「目標を達成している部下」への正しいマネジメントはどのように行えばいいのでしょうか? マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」で、学びましょう。

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「目標をすでに達成している部下に対して、どのようにマネジメントするべきか」を「成長」と「評価」の観点から解説します。結論は次の4点です。

・成長(1):上司は部下を成長させるために存在している
・成長(2):達成を続けている部下も成長させ続けなくてはいけない

・評価(1):正しい評価の在り方を理解させる
・評価(2):優秀な人材を守るためにも、成長にフォーカスしたマネジメント

では、それぞれ解説していきます。

成長(1):上司は部下を成長させるために存在している

まずは、直ちに目標設定を上げてください。この場合の上司に共通している感情は、「達成しているからこのままでもいいの?」と思う半面、「出来ればさらに上の結果に向かって欲しいのだが?」ではないでしょうか。

理由もおおよそ共通していて、「今の数字に満足して足を止めていたら成長が止まってしまう」「あくまで短期的な目標達成はキャリアの通過点に過ぎない」「社員としても人間としてももっと大きな成果に向かって欲しい」「ここで止まって欲しくない」「満足させるのは本人のためにならない」ではないでしょうか。

このとき忘れてはならない観点は、「上司は部下の成長を促す存在である」という認識です。ここをブレずにしっかりと軸に持ってください。

上司は「部下を成長させるため」に組織に存在しています。この観点からみて、ここで目標設定を上げないことは部下の成長を促進させるでしょうか? ノーです。よって具体的には、直ちにその部下に対して設定している目標の規準を上げ、不足や未達が発生する状態をつくることが正解です。理由は、目標達成し続けている今の状況では成長に不可欠な「不足の認識」をしづらい環境だからです。

不足を認識できない環境は部下が「変化しなければいけない環境」ではありません。変化する必要がないので、すなわち、部下が成長するためには良い環境とは言えません。よって上司から、部下の目標設定を高めて、さらに変化しなければならない環境を強制的に整えてください。

上司は「部下を成長させるため」に存在しています。目標達成している部下には早急に、さらに成長できる環境を作ってあげる必要があるのです。

成長(2):達成を続けている部下も成長させ続けなくてはいけない

では、目標達成できている部下に対しても「さらなる負荷をかけて成長させ続けないといけないの?」と考える上司もいるかもしれません。結論は「成長させ続けなければいけません」となります。

ここでは背景にある「すべてのものは変化する」という世の中の仕組み、事実を理解してください。識学理論では、現状維持のままの状況を「変化させられる」状況と表現します。

技術やサービスは日々向上し、ライバルの出現や競争環境は激化し、市場の変化やニーズは多様化するなど、世の中のすべてのものは日々常に変化しています。これは否定できない、紛れもない事実です。とすると、今どれだけ競争優位な位置も順調な位置も、現状維持のまま止まった状態では、常に進化して変わり続けていく周囲との位置関係は「どんどん変わっていく」ということが事実になります。

主体的に「変化する(している)」意識はないが、現実として「自分以外が良くなる方向に周りが動いている、進化している」、その中で「自分だけが止まっている」という状況は「周りに置いて行かれている」状況ということです。これを識学理論では「変化させられる」と表現しています。本人は今の位置をキープし続けているつもりかも知れません。しかし、事実はドンドン周囲に追い抜かれていき、取り巻く状況は全く変わっていきます。

これが一般的に「現状維持は衰退」といわれる正体です。組織も個人も「変化させられる」状態ではダメなのです。常に成長し続けなければいけません。

評価(1):正しい評価の在り方を理解させる

部下が目先の目標達成で満足してしまい「これ以上やっても……」と思っている状況はないでしょうか。この理由は部下の視野が「短期の業務成果」という枠内に閉じこもっていて、「その期の評価上限に達しているからこれ以上やっても勿体ない」と考えているのです。その認識を変えてください。

人は、置かれている状況を、自分の思考を判断基準として環境認識し行動を起こします。これが識学がお伝えしてる意識構造学です。よって評価の観点からも誤った環境認識を変える必要があります。ここでは評価に上限は無い、もしその期における評価基準点の上限に達していたとしても、印象における評価は継続する、と正しく部下の環境を理解させてください。

つまり、社内の限られたポストや新規事業への抜擢などは、短期的な目標達成の業績評価だけでなく、印象評価によって確定することもまた事実であることを正しく理解させ、常に部下が本気にならざるを得ない状況を作りましょう。その環境を理解させることも管理者の役割です。

評価(2):優秀な人材を守るためにも、成長にフォーカスしたマネジメント

組織から必要な人材が離職していく理由の一つは「その環境ではこれ以上成長出来ないから」です。特に優秀な人材は、ここに居てもこれ以上自分の成長が期待できないと考えた場合、その組織から離れます。

今回のテーマの「目標を達成している部下」はある一定の「優秀な部下」「必要な人材」と定義します。この優秀な人材が、これ以上求められない環境、自分が成長できない環境、進行感を感じられない組織と感じたらどういう行動をするでしょうか。

成長を望む人材ほどさらなる環境を求めて自ら去っていきます。いわゆる「辞めて欲しくない人材が辞める」現象です。個人の成長が組織の成長を上回り、このまま組織に居続ける有益性が低いと感じる状況です。もちろん、待遇面に関しては、競合他社と比較して大きく劣らない水準にする必要はありますが、これを給与だけの問題と捉えては問題の本質を見誤ります。

本質は、「成長」を重視した優秀な従業員がこの組織にいることの有益性が低いと判断した、ということです。つまり、組織と管理者が本人に、今よりも上を目指して欲しいというメッセージを与えられず、成長実感を抱かせることが出来なかったことが原因です。具体的には、その個人の成長に応じた高い設定と評価を繰り返していなかったということになります。

上司が部下の成長に合わせた目標設定と評価により成長感を実感させること、すなわち正しい設定とそれに対する評価をくり返すことはとても重要かつ、上司にできるのは実はこの設定と評価だけです。なぜなら「もっと上に行きたい」という個人の感覚は、成長感の先に自己発生するものであり、部下自身の感情だからです。よって、上司は部下の「可能性」を広げ、目標を達成した部下にはさらなる目標を与えましょう。離職を防ぐマネジメントも常にフォーカスすべきは「成長」なのです。

まとめ

目標多成している部下のマネジメントのポイントは「上司は部下を成長させるために存在している」「達成を続けている部下も成長させ続けなくてはいけない」「正しい評価の在り方を理解させる」「優秀な人材を守るためにも成長にフォーカスする」という4つを軸にマネジメントを行うことです。

【この記事を書いた人】
識学総研 編集部/株式会社識学編集部です。『「マネジメント」を身近に。』をコンセプトに、マネジメント業務の助けになる記事を制作中。3,000社以上に導入された識学メソッドも公開中です。

引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/
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