
遣唐使がもたらした麺
中通島の北側に広がる有川湾の周辺は、江戸時代初期から近代にかけて、捕鯨基地として栄えてきた。有川港近くの日本料理店『潦り茶屋 し喜』の女将・田本喜美代さんは、「捕鯨は行なわれなくなりましたが、いまでも鯨料理は、結婚式などのハレの日に食卓を彩る特別なご馳走です」と話す。
同店では、新鮮な魚介のほか、上五島の食文化を代表する五島うどんも味わえる。
上五島は遣唐使の寄港地で、中国の手延べ麺の製法が伝えられたのが五島うどんのルーツとされる。上五島では食用の椿油を麺に塗るのが特徴だ。これにより麺は煮崩れしにくく、熱々の鍋から直接すくって食べる「地獄炊き」として親しまれている。食事の締めにおすすめの一品だ。

カウンター席のほか、足を伸ばしてくつろげる掘りごたつ式の座敷席がある。●住所:長崎県南松浦郡新上五島町有川郷700-1 電話:0959・42・0933 営業時間:17時~21時(最終注文) 定休日:日曜 交通アクセス:有川港から徒歩約5分

取材・文/藪内成基 撮影/松隈直樹
※『サライ』2026年7月号より












