01アマソナタ

 
14世紀頃、ドイツの町の広場でクリスマス用品や日用品を交換することから始まったといわれるクリスマスマーケットは、今やヨーロッパの冬を彩る風物詩となりました。クリスマス前のアドベント(クリスマスを待ち望み準備をする期間。11月30日に一番近い日曜から始まることが多い)の頃になると、いよいよクリスマスマーケットの開始です。会場広場を埋め尽くすクリスマス用品の屋台、色とりどりのクリスマスキャンドル、熱々のソーセージやホットワイン、見上げるようなクリスマスツリーなど、厳寒のヨーロッパを輝かせる光と夢の世界が待っています。
 
02バルコニー付き客室

アマソナタのバルコニー付き客室。

03船上プール

アマソナタの船上プール。

 

今回ご紹介する「ドナウ川 クリスマスマーケットクルーズ」は、そんなクリスマスマーケットを、楽に、優雅に、そして効率よく巡ることのできる決定版。「アマソナタ」という2014年に就航した最新鋭で上質なリバークルーズ船に乗り、7泊8日間で3か国9か所のクリスマスマーケットを訪ねる欲張りなクルーズとなりました(クルーズ日程11月25日~12月2日、ブダペスト→ウイーン→メルク→パッサウ→レーゲンスブルグ→ニュールンベルグ 料金2899米ドル~)。

 

04ライトアップしたハンガリー国会議事堂

船上から眺めるライトアップしたハンガリー国会議事堂。

 

旅のスタートはハンガリーの首都ブダペスト。町はブダ地区とペスト地区に分かれ、その間を流れるドナウ川にリバークルーズ船アマソナタが佇んでいました。全長約135m、客室数79室、ラウンジ、レストランからスポーツジムやプールまで完備した豪華ホテルのような船に乗り、ドナウ川の景色を眺めながら、クリスマスカラーに彩られた河畔の街々を訪問するおとぎ話のような旅の幕開けです。

初日の夜は、早速、船長主催の歓迎パーティーが開催され、「今回は世界13か国からやってきた136名のお客様を迎えています。どうぞ皆様ひとつの家族になったような気分でクリスマスシーズンのクルーズをお楽しみください」と、船長が挨拶を行ない、シャンパンで乾杯。

その後、ドナウ川をナイトクルージングし、両岸に現れるブダ城や国会議事堂などの美しいイルミネーションを船上から楽しみました。

翌朝から、いよいよクリスマスマーケット三昧の日々が始まりました。アマソナタのクルーズには、基本的なツアーが乗船料金に含まれているので、誰もが気軽に各地の名所やクリスマスマーケットを訪れることができます。

最初はバスでブダ地区にある王宮の丘に上がり、漁夫の砦へ向かいました。かつて漁夫のギルド(組合)があったと言われる場所に立つネオロマネスク様式の砦は、建築家シュレク・フリジェシュの設計で、とんがり帽子のような7つの塔と回廊で構成されるユニークな砦です。

 

05ブダペストのクリスマスマーケット

ブダペストのクリスマスマーケット。

06ランゴス

ハンガリー式の揚げパン「ランゴス」。

その後、ブダペスト最大のヴルシュマルティ広場のクリスマスマーケットに到着しました。入口には、大きなクリスマスツリーが立ち、会場には「ヒュッテ」と呼ばれる小屋の屋台が並び、クリスマスキャンドル、オーナメント、帽子、毛皮、日用品まで多数の物が売られていました。中でも目立つ存在はハンガリー風揚げパン・ランゴスの店。3ユーロ払い、大盆のようなランゴスにチーズを乗せてもらいましたが、香ばしいパンとニンニク入りチーズが混じりあい、なかなかの美味しさでした。

アマソナタに戻ると、午後5時から「船上クリスマスツリーの飾り付け大会」の開始です。会場のラウンジには3本の樅の木と、たくさんのクリスマスオーナメントが用意され、乗客たちは3班に分かれ、各々が個性豊かな飾りつけに腕をふるいました。完成したツリーは、カラフルな飾りつけもあれば、金一色の豪華な物も。そして、クルーズ中、1本がレストランの入り口に、2本がラウンジに置かれ、ファミリークリスマスのムードを演出しました。 

07皆でクリスマスツリーの飾り付け

乗船客みんなでクリスマスツリーの飾り付けを楽しむ。

 

3日目は、オーストリアのウイーンに到着。ここでは、シェーンブルン宮殿のクリスマスマーケットと市庁舎前のクリスマスマーケットの2か所を訪問しました。特にウイーンで一番有名な市庁舎前のクリスマスマーケットは、規模も大きく、物を売る小屋に加えて、クリスマスキャロルを演奏する人形の楽団や、大型のクリッペ(キリスト生誕を人形で表したもの)もあり、華やかでした。

08ウイーン市庁舎前クリスマスマーケット夜景

ウィーン市庁舎前のクリスマスマーケットの様子。

09ウイーンクリスマスマーケット

ウィーンのクリスマスマーケット。

 
クリスマスマーケットの名物のひとつが、ホットワイン(グリューヴァイン)です。赤ワインに香辛料を入れて温めたワインは、厳寒のマーケット巡りの強い味方といえるでしょう。ここでは、アマソナタの乗客に無料のホットワイン券がプレゼントされたので、早速飲んでみると、スパイシーな湯気が鼻をくすぐり、ちょっと甘めのワインが体を芯から温めてくれました。また、ホットワインが入ったマグカップはハート型にクリスマス柄の可愛らしい物だったので、土産に持ち帰りました。

ところで、リバークルーズ船の中でも、アマソナタが高い評価を受けている理由のひとつが食事です。この船の会社アマ・ウオーターウエイズがヨーロッパでリバークルーズを行なっている船は、パリに本部を置く美食団体ラ・シェ―ヌ・デ・ロティスール協会に所属するほど料理に力を入れています。さらに、昼食、夕食にはワイン、ビール、ソフトドリンクが無料で振る舞われるので、食事が一層華やかになります。

10ウイーン風カツレツ

ウィーン風カツレツ。

11アップルシュトル―デル

ウィーンで人気のデザート「アップルシュトルーデル」。

 
ウィーンの夜は、数あるメニューの中から前菜に牛肉カルパッチョ、コンソメスープ、ウィーン風カツレツ、デザートにはウイーンの人気銘菓アップルシュトゥルーデルなどを選び、ウィーンの気分を満喫しました。

 翌日のオーストリア・メルクはヴァッハウ渓谷に隣接し、世界的に名高いメルク修道院のある町として知られています。

1089年、ベネディクト派の修道場として建立されたメルク修道院は、フレスコ画が見事な大理石の間や、中世の写本が無数に納められた2階建て図書館が有名です。内部にあるバロック様式の荘厳な教会ではクリスマス準備の真最中で、アドベント用キャンドルの飾り付けが行なわれていました。

12メルク修道院

メルク修道院。

13メルククリスマスマーケット

メルクのクリスマスマーケット。

修道院から道を下ると、メルクの町のクリスマスマーケット広場に出ました。こちらは手作りのモミの木のリースや、服、雑貨など、素朴なクリスマスマーケットで、地元の人々が談笑しながら買い物を楽しんでいました。 

船に戻るため町から下ってくると、川にはハクチョウが泳ぎ、その上の岩山には、さきほど訪れたメルク修道院がそびえる、ヨーロッパらしい風景を楽しむことができました。

アマソナタでは、午後1時から船上でもクリスマスマーケットを開催し、クリスマスオーナメント、木製のくるみ割り人形、サンタクロースのぬいぐるみなどが販売されました。

さらに、船内新聞に印された今日の注意事項は「今夜は寝る前に部屋のドアの前に必ず靴を出してから眠ること!」

こんなワクワクするようなお知らせに、乗客たちは「今夜はキットあの人が船にやってくるにちがいない」とニコニコ顔で頷きあいました。そして、午後11時を過ぎると各部屋の前には、靴やブーツが勢揃い。

14部屋の前に並んだ靴

客室の入り口に並んだ靴。

 はたして、今夜、何が起こるのでしょうか?

次回(後編)をお楽しみに!

■2016年のドナウ川クリスマスマーケットクルーズ

アマソナタ 2016年12月5日発7泊8日
ブダペスト→ウイーン→メルク→パッサウ→レーゲンスブルグ→ニュールンベルグ2899米ドル~
(他にもコースあり)

 このクルーズに関する問い合わせ先
 株式会社オーシャンドリーム
TEL 042・773・4037
FAX 042・773・3021

http://oceandream.co.jp/

 

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