「豪放磊落」の読み方、意味、由来とは？｜寛大な心から生まれる挑戦と可能性【座右の銘にしたい言葉】

若き頃は、自分の生きる道、己のあるべき姿を思い描きながら、その目標を見失わないために格言、諺（ことわざ）、偉人たちが残した名言などを心に抱き、日々の生活を送っていたように思います。そうして、半世紀以上を経て、己の人生を振り返った時、かつて思い描いていた姿とはかけ離れたものになっているかもしれません。

しかし、人生折り返しと考えるならば、新たな「あるべき姿」を描き、生きることができるようにも思います。そんな第二の人生のために、改めて座右の銘とする言葉を持つのはいかがでしょうか？　

第21回の座右の銘にしたい言葉は「豪放磊落（ごうほうらいらく）」 をご紹介します。

目次
「豪放磊落」の意味
「豪放磊落」の由来
「豪放磊落」を座右の銘としてスピーチするなら
まとめ

「豪放磊落」の意味

「豪放磊落」について、『⼩学館デジタル⼤辞泉』では、「度量が広く大胆で、小事にこだわらないこと。また、そのさま」とあります。この言葉は、心の広さや大胆さを表し、他人に対して親切で寛大な態度をとることを意味します。

「豪放磊落」の由来

「豪放磊落」は、「豪放」と「磊落」という二つの言葉から成り立っています。「豪放」とは大胆で自由奔放な性格を意味します。細かいことにこだわらず、大らかで心の広い様子を表します。「磊落」とは大きな石がうず高く積み重なっている様子を表し、転じて、心が大きく小さなことにこだわらないことを意味します。

「磊」という字は見て明らかなように石を三つ合わせて、石が重なり合う意味を表しています。「磊落」とは石が重なり合って「落ちる」、ということではなく、ここでは「落ちている」と解釈します。例えば、多くの石が落ちている広大な場所で、小さな石が欠けたとしても大したことではない、気にするに及ばない、ということから、小さなことにこだわらないという意味として使われます。

「豪放磊落」は、歴史的な人物や文学作品にも多く登場します。例えば、中国の三国時代の英雄、関羽や張飛は「豪放磊落」と評されることが多いです。彼らは、大胆不敵でありながらも、仲間や部下に対して寛大で、公正な態度を示すことで知られています。

また、日本の武士道にも通じる精神であり、戦国時代の武将たち、例えば、織田信長も「豪放磊落」な人物として語られることがあります。

現代においても、例えば、田中角栄などの政治家や、ビジネスリーダー、アーティストなど、多くの成功者が「豪放磊落」の精神を持っていると言えます。彼らは、失敗を恐れず、挑戦を続けることで成果を上げてきました。そして、その寛大な態度は、周囲の人々からの信頼を勝ち得ています。

「豪放磊落」を座右の銘としてスピーチするなら

聞き手が「豪放磊落」の意味を理解できるように、言葉の定義や由来を簡潔に説明します。そして、実生活のエピソードを交えて、言葉の意味を具体的にイメージさせるように話すといいでしょう。以下に「豪放磊落」を取り入れたスピーチの例をあげます。

仕事の場面でのスピーチ

今日は、私が座右の銘としている言葉についてお話しさせていただきます。それは「豪放磊落」という言葉です。

この言葉は、心が広く、大胆で、他人に対して寛大な態度をとることを意味します。私はこの言葉を心に刻むことで、仕事に対する姿勢を大きく変えることができました。

例えば、新しいプロジェクトに挑戦する際、私は失敗を恐れずに積極的に取り組むようにしています。失敗は成功への一歩であり、そこから多くを学び成長できると信じています。また、同僚や部下に対しても寛大な心で接し、ミスを責めるのではなく、共に解決策を見つけるよう努めています。

このような姿勢が、結果としてチームの結束力を高め、プロジェクトの成功に繋がると実感しています。皆さんもぜひ、「豪放磊落」の精神を持って、挑戦と成長を楽しんでください。

まとめ

「豪放磊落」という言葉は、心の広さや大胆さを持つことの大切さを教えてくれます。この言葉を座右の銘にすることで、日々の挑戦に対する前向きな姿勢を持ち続けることができるでしょう。人生のあらゆる局面で、この言葉が支えとなり、新たな可能性を切り拓いてくれることを信じています。

●執筆／武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

●構成／京都メディアライン・https://kyotomedialine.com