
もふもふした大きな耳、つぶらな瞳、ゆったりした寝姿……コアラって見ているだけで癒されますよね。でも、どうしてオーストラリアにしかいないのか、なぜユーカリしか食べないのか、知っている人は少ないのではないでしょうか。
そんな知ってるようで知らなかったコアラの世界にどっぷり浸かれるのが『おいでよ! コアラ沼への招待状』(世界文化社)。監修者の早川卓志さんは、コアラは視野を広げてくれる特別な存在だと言います。生きものへの興味はもちろん、地球環境や動物園の意義や使命について考えるきっかけとなっているからです。
コアラの奥深い魅力を知ることで、地球の、動物の、そして私たち自身のこれからを考えてみてはいかがでしょうか。
今回は『おいでよ! コアラ沼への招待状』から、コアラのトリビアをご紹介します。木の上で暮らすコアラたちの生態や能力を知ることでより理解が深まります。
監修/早川卓志
驚きの樹上生活
コアラは一生を木の上でくらし、地上に降りるのは別の木へ移動するときくらいです。この「樹上生活」がコアラを理解するうえでとても重要なポイントです。
【トリビア】ホームレス!?
コアラには「巣」というものがありません。雨が降っても風が吹いても、どんなに寒くても暑くても、ユーカリの木の上でじーっと耐えるのみ。しかし、ただやみくもに木でくらしているのではなく、暑い日は風通しの良い高い場所へ、寒い日は幹に近い低い場所へ、楽にユーカリを食べられる場所へと、移動しています。ある意味では、森全体が大きな「家」なのかもしれません。
【トリビア】縄張りがある
コアラは単独生活をする生きもので、それぞれが10~30本ほどのユーカリの木の範囲でくらしています。その中でも特にお気に入りの木が数本あり、それらの間を状況によって移動しながらくらしています。オスのコアラは、胸にある「臭腺」から茶色くベタベタした分泌液を出して木にこすりつけ、「ここは自分の場所だ」というメッセージを伝えます。分泌液はユーカリの香りをきつくしたような酸っぱい匂いや油っぽい匂い、ときには「パルメザンチーズ」にたとえられることもあります。

【トリビア】指が分かれている!
人間の指が2組に分かれているように、コアラの前あしの指も向かい合った2組に分かれています。ただし、コアラの前あしの指は2本と3本に分かれて枝をがっちりと掴める構造。そこから生えている鋭く曲がった爪は、樹皮に食い込み、垂直な幹でもするすると登ることができます。
【トリビア】指紋がある!?
人間の手足に指紋があるように、コアラのふっくらとした手足にも指紋のような細かい溝があります。木からツルッと滑り落ちない理由のひとつです。
【トリビア】ほとんどしっぽがない!
木でくらす多くの哺乳類にはしっぽがありますが、コアラには尾骨はあるものの、外からはほとんど見えません。なんだか人間のよう…? ちなみに、チンパンジーやゴリラなど、類人猿のしっぽも退化しています。
【トリビア】マッチョ
コアラにはしっぽがほとんどありませんが、木の上を器用に渡り歩く驚きのバランス力を持っています。それはもしかしたら、体脂肪率4〜5%のマッチョだからかもしれません。
※写真はすべてイメージです。
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『おいでよ! コアラ沼への招待状』
監修/早川卓志
世界文化社 1760円(税込)

早川卓志
北海道大学 大学院地球環境科学研究院 助教。
アフリカ、オーストラリア、ブラジルなどと日本を結び、さまざまな野生動物の研究を牽引する注目の若手研究者。
ゲノムの視点から野生動物を研究する、新しい研究スタイルの確立を目指している。











