今年は山手線開業100年。3月末に、駅と街が一体となった、最先端の国際交流スマートシティとして“まちびらき”をする高輪ゲートウェイ駅から、周辺の江戸〜東京の歴史と鉄道の史跡を辿ってみた。

山手線の高輪ゲートウェイ駅周辺に、画期的なスマートシティが誕生
3月27日、「TAKANAWA GATEWAY CITY」の“まちびらき”が行なわれる。駅と一体となったこの街全体を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけ、社会課題の解決策を世界に発信する「Global Gateway」を目指す。
高輪ゲートウェイ駅正面に位置する国際交流拠点のツインタワー「THE LINKPILLAR 1」は、地下3階地上29階建ての「NORTH 棟」と、地下3階地上30階建ての「SOUTH 棟」、オフィスや商業施設 、ホテルからなる複合施設である。隣には、オフィスやクリニック、フィットネスを備え、ビジネスワーカーの暮らしを支える「THE LINKPILLAR 2」や地下3階地上6階建ての複合文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」、さらにその隣にはインターナショナルスクールが入る、地下2階地上44階建て「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」が立つ。(「THE LINKPILLAR 1」を除き2026年春開業予定)
2026年の完成時には、オフィスワーカー約2万人が働き、同駅の乗降客は1日13万人以上と推定される。街の区域面積は約10ヘクタールに及び、東京都心最大級の壮大な開発プロジェクトだ。JR東日本が手がける「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、まさに鉄道と一体化したスマートシティだ。鉄道の運行データや街の中の移動データ等を活用し、交通の利便性向上や地域課題の解決を目指すほか、街独自のアプリと都市OSの活用により、街の運営の効率化やユーザー一人ひとりに最適なサービスの提供を実現する。さらには、国内外から企業やアカデミアなど多様なパートナーが集まるスタートアップエコシステムにより、街全体で“地球益”の実現に向けたイノベーションの社会実装を推進する。
高輪ゲートウェイ駅から徒歩5分ほどには、赤穂義士の墓が有名な泉岳寺(せんがくじ)がある。最近目立つのは外国からの訪問者だ。「四十七士」を描いたハリウッド映画のヒットにより、心にグッとくる仇討ち物語が国境を超え共感を呼んでいる。まさにインバウンドの時代だ。また近くには高輪大木戸跡がある。ここは東海道から江戸への南玄関口だった。現在は僅かな遺構を残すのみだが、今日の「TAKANAWA GATEWAY CITY」を目の前にすると、時代の変容を実感させられる。

住所:東京都港区高輪2-11-1
電話:03・3441・5560
開閉門時間:7時〜16時
義士墓に供える線香料300円。

次に訪れたのは、新橋駅から徒歩5分ほどの旧新橋停車場だ。ホームを含め当時の外観そのままに再現されている。「関東大震災で焼け落ちた駅舎の遺構が発掘調査で出てきました」と、東日本鉄道文化財団の馬場菜生さんは話す。


住所:東京都港区東新橋1-5-3
電話:03・3572・1872
営業時間:10時〜17時
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
料金:無料
1872年10月14日(旧暦9月12日)、新橋〜横浜間に初めて蒸気機関車が走り、明治天皇が乗車された。国家プロジェクトだったことがわかる。「TAKANAWA GATEWAY CITY」の開発中、蒸気機関車が走った高輪築堤の遺構が発掘され、人々を驚かせた。

最後に訪れたのは、東京駅丸の内駅舎内の東京ステーションホテルだ。1915年に開業、今年110周年のホテルは、重要文化財に指定された駅舎と共に、その風格を堂々と保ち続けている。

営業時間:11時30分〜14時(土日祝は〜15時)、17時〜22時
鉄道の開業から150余年を迎えた今日、「TAKANAWA GATEWAY CITY」の“まちびらき”は、未来への出発点だ。江戸から東京、そして未来へ。鉄道がつむぐ物語は、これからも続いていくことだろう。

TAKANAWA GATEWAY CITY 3月27日(木)いよいよ“まちびらき”

高輪ゲートウェイ駅に直結する新たな街TAKANAWA GATEWAY CITYがいよいよ“まちびらき”。「100年先の心豊かなくらしのための実験場」として、賑わいと交流を生み出す新たな国際交流拠点・TAKANAWA GATEWAY CITY。マルシェや未来体験シアターなど盛りだくさんの“まちびらき”に是非お越しください。
提供/JR東日本 文/片山 修
