明治の日本画の支援者であり、ボストン美術館の日本美術コレクションの礎を築いた大コレクター、ウィリアム・ビゲロー(1850-1926)。

著名な外科医の一人息子としてボストンに生まれたビゲローは、ハーバード大学在学中より日本に興味をもち、1882年に来日。明治の日本画改革運動のリーダーであったフェノロサに共鳴したビゲローは、強力なパトロンとして運動を支えました。急激に欧化しつつあった当時の日本で、二人は日本美術がいかに独特で大切かを世に訴えました。

《ビゲロー肖像写真》明治時代(19世紀)
園城寺(法明院)蔵【通期展示】

愛知県美術館の「没後100年記念 ビゲロー 幻のコレクションと近代日本画の夜明け――日本美術に魅せられたボストン人——」は、ビゲローの没後100年を記念する展覧会です。(10月30日~12月13日)

本展の見どころを、愛知県美術館の本展担当学芸員、岩間美佳さんにうかがいました。

「本展では、ビゲロー旧蔵の美術作品、ビゲローが支援した狩野芳崖、橋本雅邦ら明治の日本画改革運動をけん引した日本画家たちの作品をご紹介します。これらとともに、仏教に帰依したビゲローゆかりの園城寺法明院(滋賀県大津市)に残る遺愛の品々もご紹介します。

見どころ1

肉筆浮世絵など、国内の旧ビゲロー・コレクションが大集合! 旧蔵品からビゲローの日本美術愛を探ります。

喜多川歌麿《太夫と禿図》
寛政(1789-1801年)頃
城西大学水田美術館蔵【前期展示】

見どころ2

明治の日本画を通して、画家たちや彼らのリーダーだったフェノロサを支援したビゲローの貢献に光を当てます。

重要文化財 狩野芳崖《悲母観音》
明治21(1888)年
東京藝術大学蔵【12/1-13展示】

芳崖の弟子・前田錦楓は名古屋で活躍しました。

前田錦楓《紫陽花》
明治20-29(1887-1896)年
前田速念寺蔵【通期展示】

こうした作品群をより深く鑑賞するためのイベントもお楽しみください」

本展のイベント

日本フェノロサ学会共催 連続記念講演会
ビゲローと日本美術、仏教との関わりについて、日本近代美術史や仏教界の切り口から専門家がお話しします。
[日時・講師]
11月7日(土)井上瞳(愛知学院大学教授/本展企画協力)
11月14日(土)福家俊彦(総本山 園城寺[三井寺]長吏)
11月21日(土)岩間美佳(愛知県美術館学芸員)
11月28日(土)佐藤道信(東京藝術大学名誉教授)
[開催時刻]13:30-15:00(13:00開場)
[会場]アートスペースA(愛知芸術文化センター12階)
[定員]各回先着180名
聴講無料、事前申し込み不要。開始時刻までに会場にお集まりください。

【開催要項】
企画展 没後100年記念 ビゲロー 幻のコレクションと近代日本画の夜明け
——日本美術に魅せられたボストン人——
会期:2026年10月30日(金)―12月13日(日) ※会期中、一部展示替えあり
前期:10月30日(金)―11月15日(日)
後期:11月17日(火)―12月13日(日)
会場:愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2
電話:052-971-5511(代)
公式サイト:https://apmoa.museum/
開館時間:10:00-17:00 ※金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日:11月2日(月)、11月16日(月)、11月30日(月)、12月7日(月)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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