
AIの時代が来たと言われています。ですが、日々進化するAIに、驚くことはあっても自分には使いこなせないと思っている人や、使ってみたけどAIなんて大したことないと思っている人は、まだまだ多いのではないでしょうか。
じつは、AIをうまく使いこなすと、自分で読まない、調べない、覚えないという常識を覆す勉強法が手に入ると教えてくれるのが『AI独学超大全』(SBクリエイティブ)です。著者は、まったく知識がなかった状態から計1000時間以上の膨大な時間をAIとの対話に費やし、その実践を通じて独自メソッド・超AI独学術を考案したAIのスペシャリスト、佐藤勝彦さん。
佐藤さんはAIと対話することで、学びに革命を起こすことができると言います。AIを使ってみたいという気持ちがあるなら、ぜひAI独学術のスキルを参考にして、AIを使いこなす心地よさを体験してみてください。
さらに佐藤さんは「AIは日々刻々と進化し続けています。本連載で紹介した内容をそのまま実践するのではなく、その時々で“学びをアップデート”することが大切です。AIを最強のバディとすることで、あなた独自の経験と思考を最高の武器に磨き上げてください」ともアドバイスされています。この連載を参考に、自分なりの使い方を見つけてみてください。
今回は『AI独学超大全』から、AIに自分のためだけの問題集を作ってもらう方法をご紹介します。自分のレベルに合った問題を解き続けることで、より理解が深まるはずです。
文/佐藤勝彦
「パーソナライズド問題集」で、ピンポイントで知識の穴を埋める
従来の独学術

いろいろな教材で学習を開始する。簡単すぎる基本問題が続き、退屈に感じてしまう。一方で、応用問題が登場すると全く歯が立たずに挫折してしまう。レベル設定が自分に合っていないため、学習意欲が低下し、非効率に。

AI独学術

AIに「私の現在の知識レベルは10段階で4です」と自己申告し、「今の私が少し背伸びすれば解ける、絶妙な難易度の問題を10問作成してください」と依頼すると、自分に完全に最適化された問題集を生成。心地よい知的挑戦を繰り返すことで、効率的にレベルアップ。
このテクニックは、市販の教材では、簡単すぎて退屈なものと難しすぎて挫折するものが混在しており、自分のレベルに合った学習ができない、という悩みを解決します。
学習効率を最大化する鍵は、常に自分のレベルより「少しだけ難しい」課題に挑戦し続けること。これは「ゾーン・オブ・プロキシマル・ディベロップメント(ZPD)」という教育心理学の理論です。あなたの現在の理解度を把握するパーソナルコーチとしてのAIが、ZPDに沿った適切な難易度の問題を自動で生成します。常に最適な学習負荷で、あなたの成長を最大化してくれるでしょう。
STEP1:【学習テーマと現在の「自己評価レベル」を伝える】
学習中のテーマ(例:DX、プログラミング)と現在の理解度を、なるべく具体的に伝えます。「全くの初心者」「基本用語は理解しているが、応用的な使い方が苦手」など、正直に自己評価を伝えることで問題の精度が上がります。
STEP2:【AI個別指導講師に問題集の作成条件を伝える】
「あなたは伝説の個別指導講師です」と役割を設定。「(1)絶妙な難易度(正答率が70%程度になるよう調整)、(2)多様な出題形式(知識を問う問題、応用力を試すケーススタディ、思考力を測る要約問題)、(3)超丁寧な解説付き」という条件で問題集の作成を依頼。
STEP3:【解答後の「フィードバック」を基に、理解を深める】
問題を解いた後、AIが提供する詳しい解説を読み込みます。「なぜそうなるのか」という本質的な理由や背景まで理解することで、単なる暗記ではない、応用力のある知識が身につきます。間違えた問題については、「この問題のレベルを少し下げて、類似問題を3つ作ってください」と依頼し、確実に理解を深めていきます。
【効果】
自分のレベルに完璧に合った問題で学習することで退屈や挫折から解放され、最高の学習効率を達成することができます。その結果、「わかっていること」と「わかっていないこと」の境界線が明確になり、自分の知識の穴をピンポイントで克服することができるはずです。
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『AI独学超大全』
著者/佐藤勝彦
SBクリエイティブ 2200円(税込)
佐藤勝彦(さとう・かつひこ)
TANREN株式会社 代表取締役CEO / iU情報経営イノベーション専門職大学 客員教授/生成AIエバンジェリスト/一般社団法人プレゼンテーション協会 理事
調理師から転身し、AI×教育で革新を起こす異色の経営者。長年の経験から「属人化しがちな教育」の課題に着目し、2014年10月にTANREN株式会社を創業。AIを活用したパフォーマンス評価アプリ「TANREN」を開発し、営業や接客スキルの可視化・標準化を実現。同アプリは日本e-Learning大賞経済産業大臣賞(2016年)、グッドデザイン賞、HRアワードなど数々の賞を受賞し、米Microsoft社のベンチャー支援プログラム「BizSpark Plus」にも認定される。 GPT-4登場以降は生成AIエバンジェリストとして活動を拡大。「非エンジニアでもAIを使いこなせる」をモットーに、年間100社以上でAIイネーブルメントを標榜し、セミナー・研修を実施。企業向けAI導入コンサルティング、X、YouTubeでもAI活用法を積極的に発信している。
自身も「バイブコーディング(Vibe-Coding)」と呼ぶ直感的なAI駆動開発を実践し、プログラミング知識がなくてもAIとの対話を通じて価値を創造する新しい働き方を体現。2023年9月よりiU情報経営イノベーション専門職大学客員教授に就任し、AI時代に求められる社会人基礎力を定義し次世代人材の育成に尽力。
「つまらない」を「楽しい」に変えることが人生のテーマ。感覚に頼っていた料理人時代から、データとAIを駆使する経営者への変革の軌跡と、誰もがAIを味方にできる実践的メソッドを本書『AI独学超大全』に込めた。
X:@jrpj2010











