『サライ』元編集長の小坂眞吾が、人生初の補聴器を装用して約3カ月が経過した。
これまで人の声や音の聞きづらかった場所で、どのようにきこえ方が変化したか。
ON TIMEとOFF TIMEに分け、それぞれのきこえの印象を語った。

【前編はこちら

小坂が補聴器を使い始めて10日後。調整のため「補聴器専門店プロショップ大塚 吉祥寺店」に再度足を運んだ。補聴器は“買って終わり”の商品ではない。日常生活で使用する中でユーザーが気になったことや要望をフィードバックし、より快適に聞こえるように調整を繰り返し行う。同店は補聴器選びだけではなく、この調整技術でも高い評価を得ている。

10日間の試用で、小坂は2つの違和感を担当の言語聴覚士に相談した。

「一つは、食事中や食器を洗う際に出るフォークやスプーンとお皿がこすれあう音や、キーンと耳に響くような金属音が強調されること。この問題は、高周波数帯の音を聞き取るレベルを下げることで解決しました。2つ目は、耳の穴をふさぐ耳栓の変更です。当初は密閉式にしましたが、自分の声が耳にこもってしまうため、耳を完全にふさがない開放型に変えました。開放型にしたことで自分の声がこもらなくなり、きこえが自然になりました。調整や仕様変更などによって装用時の違和感は解消され、毎日快適に使っています」

小坂装用の補聴器は世界で初めてサウンドプロセッシング専用AIを搭載した、耳かけ型RICタイプ「フォナック オーデオ インフィニオ スフィア」。
※2024年8月ソノヴァ社調べ。

補聴器を着けて様々なシーンできこえを体験

聴力が衰えるにつれ、会話を聞き取りにくくなる場面は増えてくる。

音が溢れる街の雑踏や、人の声が方々から飛び交うざわざわとした飲食店、走行音や空調音が雑音となる電車やクルマの車内ではとりわけ会話が聞きづらい。

補聴器を装用することでどの程度きこえは改善されるのか、小坂がきこえのわるいと感じていたシーンで、装用前後の違いを体感してみることにした。

ことばを聞き取りにくくする騒音やノイズのタイプは場所によって異なる。「フォナック オーデオ インフィニオ スフィア」は、ノイズと音声を瞬時に分離し、状況に応じたきこえを提供する。

【ONのシーン1】ノイズの多い通勤電車できこえを体感

Bluetoothによるスマホとの連動で、電話やメールの着信が補聴器で分かることも便利だという小坂。「Radiko(ラジコ)が聴けるのも魅力ですね」。

『サライ』が実施した「普段の生活におけるきこえの悩み」のアンケートで、上位に入ったのが、電車内での雑音や、車内放送のきこえにくさだった。

小坂も通勤時に気になっていたが、補聴器を着けることで、今までとは違うきこえに驚いたと言う。

「ノイズキャンセリング機能が採用されているので、地下鉄が駅に入線する時の轟音、車内で感じる走行音や風切り音、空調音といった雑音がすべて低減されました。私の利用する路線では一部走行音がとにかく耳障りな区間があるのですが、今までのような騒々しさは抑えられた印象です」

車内放送のきこえは、車両のスピーカーの解像度に依存されるため、日常的に利用する電車内で差を感じることはできなかったとしながら、「車内ノイズが抑えられ、声が聞き取りやすくなるので、大声になることなく、普段通りに会話ができました」と言う。

【ONのシーン2】社内の雑談できこえを体験

この3か月で補聴器の装用に慣れたという小坂は、社内でも補聴器を着けたまま打ち合わせや雑談をしている。

「社内は雑音が少ないこともあり、相手の声が以前よりはっきり聞こえるようになりました」

気づきはきこえの良さにとどまらない。コンパクトかつ軽量で、耳の後ろにすっきり収まりメガネを掛けても邪魔にならない高いフィット感、そして、フォナックの補聴器は装用中に目立ちにくいという発見もあった。

「約3か月、補聴器を着け多くの人と対面で会話をしていますが、相手が補聴器に気づいたことは1度もありませんでした。イメージの中にある“大きくて目立つ”補聴器とはまったくの別物です。もし人の目を気にして補聴器を着けることにためらいを感じているのであれば、体験してみると、それが取り越し苦労であることがわかると思います」

【OFFのシーン1】ざわついたゴールデン街の雑踏できこえを体験

仕事終わりに通うゴールデン街の雑踏での会話もスムーズに。

小坂が、息抜きの場として足しげく通うのが、小さなバーや飲食店が300軒近く密集する「新宿ゴールデン街」だ。最近は外国人観光客に人気が高く、グループ客も多いため、日が暮れると狭い路地は人で溢れ、並んで歩く相手の声さえ聞き取りにくい。

「雑踏の音に違いはありませんが、街の雑踏に限らず、補聴器を着けると“子音”が強調されるので、周囲が騒がしくても相手のことばの意味は聞き取りやすくなりました」

【OFFのシーン2】会話の飛び交う馴染みのバーできこえを体験

ゴールデン街を歩きながら小坂行きつけの「マチュカバー」に到着。

「ゴールデン街は、お酒を呑む場所ではなく、店で出会った見知らぬ人との会話を楽しむ場所。このモデルは上下左右360度の会話を拾えるため、背後や少し離れた場所にいる相手の声もよりクリアに感じました。狭い店内にさまざまな会話が飛び交う中でも、補聴器が相手のことばをクリアに届けてくれるので、ストレスなく会話が楽しめます」

フォナックによって暮らしが変わった

「フォナック オーデオ インフィニオ スフィア」は、最先端技術をコンパクトなボディに凝縮したフォナック最新のフラッグシップ。すでに様々な機能をチェックした小坂が注目したのは、世界中のクリニックから集めたフィッティングデータのAI解析に基づいた「オートセンスOS 6.0」の素晴らしさである。周囲の音環境を1秒間に700回もスキャン。その場に適した音の設定を自動的に選択し、幅広いシーンで、利用者にとっての“いい音”に調整を行う。

例えば雑踏や車内ではノイズをカットしてことばの聞き取りやすさを高める。幅広い音域やスピードに対応し、より豊かな音を満喫できるような設定に自動で変える。

「スマホのアプリでも調整はできますが、補聴器まかせで、最適な音に設定してくれるので、自分で調整する機会はほぼありませんでした。家の中でも、会話、音楽、テレビを楽しんでいる時では自然に設定が変わります。通常より豊かなきこえを得られることは何よりの幸せ。早めに装用して良かったなと感じています」

フォナック オーデオ I-スフィア
フォナック補聴器の最上位モデル。本体に2つのチップを搭載。周囲の声をとらえ明瞭なことばとして伝える。IP68(※電子機器の防水・防塵性能を示す国際的な規格)を超える防水性・防汗性も備えている。本体は軽量で着けていることを忘れる。サイズは縦31.9 ×幅14.0×奥行9.5 mm。耳かけ型RICタイプ。51万2000 円~(片耳)。
DEEPSONICTMチップでは、AI技術を使って「ことば」と「雑音」を切り離し、雑音を最大限に除去。360度の声をクリアに届ける。
処理能力を大幅に高めたERATMチップ。周囲の環境に最適な音の設定を自動で行う最新のオートセンスOS 6.0を採用。Bluetooth®接続によってハンズフリー通話や音楽ストリーミングを快適に楽しめる。
本体を耳介の後ろにかけ、ワイヤの先端にあるスピーカー部を耳の穴に入れる。

会議ではデジタルワイヤレス補聴援助システム「ロジャー」を使ったきこえを体験

複数の人が参加する講演やグループ会議で、離れている人の声をしっかり聞き取ることのできるデバイスが、補聴器と連携が可能なデジタルワイヤレス補聴援助システム「ロジャー」だ。ロジャーのマイクロホンに入った音声が補聴器に直接届けられるため、話者が離れていても、騒がしい場所であっても相手の声がクリアに聞き取れる。

ロジャー オン

ワイヤレスマイクで集音し補聴器に音声を届ける送信機。話者と聞き手の距離が離れ補聴器だけではことばが聞き取りにくい、講演会場や企業の広い会議室などで導入が進む。他社の補聴器も使えるが、フォナック製品との組み合わせでは、外部受信機を用いることなく、受信機機能をインストールした補聴器だけで直接受信ができる。

問い合わせ先/ソノヴァ・ジャパン株式会社(フォナック補聴器) 0120・06・4079

 

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