フランス菓子のクリームやタイの紅茶、ときには中華の甜麺醤まで加え、独創的な味をつくる。異才を放つ『CHAP』中北若葉シェフの発想を追う。

かぼちゃ×クロッカンクリーム×メレンゲ
かぼちゃペーストはねっとりとして甘みが濃厚。合わせるメレンゲはサクッと軽やか。仕上げの結晶塩が味のアクセント。2500円。
モダンかき氷の新宇宙
驚きと発見があり、ユニーク。それが『CHAP』のかき氷だ。見た目の美しさ、とろけるような口溶け、華やかな香り、重層的な味、すべてにおいて別次元なのだ。
イタリア料理店や星付きのフランス料理店でシェフとパティシエの腕を磨いた中北若葉シェフは、独立を機に妹のかき氷店を手伝うようになり、自由に創作ができるかき氷に魅了される。2023年に店を開くと、今までにないかき氷が話題となった。「かき氷は生き物。氷の溶け具合やソースの加減で、食べ終わるまで味が変化します。パーツの味やテクスチャー、重ねる順番で、可能性が無限に広がるのも魅力です」
例えば「かぼちゃメレ」は、かぼちゃをじっくりと蒸し焼きにし、濃厚な甘みを引き出してペーストに。クッキーなどを加えたオリジナルのクロッカンクリームは、香ばしいバタートーストの風味が漂う。ミルクベースの氷に盛り、仕上げにメレンゲと結晶塩を。どの部分にも心が高ぶる味わいがあり、一度食べたら忘れられない。
新作の「宮崎マンゴースティッキーライス」はタイを旅して閃いた一皿という。ココナッツミルクで炊いた糯米にマンゴーを添えた伝統スイーツを、バニラ風味の紅茶で氷のベースをつくり、マンゴーピュレ、求肥、ココナッツ味のカスタードクリームを組み合わせて、日本のかき氷に変身させた。

マンゴー×タイ紅茶×餅
バニラの香りが特徴のタイ紅茶に、味の異なる2種のマンゴーとココナッツ風味の餅が絶妙にからむ。2700円。
新しい食材や調味料を合わせるのも『CHAP』ならではだ。黒いかき氷で、見た目のインパクトも抜群の「チャイナ・メロン」は、スイーツとは無縁の甜麺醤と西京みそをチョコレートに加えている。杏仁の香りも手伝って、完熟メロンと甜麺醤クリームが驚きの一体感に満ちる。

メロン×杏仁パンナコッタ×甜麺醤
肉桂岩茶と竹炭を煮出したシロップで氷の黒い色を。チョコレートベースの甜麺醤クリームで、完熟メロンの甘さが際立つ。2600円。
次作はどんな驚きがあるのか、楽しみはつきない。
CHAP

東京都渋谷区恵比寿1-23-17 善菜ビル5階
電話:070・8448・6053 営業時間:11時〜14時(最終注文)、16時〜20時(最終注文)
定休日:不定休あり(インスタグラムで確認を)
交通アクセス:JRほか恵比寿駅より徒歩約5分
要予約(https://chap-tokyo.com/より)
※季節によってかき氷の内容は変わります。
取材・文/石出和香子 撮影/宮濱祐美子
※『サライ』2026年8月号より












