かすみ目・疲れ目が気になるときは「杞菊地黄丸」【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】

ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの？」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。今回のテーマは、「かすみ目・疲れ目が気になるときは『杞菊地黄丸（こぎくじおうがん）』」です。あんしん漢方（オンラインAI漢方）の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。

杞菊地黄丸はどんな方におすすめ？

まずは、杞菊地黄丸がどんな方に向いているのか、具体的にご紹介します。

1．かすみ目、疲れ目の方

杞菊地黄丸は、目の酷使によるかすみ目、眼精疲労といった、目の不調にはたらきかけます。一日中パソコンやスマホを使用して目が疲れている方におすすめです。

2．手足のほてりやのぼせなどが見られる方

杞菊地黄丸は、手足のほてりやのぼせといった症状にも適した漢方薬です。体に熱がこもって潤いがなくなっている状態を整え、のぼせやほてりなどの不調を抑えます。

3．排尿困難や頻尿の方

杞菊地黄丸のベースとなっている「六味丸（ろくみがん）」という漢方薬は、下半身の元気を補う漢方薬で、弱った足腰や泌尿生殖器にはたらきかけ、夜間頻尿や排尿異常などにも適応しています。

ただし、冷え症の場合は「八味地黄丸（はちみじおうがん）」を用いることが一般的です。

杞菊地黄丸とは？

次に、杞菊地黄丸の効能・効果、飲み方を解説します。

1．効能・効果

杞菊地黄丸は、泌尿器、生殖器系を意味する「腎（じん）」を補う六味丸に、クコの実を乾燥させた「枸杞子（くこし）」、菊の花を原料とする「菊花（きくか）」という目の不調に用いる生薬を加えた漢方薬です。

眼精疲労が目立ち、口の渇き、手足のほてりがあるタイプの方に処方されます。

2．基本の飲み方

杞菊地黄丸は、食前（食事の約30分前）や、食間（食事から約２時間後の空腹時）に水やぬるま湯で服用してください。

漢方薬は用法用量を厳守しましょう。飲み忘れた場合は、２回分以上をまとめて服用することは避け、飲み忘れに気付いた時点で１回分を飲みます。次の服用までは１日３回の場合は４時間以上、１日２回の場合は６時間以上、服用間隔を空けてください。

杞菊地黄丸に副作用はある？　安心して服用するには

漢方薬は西洋薬よりも副作用のリスクが低いといわれるものの、副作用が絶対に起こらないわけではありません。

杞菊地黄丸には、皮膚の発疹、かゆみ、胃部の不快感、腹痛、食欲不振などの副作用が生じることがあります。もし不調が見られる場合はすぐに服用を中止し、医師や薬剤師などに相談してください。

漢方薬は、体質との相性も重要です。医師や薬剤師にきちんと体質を判断してもらったうえで、体質に適した漢方薬を正しく服用してください。

「なかなか病院に行く機会がない」という方には、オンライン漢方薬サービスの「あんしん漢方」がおすすめ。体質診断から漢方薬の購入まで完結できる手軽さが話題を呼んでいます。

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杞菊地黄丸は目の疲労や弱った下半身に

杞菊地黄丸は、六味丸をベースに、目の不調にはたらきかける生薬を配合した漢方薬です。疲れ目、かすみ目といった目の不調から、排尿異常のような泌尿生殖器のトラブルにも用いられます。

さて、次回は「疲労と頻尿が気になったら『六味丸』」です。ぜひご覧ください！

＜この記事を書いた人＞

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