世界規模の課題でもあるプラスチックごみ。日本でもプラごみ削減策として、2020年7月のレジ袋有料化を機に、日本のプラごみ廃棄量や海洋プラスチック問題など、プラごみに関するさまざまな話題がニュースで取り上げられました。株式会社オレンジページの「オレンジページくらし予報」では、国内在住の20歳以上の女性を対象に「プラスチックごみ(以下、プラごみ)」について調査しました。今回の調査では、こうしたニュースに対する認知度や、家庭から出るプラごみを削減するために今すぐできる工夫など、生活を取り巻くプラごみの実態についてリサーチしました。詳細をご紹介していきましょう。

■「日本のプラごみの量は世界2位」という事実を知らない人は80%

まずはレジ袋の有料化で、プラごみ問題への関心が高まった人かどうかを尋ねました。「はい」と答えた人は全体の92%。プラごみについて考える、1つのきっかけになったことは確かなようです。その一方で、日本が廃棄している国民1人あたりのプラごみの量が、「年間32kgで世界ワースト2位」という事実を知っている人は、わずか20%でした。

また、プラごみのなかでも、海洋汚染の要因として世界的な問題になっている「マイクロプラスチック」について、言葉の意味まで理解している人は3割ほどしかいませんでした。「マイクロプラスチック」という言葉は聞いたことがあるし、問題であることは何となくわかっているけれど、自分ごととしてきちんと理解している人は、まだまだ少数のようです。それでも、実態を知った人のなかには次の様に問題意識を持つようになった人も見受けられました。

「ウミガメが小さなプラスチック片を飲み込んで死んでしまい、ほかの魚の生態系にも影響があると知り驚いた」(40代・専業主婦)
「プラごみの海洋汚染で魚介類が食べられなくなる時がくるかも?と心配。今すぐの対策が必要」(60代・専業主婦)

■使い捨て容器や袋などが過剰だと思ったことがある85%

次に、プラごみについて日頃感じている意識を調査しました。すると、自分たちが捨てているプラごみに罪悪感を抱えている人はかなりの数にのぼることが分かりました。具体的に見ていくと、「家庭から出るプラごみが環境に与える影響が大きいと思う」という意見には89%、「プラごみを出すことが後ろめたい」という意見には53%の人の賛同を集めました。

また、「プラスチック製のパッケージや使い捨て容器、袋などを過剰だと思ったことがある」人は85%もいたことから、有料化で話題になったレジ袋より、そのほかのプラスチック製品の多さを指摘する人が目立ちました。さらに、詰め替えや簡易包装の店を利用するなど、家庭でできるプラごみ削減策を実行している人も多数いました。ここでは、寄せられた意見のうちいくつかをご紹介します。

「レジ袋有料化でゴミ袋を買うようになり、1日に出る家庭ゴミの多さに気がついた」(40代・パート)
「プラスチック製品が家のごみの大半を占めている」(50代・専業主婦)
「レジ袋よりも、過剰包装や食品・飲料のプラスチック製容器の多さが気になります」(30代・フルタイム)
「過剰包装は避け、洗剤などはできるだけ詰め替えなどを利用する」(50代・専業主婦)
「簡易包装の肉屋さんや魚屋さんを利用する」(40代・自営業)

■MYバッグの次は「MY詰め替えボトル」「MY容器」が来る?

あなたはプラごみを減らすためにどんな工夫をしていますか? 最後に、プラごみを減らすための工夫について尋ねました。すると、「中身が同じようなものなら、包装が簡易なもの、紙製のものを選ぶ」のように、環境に配慮した製品を意識的に選んでいる人も少なくありません。また、「企業が製品をリユース・リサイクルするところまで考えて製造するようにしては? 」など、国や企業が主体となって、制度や仕組みを見直して欲しいという要望もありました。

さらに、MYバッグのような「MY○○」アイディアを聞いたところ、「総菜や生鮮食品を入れるMYトレーやMYボックス」、「洗剤や調味料を量り売りにして、MYボトルに詰めたい」など、MY容器・MYボトルのアイディアが数多く集まりました。今後、こうした取り組みが定着していけば、使い捨て容器の削減効果も期待できるのではないでしょうか。

   ***

いかがだったでしょうか? 世界規模の課題であるプラごみ。時には自分の生活を振り返り、「何か見直せることはないか? 」と考えていくことが重要だと思わせる調査結果でした。簡単に解決できることではありませんが、たとえ小さなことでも、一人一人ができることを毎日コツコツ続けたら、いずれ大きな削減へとつながっていくはずです。

【調査概要】
調査対象:オレンジページメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性
(有効回答数1797人)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年6月18日~23日

 

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