「C57形」 優美な姿、蒸機の貴婦人
スマートな姿で特急や急行列車を牽引してきたC57形は、最も人気がある旅客用の蒸気機関車だ。合計201両が製造され、地方の幹線を中心に、特急・急行など優等列車の長距離高速運転に投入された。1972年の鉄道100年記念イベントでは汐留〜横浜間で煙を上げて走り、1975年12月14日の蒸気機関車定期運転最終日(室蘭本線)にも牽引機に抜擢されている。
2026年9月号『サライ』(本の情報は巻末に)の引き出し付録に収めた広田尚敬さんの作品は、その直前の室蘭本線での勇姿である。
ボイラー圧力を高めることで出力も強く、最高速度も時速100㎞まで可能で、平地から勾配区間までスムーズに走った。石炭の燃焼効率も高く、使い勝手もいいことから運用現場でも人気があったという。1937年に登場した1号機はSLやまぐち号として現役、同機関車は準鉄道記念物に指定されている。
SLばんえつ物語

●C57形180号機〔JR東日本〕
新潟県新津市(現新潟市)の学校に展示されていた車体を復元して1999年から「SLばんえつ物語号」がスタート。単独で客車7両を牽引する。
主な列車名(運行路線):SLばんえつ物語号(磐越西線)
主な走行区間:新津〜会津若松
走行距離:111.0㎞ 1両の長さ:20.33m 重量:115.5t 製造年:1946年
SLやまぐち号

●C57形1号機〔JR西日本〕
1979年からSLやまぐち号を牽引(2026年はD51が担当)。
走行距離:62.9㎞ 1両の長さ:20.28m 重量:115.5t 製造年:1937年
「C58形」 日本の津々浦々を駆けた万能機
ローカル線の貨客列車用に開発されたテンダー(炭水車)付きの蒸気機関車で、1938年に登場。431両と製造数も多く、四国全域をはじめ全国で活躍した。首都圏にも配備されたほか、北海道の炭鉱や機関区の入れ替え用としても使われ、牽引力と速度を兼ね備えた蒸気機関車として地方交通を支えた。動態保存機ではかつて釜石線で「SL銀河」を運行したJR東日本のC58形239号機も残る。
SLパレオエクスプレス



●C58形363号機〔秩父鉄道〕
引退後は埼玉県内の小学校に展示されていた。1988年のさいたま博覧会を記念して復元。同年から秩父鉄道で運転を開始。
主な列車名(運行路線):SLパレオエクスプレス(秩父本線)
主な走行区間:熊谷〜三峰口
走行距離:56.8㎞ 1両の長さ:18.28m 重量:100.2t 製造年:1944年
「C11形」ローカル線を支えた小さな力持ち
SL大樹・ふたら


●C11形123号機〔東武鉄道〕
背面に石炭庫、側面に水槽を備えた小型タンク式蒸気機関車のベストセラー。東武鉄道ではC11形207号機、325機(右写真)も保有し運行中。
主な列車名(運行路線):SL大樹(東武鬼怒川線)・ふたら(東武日光線)
主な走行区間:下今市〜鬼怒川温泉・東武日光〜下今市
走行距離:12.4㎞・7.1㎞ 1両の長さ:12.65m 重量:68.06t 製造年:1946年
「D51形」デゴイチの愛称で知られる国民機
SLやまぐち号

●D51形200号機〔JR西日本〕
デゴイチの愛称で全国を走った国鉄の主力蒸気機関車。梅小路運転区所属でC57形1号機とともにイベント列車やSLやまぐち号も担当する。
主な列車名(運行路線):SLやまぐち号(山口線)
主な走行区間:新山口〜津和野
走行距離:62.9㎞ 1両の長さ:19.73m 重量:125.1t 製造年:1938年
取材・文/杉﨑行恭 写真/杉﨑行恭、坪内政美
※『サライ』2026年9月号より








