なかなか治らない帯状疱疹…罹患後に試したい漢方薬とは？【薬剤師が教える漢方薬辞典】

ドラッグストアで見かけることの多い漢方薬。
「なんとなく体によさそう」「でも何が効くの？」と、興味はあってもなかなか手が出せない……そんな方も多いのではないでしょうか？

今回は、帯状疱疹後のつらい痛みに悩む方へおすすめの漢方「越婢加朮湯（えっぴかじゅつとう）」について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究にも携わる碇 純子さんに教えてもらいました。

越婢加朮湯はどんな方におすすめ？

「越婢加朮湯」は、余分な水分（湿）と熱を体外へ追い出すことで、腫れや痛みを鎮めることを目的とした漢方薬です。とくに以下のような方におすすめです。

帯状疱疹後も皮膚の赤みや腫れが残っている方

帯状疱疹はウイルス感染による炎症性疾患。発疹が治まった後も、皮膚の赤みや腫れがしばらく続くことがあります。
越婢加朮湯は、炎症を鎮める「石膏（せっこう）」、体の余分な水分を排出する「蒼朮（そうじゅつ）」などを含み、炎症とむくみの両方にアプローチできます。

皮膚のつっぱり感や軽いむくみを感じる方

帯状疱疹の回復期に、皮膚のつっぱりや重だるさを感じる方も少なくありません。
この漢方は体内にたまった“湿”を取り除く作用に優れており、利水効果があるため、皮膚の違和感の緩和が期待できます。

体力が比較的あり、熱っぽさがあるタイプの方

越婢加朮湯は、比較的体力がある方向けの処方です。汗をかきやすい、顔がほてる、喉が渇くといった「熱症状」がある場合に効果を発揮します。
帯状疱疹後に残る“火照り”や“熱感”が強いタイプにとくに適しています。

越婢加朮湯と併せて行いたいストレッチ

越婢加朮湯は炎症やむくみを抑える漢方ですが、神経に関わる痛みには、筋肉の緊張緩和も重要です。以下のストレッチを組み合わせると、相乗効果が期待できます。

背中まわりのストレッチ

帯状疱疹は背中にも出やすく、神経痛もこの部位に起こりやすいです。肩甲骨まわりをほぐすストレッチで、神経の圧迫を和らげましょう。

やり方：両手を頭の後ろに置き、ひじを後方にゆっくり引きます。肩甲骨を寄せるイメージで深呼吸を数回行いましょう。

体側伸ばしストレッチ

痛みが出やすい脇腹や体の側面の筋肉を伸ばすことで、緊張をゆるめ、血流促進につながります。

やり方：両足を肩幅に開き、片手を上げて反対側に体を倒します。左右交互に行いましょう。

越婢加朮湯に副作用はある？　安心して服用するには

越婢加朮湯は、体質と症状が合えば非常に効果的な処方ですが、まれに副作用が見られることもあります。

・胃の不快感（胃もたれ、食欲不振など）
・下痢や軟便
・のどの渇き、発汗が多くなる

これらは、越婢加朮湯に含まれる「麻黄（まおう）」や「石膏」などの生薬が体に強く働きすぎた場合に見られることがあります。副作用が出た場合は無理せず中止し、早めに専門家に相談してください。

最も安心なのは、ご自身の体質や症状に合った漢方をプロに選んでもらうこと。
オンラインで体質チェック＆処方が受けられる【あんしん漢方】なら、自宅にいながら手軽に相談できます。

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越婢加朮湯で目指す、痛みのない毎日

帯状疱疹の罹患後に残る不快な痛みや違和感は、思った以上に長引くこともあります。
 「越婢加朮湯」は、そんな帯状疱疹後の炎症やむくみ、皮膚の赤みに対して、体の内側から働きかけてくれる漢方薬です。

西洋医学の治療と併用しながら、体のバランスを整える一手として、漢方を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか？
まずは、漢方のプロに相談して、ご自身にぴったりの処方を見つけてみてください。

＜この記事の監修者＞

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イラスト：にゃたり