取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

厚生労働省が発表した「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)」では、2021年度の婚姻件数は 50万1116組、離婚件数は18万4386組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。

「再婚を義両親から遠回しに反対されました。30代同士の私たちは恋の勢いや、反対を押し切って、という情熱よりも現実的なところばかりに目が行き、一時は結婚しないでいいかとなったのですが……」と語るのは、美織さん(仮名・44歳)。それまでの離婚理由は、浮気とすれ違い。美織さんには2度の離婚歴がある。

一度目の結婚相手は交際時からの浮気相手と継続していた

美織さんは愛知県出身で、両親と3歳上に姉、2歳下に妹のいる5人家族。妹とは気が合い、姉のことは少し苦手という気持ちが小さい頃からあったという。

「姉は本当に真面目な人で、自分の正義を他人にも押しつけるタイプです。小さい頃から、私たち妹が悪いことをしないかと姉に監視されていました。例えば買い食いを禁止されていたんですが、親に黙ってこっそり駄菓子を買って食べていたり、宿題の解答を丸写ししていたりするとすぐに親に告げ口するんです。姉には関係ないんだから放っておいてと何度思ったことか。両親は共働きでどちらかというと放任主義だったのに、姉のせいで家での時間は窮屈さがありましたね」

そんな姉は現在も独身。下の妹は20代でバツイチのシングルマザーになり、現在は新しい夫と3人の子どもに恵まれている。

「どちらがいいというわけではないけれど、身内から見て、姉は生きづらそう。まったく男性の気配がなくて、両親もそんな姉に気を遣って結婚のことを聞けないと言っていました。親からも気を遣われているんです。

一方の妹は、毎日楽しそうです。もちろん離婚のことなどで辛い時期もあったでしょうが、今は旦那さんと幸せそうな姿を見ると、こちらも嬉しくなります。妹は決して自分の意見を押しつけたりしないから、相談などはすべて妹にしています」

美織さんも20代で結婚と離婚を経験している。相手は高校の同級生。高校卒業間際に付き合い、相手は東京の大学へ進学して、その間の4年の遠距離を経て、25歳のときに結婚した。

「私は地元の大学へ進学して、彼の後を追うように東京で就職しました。東京で付き合っている間はうまくいっていたと思っていたのに、その頃から夫はずっと浮気をしていて、結婚後もその相手との関係が完全に切れていなかったんです。その事実が悔しくて、夫が浮気相手に夢中になっていた間に私も浮気をしてしまいました。

その結果、お互いに慰謝料が発生する原因があったということで、慰謝料はなしで離婚に至りました」

【不倫相手だったことを隠して、2度目の結婚に至るも……。次ページに続きます】

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