足の疲れは年齢のせいじゃない！ 肝臓とホルモンバランスの意外な関係

夕方になると足が重だるく、むくみや疲れがなかなか取れない……そんなお悩みはありませんか？
「年齢のせい」と思って諦めていませんか？
実はその足の疲れやむくみ、肝臓とホルモンバランスが関係していることもあるのです。
今回は足の疲れについて、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の研究にも携わる碇 純子さんに伺います。

Q. 最近、疲れやすくて、足の疲労感が気になります。肌も荒れやすいんです。もしかして肝臓が弱っているのでしょうか？

その可能性は十分にあります。
肝臓は解毒やエネルギー代謝だけでなく、女性ホルモンの調整にも関わる大切な臓器。
機能が弱まると、疲れや肌荒れ、さらには足のだるさやむくみといった不調があらわれやすくなるのです。

肝機能の衰えによる主な症状とは？

ホルモンバランスの乱れ

肝臓は女性ホルモン（エストロゲン）の代謝を担っています。機能が低下するとホルモンの調整がうまくいかず、生理不順や更年期症状の悪化、気分の落ち込みを感じやすくなります。

疲労感やだるさ、足の疲れ

肝臓は「解毒」と「エネルギー供給」の要。働きが弱まると老廃物がたまりやすく、全身の疲労感や足の重だるさとしてあらわれることがあります。

肌荒れ・シミ・くすみ

代謝や解毒が滞ると血流も悪化。肌トラブルや顔色の悪さだけでなく、むくみも起こりやすくなります。

消化不良やむくみ

胆汁の分泌が減ることで脂質の消化が不十分になり、胃もたれや水分代謝の乱れがむくみの原因となります。とくに足のむくみはこの影響を受けやすいのです。

「年齢のせい」で片づけないで！　他の要因をチェック

【チェック項目】
□ 疲れても休んで回復しにくい
□ 生理周期が乱れたり、更年期症状が強く出たりする
□ 肌のくすみやシミが増えた
□ 夜中に目が覚めて眠りが浅い
□ 甘いものや脂っこいものを食べると胃もたれする
□ 足がむくみやすく、だるさが続く

複数当てはまる場合、肝機能低下によるホルモンバランスの乱れが背景にあるかもしれません。気になる方は内科や婦人科で相談してみると安心です。

肝機能をサポートする生活習慣

栄養バランスを整える

大豆や魚に含まれるタンパク質、玄米や豚肉に豊富なビタミンB群、緑黄色野菜やベリー類の抗酸化成分を積極的に。肝臓を助ける食材で日常を整えましょう。

アルコール・脂質を控えめに

飲酒や脂っこい食事は肝臓に大きな負担。週に数日は休肝日を設けると効果的です。

ストレス＆睡眠のケア

自律神経の乱れはホルモンバランスを直撃。深呼吸やアロマなどでリラックスし、質のよい睡眠を心がけましょう。

軽い運動で血流改善

ウォーキングやヨガは血流を促進し、肝臓や下半身の巡りを改善。足の疲れやむくみにも効果的です。

漢方やサプリの活用

五臓のバランスを整える漢方薬や、シジミ由来のオルニチンなどのサプリメントもサポートとして心強い味方になります。

当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）

婦人科系の機能を高めて、更年期障害、月経異常をはじめとする婦人科系疾患や貧血、冷え、むくみなど幅広く用いられる漢方薬です。

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肝機能の衰え＝ホルモンバランスの乱れに気づくことが第一歩

「年齢だから仕方ない」と思い込む必要はありません。
実は、足の疲れやむくみ、肌荒れや気分の落ち込みは、肝臓の働きが弱まることでホルモンバランスが乱れているサインかもしれません。
生活習慣の見直しで改善できる部分は多くあります。
今日からできる小さな工夫を取り入れて、足の軽さと心身のラクさを取り戻していきましょう。

＜この記事の監修者＞

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イラスト：にゃたり