【家族の秘密】書置きを残し、40歳の独身娘が姿を消した…過干渉な父親から娘はなぜ逃げたのか？～その１～

明確な手掛かりが部屋に残されていた

家出をした方の調査は、とにかく早く探すことが大切。すでに２日経っているとのことで、急ぐことにしました。

特に娘さんは、40歳と若くとても美しくていらっしゃる。犯罪に巻き込まれてしまう可能性もあり、一刻を急ぎます。

まずは、正親さんのご自宅にお伺いしました。東京から150キロのところにある広い敷地の壮麗な日本家屋に驚きました。

そして、中に入るとセキュリティがばっちりの最新の設備。玄関に入ると、芸能人との交流の写真がズラリと並び、その真ん中に正親さんと娘さんがいました。娘さんが着ているイタリアブランドのドレスは、50万円以上するはず。

正親さんは気落ちしている奥様のところに行くとのことで、住み込みのお手伝いさんが、娘さんの部屋に案内くださいました。

60歳くらいのお手伝いさんは、「旦那さまには言えませんが、あまりご心配されなくても大丈夫ですよ。旦那さまはいい方なんですが、お嬢さんには過干渉なんです」とおっしゃっていたのです。

私もそう思っていたので、「ひとまず、無事だ」と安心しました。娘さんの部屋は、母屋に隣接した別棟で、100平米はありそうです。そこにグランドピアノ、ドレス、洋服、バッグなどが整然と置いてありました。これだけでも、かなりの財産になりそうです。

部屋の片隅に最新式のデスクトップパソコンがありました。パスワードがメモ帳にでかでかと貼ってあり、それを入力して中を見ると、SNSのメッセンジャー機能で、さまざまなやり取りが残っていたのです。

しかも、その中には外国人男性とのかなり赤裸々な会話や、元恋人がこちらの地方に出張に来た時の不倫デートなど、「これは親には見られたくないだろう」と想像できるものもたくさんありました。その中から私たちは手がかりを拾っていったのです。

お手伝いさんの話では、正親さんは、娘さんを心配するあまり、住んでいた東京から呼び戻したり、門限を設定したりしていたようですが、娘さんのほうが一枚上手で、正親さんの干渉の合間をくぐって、好きにしている。

さまざまなメッセンジャーの中から、他と一線を画す「大地と自給自足」というような内容の発信人がありました。ここは、宇宙と交信して人生をポジティブにすることを目指す実践団体。まさに家出先を示唆する内容のものが見つかったのです。

私が「娘さんの手がかりが見つかりました」と報告すると、正親さんは「娘はスピリチュアルとか、畑仕事とか、一切やったことがない」と言うのです。

「娘がそんな山奥にいるとは信じられない。俺は絶対に認めない」などとおっしゃっていましたが、娘さんがどうしているかを確認するためにも、現地に赴くことにしたのです。

【山奥にある団体の施設に、娘はいるのだろうか……。その２に続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社　http://www.ritztantei.com/