めまいで耳鼻科を受診して、産婦人科を勧められたら試したい４つのこと

30～40代半ばのプレ更年期や、40代後半～50代の更年期の女性は「なんとなくの不調」「ちょっとした違和感」を抱くことが多くなります。
なかでも多くの人が困っている悩みは、更年期のめまいの症状です。

実は、その不調には漢方薬が役立つことをご存知でしたか？

私の悩みにも漢方薬が役立つのか知りたい！　根本解消する方法が知りたい！
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
今回は「更年期のめまい」の原因や対処法について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇純子さんに教えてもらいました。

Q．周囲がぐるぐる回転する……　このめまいの原因は何？

紗奈さん、47歳からご質問をいただきました。

「最近、めまいに襲われることが多くなりました。周囲がぐるぐると回転するような、とても不快な症状で、定期的に起こるので、何かの病気かもしれないととても心配です。

耳鼻科に行ってみたのですが、原因がわからず、産婦人科を勧められました。これって更年期症状なんでしょうか？ まだ産婦人科は受診していませんが、めまいが起こる理由を知りたいです」

ご質問ありがとうございます。めまいの症状は不快で、つらいものです。とくに、原因がわからないと不安も増大してしまいますよね。

紗奈さんがおっしゃる通り、そのめまいは更年期由来からきている可能性があります。

しかし、きちんと適切な治療やセルフケアを行えば、めまいの症状の緩和をめざせます。まずは、めまいの原因をしっかり把握して対処しましょう。

更年期のめまいの原因

めまいは、大きく分けて、脳や神経、内耳などの障害による「前庭性めまい」と、更年期由来の「非前庭性めまい」の２種類があります。更年期の非前庭性めまいが起こる理由は様々ですが、代表的な３つの事例について見ていきましょう。

１．自律神経の変調

自律神経は、交感神経、副交感神経のふたつが適切に切り替わり、バランスよく働くことで体の機能をコントロールしています。しかし、更年期のホルモンバランスが変化すると、自律神経が乱れてしまいます。

その結果、血流の調整機能が低下し、脳や内耳へ送られる血液の供給が不安定に。血流が滞ると、酸素や栄養の供給も不足し、めまいが起こりやすくなります。

自律神経は、ストレスや疲労、気温の変化などの影響も受けやすく、さらに症状が悪化することがあります。

２．エストロゲンの分泌量が大きく変化

更年期を迎えた女性は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急減します。エストロゲンは、女性らしい体づくりを担うほか、体の健康維持に関わる重要なホルモンです。

エストロゲンの分泌は、30～40代半ばのプレ更年期と呼ばれる時期から乱れ始め、40代後半～50代の更年期にさらに大幅に減少します。

エストロゲンの分泌が低下すると、前述の自律神経の不調のほか、様々な更年期症状の原因になります。

３．加齢による感覚器官の機能低下

人の感覚器官は、視覚、前庭覚（内耳の三半規管や耳石器）、体性感覚（関節や筋肉の感覚）の３つがあります。これらが協調して働くことが重要ですが、加齢に伴い、それぞれの感覚器官の機能が徐々に低下することで、体のバランス機能が衰え、めまいを引き起こすのです。

とくに、体の位置や動きを把握する三半規管の機能が低下すると、体の平衡バランスが崩れやすく、めまいやふらつきの原因になります。

ホルモンバランスの崩れが原因で起こるめまいが続く場合は一度診療を

めまいの原因には、更年期によるホルモンバランスの変化だけでなく、以下のような疾患が関係している場合があります。

・脳梗塞
・脳出血
・脳腫瘍
・起立性低血圧症
・メニエール病

これらの疾患が原因になる場合もあるので、めまいなどの不調を感じる場合は、自己判断せずに、まずは病院で医師の診察を受けることが重要です。めまいの原因を突き止めてから、適切な対処を行いましょう。

受診する際は、耳鼻咽喉科、もしくはかかりつけの内科を受診し、必要に応じて産婦人科や婦人科などの専門科を紹介してもらうといいでしょう。

ただし、めまいの症状が強かったり、手足のしびれや意識障害などの症状を伴ったりする場合は、すぐに脳神経外科や脳神経内科を受診することをおすすめします。

更年期のめまいを改善するセルフケア

更年期のめまいを改善するには、以下のような対処方法もおすすめです。すぐに試せるセルフケアを４つご紹介します。

１．十分な睡眠

睡眠不足は自律神経を乱し、めまいを引き起こす原因になるので、質が高く十分な睡眠時間をとることが大事です。

一般的に、必要な睡眠時間量は個人差が大きいといわれますが、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド」によると、成人は約６時間以上の睡眠時間が推奨されています。睡眠量が少ないと感じている方は、まずは６時間を目安にしてみましょう。

睡眠の質を向上させるには、規則正しい生活を送ることが不可欠です。食生活や運動習慣を整え、睡眠のリズムを崩さないように心がけましょう。

２．トリプトファンやタンパク質の摂れる食事をとる

トリプトファンは、睡眠ホルモンのメラトニンの材料となる必須アミノ酸です。トリプトファンが不足すると睡眠の質が低下し、めまいの原因になることがあります。

トリプトファンは、以下のようなタンパク質に豊富に含まれます。

・乳製品
・大豆製品
・穀物
・肉類
・魚類

動物性タンパク質を摂取するときは、炭水化物やビタミンB６と一緒に摂取すると、効率よくトリプトファンが精製されます。ビタミンB６は、バナナ、サツマイモ、玄米などに多く含まれているので、組み合わせて効果的に摂取しましょう。

３．リラックスできる時間を作る

めまい症状を落ち着かせるためには、安静にして、心と体をリラックスさせることが大事です。自律神経を落ち着かせることで、めまいを軽減できる場合があります。

まずは必要に応じて横になったり目を閉じたり、深呼吸するのもおすすめです。めまいが落ち着いてきたら、水分補給やストレッチを行い、体をケアしてあげましょう。

ストレスを和らげるためには、適度な小休止も重要。趣味に没頭するなど、心が落ち着く時間を作るのもおすすめです。

４．漢方薬を試す

「めまいを根本から改善したい」
「いろいろと試したが症状が改善しない」
「西洋薬は一度飲み始めたら、やめられないのではないかと不安」

そんな方には、医薬品として効果が認められている漢方薬がおすすめです。

漢方薬は自然にある植物や鉱物などの「生薬」を組み合わせて作られているため、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。

また漢方薬が目指すのは苦痛を和らげるための対症療法ではなく、根本的な解決です。体質の改善に働きかけることのできる漢方薬は、「同じ症状を繰り返したくない」という思いに応えてくれます。

「バランスの取れた食事や運動などを毎日続けるのは苦手」という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

めまいに対処するには、「血流をよくして、脳や内耳に酸素や栄養を届ける」「内耳の水分代謝の乱れを改善する」「自律神経を整えて、ストレスを緩和する」といった生薬を含む漢方薬を選びましょう。

＜めまいの対策におすすめの漢方薬＞

・桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）：血行を促進して、頭に滞った余分な水分をとり去って、めまいを緩和します。

・五苓散（ごれいさん）：体の水分バランスを整え、水分代謝を調整し、めまいを軽減します。

ただし、漢方薬を選ぶ際にはご自身の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることがあります。

購入時には、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師等にご相談ください。

「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、医薬品の漢方薬がおすすめ。スマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。

AI（人工知能）を活用した「オンライン個別相談」サービスでは、漢方のプロが体質に合った漢方を見極めてくれます。お手頃価格で自宅まで郵送してくれるため、手軽で便利です。

●あんしん漢方：https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0241&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=250215

更年期由来のめまいは、生活習慣を改善しましょう

更年期由来のめまいは、女性ホルモンのエストロゲン量の低下により自律神経が乱れ、脳や内耳への血流が滞り、酸素や栄養が届きにくくなることによって起こります。生活習慣を改善することで、症状を緩和できる場合があります。

また、めまいはそれ以外にも脳の疾患などによって起こる場合もあるので、手足のしびれなどを感じる場合は、なるべく早く病院を受診しましょう。

＜この記事の監修者＞

●あんしん漢方（オンラインAI漢方）：https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0241&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=250215

イラスト：にゃたり