【家族の秘密】「親子にも、恋人にも見える…」嫁が気付いた義父の異変、探偵調査でわかった真実とは？～その２～

親子のようでもあり、恋人のようでもあり

女の子がいなくなると、2人は恋人のような雰囲気も出てきますが、そうとも言い切れないのです。というのも、女性は義父に対する敬意を崩していない。それが親子のようでもある不思議な空気感なのです。

手を繋いで近所を散歩し、女性は時折、義父の背中を撫でている。義父もリラックスしているようで、楽しそうでした。

女性を16時に駅まで送ると、名残惜しそうに見送ります。義父も女性の手を取り、ハグをします。そして、お互いに手を振って別れ、その後、女性は職場なのでしょう、介護施設に入っていきました。以上を百合さんに報告すると、「誰この人？　全然、わからない人です」と言いました。

女性について追加調査をすると、この女性は50歳で義父の元部下の妻です。元部下は義父夫婦が仲人になり25年前に結婚。しかし、数年前に女性の夫……すなわち、義父の元部下が不祥事を起こし、懲戒解雇され、その直後に離婚しています。それから、女性は介護の仕事をしながら、17歳、14歳、11歳の子供を抱えてシングルマザーとして奮闘していることもわかりました。

「お義母様の葬儀の名簿を見ていたら、この女性の名前がありました。きっとそこで近づいたんでしょうね。でも、この証拠、お義父さんに見せたら、きっと怒るに違いありません。お義父さんの財産がどのくらいあるかわかりませんが、きっと援助をしているんでしょうね」

百合さんはしきりに財産の心配をしていました。私は「援助を喜ぶタイプの女性なら、この家には住んでいないと思いますし……何かアクションが起こるまで静観した方がいいと思いますよ」とお話し、百合さんも「そうします」と話していました。

しかし、百合さんは秘密を抱えきれません。1週間後、夫に相談したところ、夫は「冗談じゃない！」と激怒。義父に直談判をしたそうです。

「すると義父は“わかった”と言い、一切の会話をストップ。家から出て、軽井沢の別宅に行ってしまったんです。会話は弁護士を通じて行われ、私たちは退居を命じられました。夫って、最初の威勢はいいのですが、それが長続きしません。話がこじれた後に、“しょうがないな、あとは百合、いい感じにまとめておいて”と丸投げされる。私にお義父さんのこじれた気持ちをほぐすなんてできません」

仕方なく百合さんは、女性と面会します。すると、「後妻業なんてとんでもない！」と驚いていたとか。

女性と義父との関係を聞くと「夫の懲戒解雇のときに連絡をいただき、親身になってくださったんです。私、銀行員の妻でしたが、夫のDVや借金に苦しんでおり、シングルマザーになってからの方が、経済的に安定しているんです」と話していたそうです。

女性は母子家庭育ちで、父親の味を知らなかった。何かと親身になってくれる義父に甘えていたのだそう。さらに「今の生活が幸せ。子供が3人ですが、養育費も支払わせていますし、私も仕事をしています。援助なんていりませんし、申し込まれたこともありません」と語っていたそうです。ただ、お金ではなく、知識は援助していました。

「女性はお義父さんのすすめで、国家資格の貸金業務取扱主任者を受験し合格。加えて現在は、宅地建物取引主任者の資格の勉強をしているとか。より高収入な仕事になるべく、お義父さんがサポートしていたのです。3人の子供にも勉強を教え、成績もみるみる伸びているそうです」

男女の関係は十人十色です。真実を知ったとしても、それをどう使うかは、その人次第。ただ、60代以上の方は、恋愛を知られることを恥と思っている人がとても多い。交渉方法を間違えると、今回のような絶縁や、最悪の事態が起こることさえもあります。

今、高齢者の方々の恋愛調査も増加中、相手の心に寄り添いながら、着地点を見つけることが大切なのだと感じます。

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社　http://www.ritztantei.com/