再び登場の長宗我部

I:ところでお市の方(演・宮崎あおい)が「馬揃えが見たい」と兄信長におねだりしていました。
A:信長による馬揃えは天正9年(1581)に実際に行なわれたイベントです。ざっくりいうと、勢威を誇示する軍事パレードのようなものということになるでしょうか。過去の大河ドラマでは、2011年の『江 姫たちの戦国』で尺をとって描かれました。浅井三姉妹が桟敷席で「キャーキャー」叫んでいたのが懐かしいです。この馬揃えで織田家の「席次」が明らかになっているので、本作でも登場するのかと思いましたが、意外なほどあっさりでした。
I:お市の方が見たいといったわりには……って扱いでしたね。
A:ちなみに、織田家の順列は、80騎を従えた嫡男信忠(演・小関裕太)、30騎で続いた次男信雄、次が信長の弟信包(10騎)です。三男信孝(10騎/演・結木滉星)は信長弟より下位ということでした。そして、信澄は信孝に次いで10騎で続いているのです。
I:このあっさり描かれた「馬揃え」を見学していたということで、再び長宗我部元親が登場しました。まるで女性のようないでたちでした。
A:大河ドラマでは坂本龍馬でおなじみの土佐弁を駆使するキャラクターとして登場しました。「わしは幼き頃から女子のようじゃとよう言われよってのう、姫和子などと呼ばれたもんよ」と、有名な「姫和子」についても触れられるサービスぶりです。ちょっと興奮してきましたね。
I:前段で「四国は切り取り次第」を認めてくれたことに謝意を表し、信長も「存分に進められよ」と言っていたにもかかわらず、舌の根も乾かぬうちに「長宗我部の四国切り取り、認めるわけにはいかぬ」「気が変わったのじゃ」と「気まぐれな信長」が描かれました。しかも光秀に説き伏せるように命じる始末です。
A:そんな光秀のもとに、信長を討て、という義昭(演・尾上右近)の花押のある書状が届くのです。当欄ではこれまでも、「大河史上最高レベルの義昭×光秀コンビ」と評し、「これまで見たことのない本能寺が見られるかも」と予想してきました。
I:なんだかドギマギしてきましたね。いったいどんな本能寺が展開されるのでしょうか。

※宮崎あおいの「崎」は正しくは「たつさき」。
●編集者A:書籍編集者。かつて『完本 信長全史』(「ビジュアル版逆説の日本史」)を編集した際に、信長関連の史跡を徹底取材。本業では、11月10日刊行の『後世に伝えたい歴史と文化 鶴岡八幡宮宮司の鎌倉案内』を担当。
●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。猫が好き。愛知県出身なので『豊臣兄弟!』を楽しみにしている。神職資格を持っている。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり











