奈良・東大寺旧境内にある正倉院は、9000件の宝物を1300年近く守り伝えてきました。

いまなお色あせることなく、輝きを放つ正倉院の宝物―それは時代を超え、人の心と手を通じて、脈々と受け継がれてきました。

毎年秋には正倉院展が開かれていますが、大阪歴史博物館で開催の「正倉院 THE SHOW -感じる。いま、ここにある奇跡-」は、実物の鑑賞とは異なるアプローチで宝物の楽しみ方を提案する展覧会です。(6月14日~8月24日)

3Dデジタルデータ 漆金薄絵盤 撮影及び計測:宮内庁正倉院事務所・TOPPAN株式会社

本展の見どころを広報事務局にうかがいました。

「本展では、宝物誕生から現在に至るまでの奇跡の物語を「愛 美 紡ぐ」の3つの視点から紐解きます。

愛―正倉院の物語は、光明皇后の想いからはじまりました。聖武天皇への愛、この国に生きる人々への愛が、宝物にこめられています。

美―シルクロードを経て集められた品々は、いまもなお唯一無二の輝きを放っています。

紡ぐ―正倉院の守り人たちの「残したい」という想いは、時代とともに担い手を変えながら未来へとつながっていきます。

模造 螺鈿箱 提供:宮内庁正倉院事務所

また、最新のデジタル手法を駆使した展示を行うのも本展ならでは。宝物を360度からスキャンして取得された高精細な3Dデジタルデータに演出を施した展示を行い、宝物の細部や質感をリアルに伝えます。また、正倉院事務所が研究・製作を進めてきた「再現模造」を映像・音楽・照明との組み合わせで展示し、新たな発見との出会いを提供します。

3Dデジタルデータ 螺鈿紫檀五絃琵琶
撮影および計測:宮内庁正倉院事務所・TOPPAN株式会社

さらに、ファッションデザイナーの篠原ともえさん、音楽プロデューサーの亀田誠治さん、写真家の瀧本幹也さん、陶芸家の亀江道子さんら、現代アーティストが正倉院からインスピレーションを受けて手がけた新作を披露します」

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶 提供:宮内庁正倉院事務所

会場内は、フォトスポットに限らず写真撮影及びSNS投稿が可能。まさにショーとしての華々しさに彩られた展示イベントです。ぜひ会場でお楽しみください。

【開催要項】
正倉院THE SHOW -感じる。いま、ここにある奇跡-
会期:2025年6月14日(土)~8月24日(日)
会場:大阪歴史博物館
住所:大阪府大阪市中央区大手前4-1-32
電話:06・4301・7285(なにわコール 8時~21時 無休)
展覧会公式サイト:https://shosoin-the-show.jp/
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:火曜日(ただし8月12日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
巡回:上野の森美術館(2025年9月20日~11月9日)

取材・文/池田充枝

 

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