甘い部分だけを使っています」(加藤さん)

カットしたケーキをいただいた。メロンとクリーム、スポンジとの相性は抜群、イチゴの酸味がアクセントになる。フォークですくうたびに味の変化が楽しめる。

銀座フルーツ 

シェフ・パティシエの加藤幸樹さん(40歳)。和菓子店、ホテルのパティシエなどを経て独立。広島県出身。

東京都中央区銀座7-3-13 ニューギンザビル1号館1階 
電話:03・6280・6990 
営業時間:14時~23時 
定休日:土曜、日曜、祝休日 
交通アクセス:JR新橋駅より徒歩約7分、地下鉄丸ノ内線・日比谷線・銀座線銀座駅より徒歩約8分

『千疋屋総本店 日本橋本店フルーツパーラー』東京・日本橋

完熟メロンが芳しい香りを放つ。「マスクメロンパフェ」(4620円)。メロンの下にはまたメロンと幸せの時間が長く続く。
日本橋本店の1階売り場に並ぶ、マスクメロン。大田市場の仲卸が『千疋屋』用に選び、さらに同店の厳選をくぐり抜けた究極のメロン。

初めから終わりまでメロンを堪能できる、究極のパフェ

『千疋屋』というと、まずメロンを思い浮かべる。明治維新とともに「果物食堂」を開店した、老舗のフルーツパーラーを訪ねた。

看板商品の「マスクメロンパフェ」には、最高級の静岡クラウンメロンがたっぷり使われる。『千疋屋』に届くまで、幾度の選別を経てきた究極のメロンだ。

カウンターからは、フルーツパティシエの見事なカット技術が目の当たりにできる。パフェに使われるのは、12等分にカットしたうちの3片分、つまりひと玉の4分の1が使われていることになる。

美しく飾られたパフェを崩すのは少々気が引けるが、思い切ってメロンを手に取りいただく。芳醇なメロンが甘さをおさえたホイップクリームと溶け合い、口中に幸せ感が広がる。このときばかりは誰しも無言になるはずだ。

上のメロンを食べ終わって、バニラアイスでフィニッシュかと思いきや、そこにもカットメロンが現れる。最初から最後までメロンとともに至福の刻を味わえる、究極のパフェである。

千疋屋総本店 日本橋本店フルーツパーラー

東京都中央区日本橋室町2-1-2日本橋三井タワー2階 
電話:03・3241・1630 
営業時間:11時〜21時
定休日:不定 
交通アクセス:地下鉄銀座線三越前駅より徒歩約1分、半蔵門線三越前駅より徒歩約5分

『ARROW TREE 京都三条店』京都・三条

アーモンドタルトが香ばしい「静岡県産マスクメロン・ロワイヤルタルト4号」(3400円)。手前のカットケーキは880円。

香ばしいタルトと芳醇なメロンのコンビネーション

『ARROW TREE』は、兵庫県の西宮青果市場にルーツを持つ卸売問屋から始まったブランド。市場に届いた、新鮮で美味しいフルーツを使った菓子作りをモットーとし、現在は大阪と京都に3店舗を構える。素材のフルーツは、青果卸で培ってきた目利きと仕入れの経験を活かし、その時季にもっとも状態の良いものが選ばれる。

直営店のひとつ、京都三条店を訪れた。同店では静岡県産のマスクメロンをふんだんに使った、メロンケーキを提供している。最上級の静岡県産を使うのは、見た目の美しさに加え、上品な香りと甘み、滑らかな口当たりは、ほかの品種ではなかなか味わえないからだ。菓子に仕立てた際にも、メロンの存在感がしっかりと残る。

アーモンドタルトが香ばしい「静岡県産マスクメロン・ロワイヤルタルト4号」(3400円)。手前のカットケーキは880円。

メロンのタルトケーキをいただいた。主役はあくまでもメロン、台座のタルトは脇役である。しかしこの脇役がメロンの美味しさをさらに引き立てている。香ばしいタルトと、芳醇なメロンの絶妙のコンビネーションが楽しめる。

ARROW TREE 京都三条店 

京都市中京区三条通河原町東入中島町105タカセビル 
電話:075・257・7617 
営業時間:11時〜20時、〜21時(金曜・土曜) 
定休日:不定 
交通アクセス:地下鉄三条京阪駅、京阪本線三条駅より徒歩約4分

※『サライ』2026年7月号より

7月号特集は『ニッポンの原風景に出会う「離島」へ』

 

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