
江戸時代の儒学者・本草学者である貝原益軒が著した健康書の古典『養生訓』をご存じでしょうか。食べ過ぎな
い、体を動かす、自然のリズムに寄り添う、人生を楽しむ……、その教えは現代にも通じるものばかりです。
『眠れなくなるほど面白い 図解 養生訓の話』(日本文芸社)は、薬剤師の鈴木養平さんが現代の生活に置き換えて監修したもの。
今回は、『眠れなくなるほど面白い 図解 養生訓の話』(日本文芸社)の中から、「40歳を過ぎたらとにかく『目と耳』を休ませるとラクになる」と「『ゆっくりとお腹の深くに入れる』呼吸が体をよみがえらせる」を紹介します。情報ストレスから身を守る方法を学びましょう。
40歳を過ぎたらとにかく「目と耳」を休ませるとラクになる
『養生訓』では、人間の心身を司る器官として「五官」が挙げられています。「五官」とは、耳、目、鼻、口、形(体)の5つを指し、それぞれに、聞くこと、見ること、嗅ぐこと、話すこと・食べること、動くこと・色欲という機能があります。五官にはそれぞれ特有の欲望があり、人間が感情に支配されると、その欲をコントロールできなくなってしまいます。その欲望のままに行動し、感情が激しく揺さぶられると、心もかき乱されて体調を崩してしまいます。本来であれば、これら五官は「心」の命令に従って動かなければなりません。五官を正しく統御することが、心の果たすべき役割だからです。
もちろん、体調を崩す原因には、ウイルスや暑さ寒さといった外部環境の影響も大きいでしょう。しかし、感情の乱れという内的な要因のほうが、健康にとっては大きな脅威です。感情が乱れると体のバランスが崩れ、結果として外
的要因の侵入を許してしまうからです。
健康を維持するためには、つねに自分の感情をチェックし、心と五官の主従関係が逆になっていないか、注意を払っておきましょう。

【養生の心得】
五官による欲を抑え、心をもって行動する!
「ゆっくりとお腹の深くに入れる」呼吸が体をよみがえらせる
私たちは毎日、呼吸をしながら生きています。その呼吸について『養生訓』では、「呼吸とは、古く汚れた気を吐き出し、新しく清い気を吸い込むこと。新しい外気と古い内気を入れ替えること」と説かれています。
体の中の気は、時間の経過とともに古く汚れていくものです。一方、外の気は新しく清らかなため、鼻から深く吸い込むことで、体内の気もみずみずしく生まれ変わります。
普段から意識することも大切ですが、毎日時間を決めて呼吸を整えるのもおすすめです。下図で紹介する「内外の気を入れ替える呼吸法」を、一日1~2回試してみてください。
説明にある「臍下丹田(せいかたんで ん)」とは、おへそから指4本分ほど下にある部分のことです。ここに深く空気を入れるイメージで、ゆっくりと呼吸をしましょう。目安は、3秒かけて鼻から吸い、7秒かけて口から吐き出す感覚です。息を吐ききったとき、吸いきったときに、お尻の穴をキュッと締めるよう意識すると、さらに気が整い
ます。このような深い呼吸を続けるうちに、心も自然と安定してくるでしょう。

【養生の心得】
汚れた気を吐き出し、清い気を体に取り入れる
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眠れなくなるほど面白い 図解 養生訓の話
監修/鈴木養平
日本文芸社 1,089円(税込)
鈴木養平(すずき・ようへい)
薬剤師、薬日本堂漢方スクール講師、日本漢方養生学協会理事長。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂株式会社入社。漢方専門相談員として店舗運営、臨床を経験した後、社員教育・広報販促・調剤等に携わる。“漢方養生生活をより身近に”と漢方スクールの講師としてセミナーや講演活動をする一方で、雑誌・本の監修、商品の開発協力(日本
コカ・コーラ社“からだ巡茶”など)で活躍中。著書に『わがまま養生訓』(フォレスト出版)がある。2025年に放送されたNHKドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』では薬膳考証を担当し話題となる。







